






- 47都道府県、300以上の市町村への地方税申告に伴う業務が、煩雑で大変だった。
- 税制改正、申告書様式の変更等への対応、あるいはそのチェック作業に苦労していた。
- システムをベースに、複雑な税務プロセスの明確化や業務の標準化を進め、担当が替わっても誰でも業務を遂行できる組織づくりを考えていた。
- 地方税の申告書作成業務にかかる時間が大幅に削減できた。また、従来よりもはるかに簡単に電子申告ができた。
- 業務の分散化により、メンバー全員が自分の担当業務と申告書の関連性を理解できた。
- 業務プロセスが明確になり、内部統制上、どこにチェック機能をもたせれば税務上のリスクを発見・防止できるのか分かった。
―― システム導入前は、どんな点が課題となっていましたか。
山口 当社では、スプレッドシートを活用して申告書を作成していました。ある程度、別表間の関連性もとっていましたが、そのチェック作業には時間を取られていたんですよ。また、税制改正や様式変更への対応も、その都度、担当者がシートをメンテナンスしてきたため、後任の担当者は内容を十分理解した上でなければ何も手をつけられないという状態でしたね。さらに最終確認は私が行っていましたが、時間的な制約があるなかでのチェックには限界を感じていました。こうした税務上のリスクを発見・防止する仕組みを、早急に確立する必要がありました。
適切な業務プロセスの確立へ
―― ASP1000R導入の決定要因は何だったのでしょうか。
畠山 子会社(大和リゾート)が先行してASP1000Rを利用しており、システムを有効活用した業務分担もうまくいっていたことから、当社においても検討を始めました。最も魅力を感じたのは、地方税です。なにしろ当社は47都道府県と300以上の市町村に事業所があるため、それらをまとめていくというのが非常に繁雑な作業で、これまで多くの時間を費やしていたんですよ。各市町村の税率等もホームページで確認する必要があり、この作業だけでも1〜2日かかっていました。さらに、均等割や分割基準計算のチェックまで含めると、1〜2週間近く時間を要していたのではないかと思います。短期間に大量のデータを目で確認するしかなく、このストレスは相当なものでした。
山口 そうですね。システム導入で、こうした間接業務が解消されるだけでも随分楽になるだろうと思いました。また、これまでスプレッドシートで管理していた分割基準計算のデータを、CSV形式でシステムへ取り込める点も大きな決定要因でしたね。
―― ASP1000R導入の効果は、何だとお考えでしょうか。
畠山 やっぱり、地方税です。今回は導入初年度だったので、システムの立ち上げに時間がかかりましたが、それでも従来に比べれば作業時間を大幅に短縮できたと思います。また、申告書や納付書等もそのまま出力でき、納付データもCSV 形式のファイルで切り出せるなど、作業も効率化されました。さらに、都道府県民税の電子申告も行いましたが、ボタンを一つ押すだけと簡単な操作で、システム側が送信データのエラーチェックから申告までしてくれます。地方税申告用ソフトPCdeskを使っていた時に比べ、本当に楽になりましたね。
―― 法人税はいかがでしたか?
松本 私は初めて法人税を担当したのですが、申告検討表の内容を確認して、別表のどことどこが連携するのかがよく分かって、非常に役立ちました。実際の作業を通じて勉強できたという点で、本当にいい経験になったと思います。
畠山 今回、基本的な別表四のまとめを松本君が担当し、そのほかの別表は私とその他のメンバーで分担しました。ほとんどのメンバーが税務未経験者です。そのため、例えば、受取配当担当が別表八を入力し、固定資産担当が別表十六関係を入力するという具合に作業を進めたことで、ほとんどの社員が税務業務に携わることができましたね。これまで、申告書作りは“職人芸”で、担当者が固定化していましたが、これからの組織に必要なのは“職人”ではなく、担当が替わっても誰でも業務を遂行できる“チーム”です。その意味でASP1000Rの操作を通じて、各メンバーが自分の担当業務と申告書との関連性を理解ができたのは、非常に大きな進歩だと思います。今後、作業をローテーションしていくなかで、メンバーの税務知識がさらに深まることを期待しています。
内部統制をさらに拡充へ
―― システム・コンサルタントのサポートはいかがでしたか。
畠山 オンライン・テスト処理をサポートいただいたことで、システムの基本的な動きや特性をつかむことができました。また、実作業でも、これまで何となく自己流で解釈していたことが、コンサルタントから解説してもらうなかで、「あぁ、そう考えるのか」と気づきを与えられましたね。
―― 最後に、今後の計画をお聞かせください。
畠山 ASP1000Rの活用により業務プロセスが明確化したことで、複数の担当者が連携するなど業務体制は数段レベルアップしたと思います。これは大きな成果ですね。しかし、内部統制や決算の早期化・四半期開示などを考えると、ようやくスタートラインに立ったというところでしょう。当社でも、「業務記述書」「業務フローチャート」「リスク・コントロール・マトリックス」を整備しましたが、本当に大変なのは、文書化されたものを業務単位で統制していくことです。これを機に、内部統制への取り組みをさらに掘り下げていきたいと考えています。
(インタビュー・駒田貴司)
| USER PROFILE |
| 名称 |
大和ハウス工業株式会社 |
| 設立 |
1947(昭和22)年3月4日 |
| 本社 |
大阪府大阪市北区梅田3丁目3番5号 |
| 資本金 |
1,101億2,048万3,981円 |
| 売上高 |
11,577億円 |
| 社員数 |
14,106名(2008年4月1日現在) |
| URL |
http://www.daiwahouse.co.jp/ |
| 東証1部、大証1部上場 |
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