経営情報システム
統合型会計情報システム(FX4)ユーザー事例
株式会社北越ケーズ

部門グループ・部門別の二階層で業績管理


新潟県を地盤に家電量販店などを事業展開するのが北越ケーズだ。個人消費が冷え込むなか、2002年度の売上高は106億円を計上した。同社の業績管理と経営計画作成に威力を発揮しているのが、TKCの『統合型会計情報システム(FX4)』と『継続MAS』である。そこで山本邦彦社長(56)と、経理担当の今井徳彦課長、顧問税理士の水戸部邦夫氏、監査担当者の水戸部幸夫氏に事業戦略などを聞いた。

ケーズデンキなどとのFC契約で多角化をはかる 山本氏

――昭和三年に創業して以来、新潟県を地盤に独立系の「家電量販店」として展開されてきましたが、平成5年にケーズデンキ(本社・茨城県、以下K社)さんとFC契約を結びました。その狙いをお聞かせ願えますか。

山本: 平成の初め頃から、「合従連衡」が家電量販店の流れとして出てきたことが背景にあります。このまま独立系でいくより、どこかと組んだ方が将来的に望ましいと思いました。ケーズデンキさんとは、以前から勉強会を一緒に行うなど気心が知れており、安心感がありました。K社ではいまエリアごとにFC契約して、店舗ネットワークを広げていく戦略を展開しています。従って、FC契約もエリア契約になっており、新潟県内を任されています。主に郊外のショッピングセンター敷地内に出店しており、現在の店舗数は14店舗です。平均的な店の広さは450坪で、取扱商品は白物、パソコン、AV機器など約5万点です。

――ケーズさんと手を組んだことによるメリットは……。

山本: いろいろありますが、その一つは「生産性の向上」です。年商が100億円の規模にもかかわらず、本社スタッフは7〜8人です。昔は自前でメーカー、問屋さんと交渉して商品調達していましたけど、今はK社の本部がやってくれますので、うちではお客様に対する接客と店舗運営にエネルギーを注ぐことができます。第二は、K社独自のPOSによる自動発注システムを利用できたことです。これは商品ごとに「定数」を設定し、その数を下回ると自動的に発注されるというものです。例えばA商品の場合、総個数が30個で15個まで売れると、補充されるわけです。店内のPOSレジとK社の本部がつながっていて、うちの本社とK社の本部がオンラインで結ばれています。そして、その発注データはその日の深夜に処理され、翌日の朝までには仕入先(メーカー・問屋など数十社)にEOS(エレクトリック・オーダリング・システム)で伝送されるため、遅くても3日後には商品が届きます。

――最近では、新しい業態開発にも積極的ですね。

山本: ええ。事業の柱は、一つより複数の方がリスクヘッジできますから、本業の周辺部分を取り込んできています。具体的には平成12年5月に株式会社ピーシーデポコーポレーションとFC契約を結び、長野市に県内最大のパソコン専門店を出店。その年の8月にはリサイクル専門店「サイクルヒット」(1店舗)を立ち上げました。個人消費が冷え込んでいるなか、2002年3月期の売上高が106億円となり、前期に比べ横バイですんだのは、こうした多角化による成果とみています。

マネジメントで大事なのは目標を決めること

――昨秋、TKCの『FX4』を導入されたとのことですが……。

水戸部税理士: 10年ほど前に『FX2』を導入したのですが、将来の株式公開を睨んで『FX4』に代えました。
水戸部(幸): 『FX4』なら商法や証券取引法に準拠した「決算書」を社内で作成することができますし、北越ケーズさんの実態に応じた勘定科目体系の設計もできます。
今井: おかげで家電リサイクル法に関連する預かり金など、業界特有の科目を設けることができました。『FX4』は社長室、常務、経理部門に3台の計5台のパソコンで活用しています。経理担当者3人が同時に入力できますので、作業の効率化が一段と進みました。
山本: 自分で画面をみてドリルダウンすればいちいち経理担当者に聞かなくても、何に使った経費かなどがわかります。TKCシステムのなかで非常に素晴らしいのが『継続MAS』です。従来は『継続MAS』で経営計画を作成して、そのデータを『FX2』に登録して予実管理していました。実は、業務の拡大に伴い前々から『FX4』に切り替えなければと考えていたのですが、肝心の『継続MAS』が利用できないといわれていました。それが昨秋から可能になったので『FX4』に喜んで代えたんですよ(笑)。
水戸部(幸): 『継続MAS』が使えなければ『FX4』に代える必要はないといわれ続けていました。
今井: 『継続MAS』はTKCさんの財務三表の勘定科目を前提にしているのに対し、『FX4』は当社の実態に合わせた勘定科目体系になっています。だから従来は連動できなかったのですが、今回財務三表における○○の科目は、『FX4』では□□に対応する、ということができるようになりました。初期設定として、両者を対応させるのに多少時間がかかりましたが、メリットは大きいです。

