特集

中小企業の地震対策

建物から防災グッズまで総チェック


 “地震列島”日本。昨秋から、新潟、福岡と2つの大きな地震を経験し、警戒感も強まってきた。しかし、「喉もと過ぎれば」もまた日本人の特徴。そろそろ企業としての地震への心構えを根本から見直し、本当に有効な対策を取るべきときが来ているのではないか。

【Q&A】東京海上日動リスクコンサルティング 主席研究員 指田朝久

大地震に備えるための4つのステップ

ステップ1 耐震性の確保

 経営者がまず留意すべきは、やはり建物の耐震性ですか。

 もちろん地震災害の最大の関心事は建物の被害です。直接人命に関わりますからね。
 まず注目していただきたいのは、建築基準法が改正された1981という年次です。この年以前に建築された建物(旧耐震基準)と、以降のもの(新耐震基準)とでは、強度の点で雲泥の差があるのです。例外はあるでしょうが、基本的には旧耐震基準の建物は、そのまま使い続けることは難しいと考えてください。震度6弱クラス以上の地震で崩壊を含めた深刻なダメージを被る危険性が極めて高いからです。

 「旧」と「新」の建物では被害の程度はかなり違いますか。

 先の阪神・淡路大震災の場合、「新」と「旧」の建物では、大破率、全損率に大きな数字の開きが出ました。そのため国は、震災後、耐震改修促進法という法律をつくったのです。「旧耐震の建物は、まず耐震診断をして必要であれば補強しなさい、そうしないと危ないですよ」というわけですね。
 もっといえば、1971年以前の「旧々耐震」の建物は、「旧耐震」のものよりさらに基準が甘く、そこに老朽化も加わってきますから、極めて危険といえます。

 耐震診断は誰に頼めば良いのか。また、そのコストはどれくらいかかるのでしょう?

 都道府県をはじめ各地方自治体に窓口がありますから、そちらを利用するのが安心でしょう。そこで信頼できる業者を紹介してくれるはずです。それからコストですが、安くはありません。一概にはいえませんが、たとえば2000平方メートルの延べ床面積の建物の場合、「診断」だけでも100万円を超えるのが一般的かもしれません。ただしこれは人命に関わることなので、旧耐震基準の建物でビジネスをしている会社は、やはり一度は診断を受けることを強くお勧めします。

 以下略
※ 続きは、『戦略経営者』2005年8月号をご覧ください。