――なぜ『継続MAS』をそんなに気に入っていただいているのですか。

山本: マネジメントで大事なのは、計画だからです。極端にいえば、経理というのは終わった話です。もちろん分析や反省材料にはなるが、重要なのは行き先を決め、そのために知恵を出し、汗をかくことです。
水戸部税理士: 山本社長は、売上規模がまだ10億円くらいのときから、自ら手書きで経営計画書を作成し、それを株主や社員などに公表(配布)していました。そういう下地ができていたから、『継続MAS』のよさを認識できたのだと思います。


今年10月に県内最大の「家電量販店」をオープン

――『FX4』では会社組織に応じて部門別業績管理ができますが、御社の場合はどのように……。

山本: まずケーズ事業、PCデポ事業、サイクルヒット事業の三事業を部門グループとし、その下にケーズ事業なら一四店舗を部門別として業績管理しています。つまり部門グループで事業ごと、部門別で店舗ごとの売上、変動費、限界利益、固定費、経常利益をリアルタイムに把握できる仕組みにしたということです。
今井: さらに『継続MAS』の《部門別利益管理プログラム》という機能を使って、部門ごとに予算を作成し、『FX4』に月別展開しています。当社では試算表を翌月の10日には出していますので、例えばケーズ事業ならどのお店が予算をクリアしているか、あるいは苦戦を強いられているかなどがわかります。

――基本的には、どういう考え方に基づいて店舗別の予算を作成しているのですか。

山本: 一般的には経常利益を起点にして、固定費、限界利益、売上を決めていくのが望ましいといわれています。が、家電量販店業界は競争が熾烈なので、下から逆算する方法では目標ではなく願望になってしまうきらいがあります。市場に他社が参入してくれば、売上が落ちます。そうした変化要因を店舗ごとにどう読んで、売上予測を立てるかがまず重要なのです。
 さらに当社では『継続MAS』で作成した「基本目標」をベースにしながら、「売上高105%、粗利益率プラスマイナスゼロ」というふうに9つのシミュレーションを行っています。つまり売上は基本目標通りに推移しているが、粗利益率はマイナス0.5%などにブレた場合、経常利益がどうなるかを予めシミュレートしているわけです。
水戸部(幸): 『FX4』は統合型の会計情報システムだけに、オプションとしていろんな機能があります。なかでも北越ケーズさんが気に入っているのが支払管理システムです。
今井:本来なら支払管理システムだけでなく、債権管理システムも必要なんでしょうが、当社の場合は現金売上がほとんどなので、支払管理だけで十分でした。毎月の銀行借入金の返済や前月に立てた未払い金などを、この支払管理システムから直接入力しています。入力業務の省力化などに非常に役立っています。

――月次の試算表でとくに注目している科目は……。

山本: 売上、限界利益、経常利益ですね。売上を目標通りに伸ばすことはいうまでもありませんが、固定費を予算内に抑えていくことも大事です。固定費関係で大きいのが人件費です。現在の労働分配率は32〜33%ですが、これからの時代は30%を切らなければダメです。
水戸部税理士: 販促費もかなり大きい科目です。集客のためにチラシを年間50回、地元のテレビ局にもコマーシャルを随時流しているので、毎年売上高の3%ほどをあてています。
今井: お店で経費をコントロールできる水道光熱費については、「エクセル」に切り出して、店長会議の際の指導項目として活用しています。

――最後に今後の方針をお聞かせください。

山本: 今年10月に新潟市河渡の大規模ショッピングセンター内に「ケーズデンキ新潟本店」をオープンさせる予定です。売り場面積は県内最大の約3400平方メートル。投資額は約10億円で、5行によるシンジケートローン(協調融資)で調達しました。初年度(2002年10月〜2003年3月)の売上は30億円を見込んでいます。1店舗で年商の半分くらいを占めるため、当社にとって勝負のときです。
(関信統括・中川陽一/本誌・岩崎敏夫)


DATA

名 称 株式会社北越ケーズ
業 種 家電販売業
社 長 山本邦彦
設 立 1974(昭和49)年4月
本 社 新潟県北蒲原郡中条町鴨田2991
T E L 0254ー44ー6153
売上高 106億円
社員数 170名
URL http://www.e2000.co.jp/
顧問税理士  水戸部邦夫税理士事務所 
新潟県北蒲原郡中条町表町5ー25
0254ー43ー2346