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静岡県磐田市に本社を置く「クリアテック」は、独自の冷間鍛造技術をベースに3年連続増収増益を達成している。それを財務面からサポートしているのがTKCの『統合型会計情報システム(FX4)』だ。そこで、その活用法などを同社の石田均社長(55)と経理担当の平野秀芳さん、顧問税理士の鈴木芳男氏に聞いた。
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■「クラウニング付ヘリカルギア」で業容拡大を狙う
――冷間鍛造用金型の製造を主力事業にしているそうですね。
石田 鍛造には「材料」と「金型」と「プレス」の3つが必要です。プレス加工機に金型を取り付け、その金型に材料を投入して鍛造品を作るわけです。その鍛造品の製造法は、材料温度の違いによって3種類あります。(1)600〜900度Cで行う温間鍛造、(2)それ以上の温度で鍛造する熱間鍛造、(3)常温で行う冷間鍛造、です。この3つのなかで冷間鍛造が最も精密な鍛造ができることから、事業の将来性を感じ、20年前にクリアテックを興しました。
――鍛造品の最大の需要先は自動車産業ですが、クリアテックさんでは主にどういう部品の金型製作を請け負っているのですか。
石田 自動車部品で多いのは「歯車」関係ですね。お得意先は15〜16社で、そのお得意先のお客様が新製品を開発するようなときに、金型製作の依頼がきます。お得意先は完成したとき(自動車に搭載されるとき)の形(図面)を示して、「これを冷間鍛造で作れますか」という感じで話を持ってきます。このとき、大事なのは「工程設計」と「金型設計」です。例えば、歯車のような複雑な形状をした部品を鍛造する場合、一度のプレス加工で出来上がるというわけではありません。通常は、(1)穴抜き、(2)歯出し(ギア成形)、(3)サイジング(サイズを決めること)、の3つの工程で作られます。より具体的にいえば、まずワーク(被加工物/鉄製)を穴抜き鍛造用金型に取り付けてプレス加工し、それを今度は歯出し鍛造用金型→サイジング鍛造用金型にセッティングして作るわけです。それぞれに専用の金型が必要なわけです。したがって、何工程を経て鍛造品を仕上げれば最もコストパフォーマンスが高いのかという工程設計と、それに基づいて金型設計することが肝心であり、その提案力が当社の強みの一つです。
――冷間鍛造による「クラウニング付ヘリカルギア」の製造法(EDF法)を世界で初めて開発したと聞いています。
石田 クラウニングとは歯面に膨らみを持たせること、ヘリカルギアとは「はすば歯車」のことです。EDF法はプレス加工するとき、その加圧で金型が0.2〜0.3%収縮して戻る“弾性変形”を利用して鍛造する方法です。17年前にこの製造法を考案し、すでに日米で特許を取得しています。昨秋から、この冷間鍛造用金型を使って製造した「クラウニング付ヘリカルギア」を、複数の自動車メーカーに「開発部品」(テスト部品)として直にサンプル提供しています。このテストに合格すれば量産品になり、一気に注文がくる可能性があります。
このヘリカルギアはATミッション向けのものなのですが、従来は切削加工で作られた歯車を使っていました。切削加工品に比べEDF法の方が歯面がなめらかなため、歯車が回ったとき、ギリギリするような音が起こらないなどの特徴があります。ATミッションのなかに、歯車は数個〜十数個あるため、それらがすべて“鍛造化”されることになれば物凄い量の需要が期待できます。
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■広告宣伝などの経費は「口座別」で徹底管理
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――今年2月、御社は経済産業省主催の「しずおかIT経営応援隊賞」の「最優秀賞」(経済産業省関東経済産業局長賞)を受賞しましたが、それはそうした“オリジナル技術”が高く評価されたからですか。
石田 それもありますが、3年連続で増収増益を達成していることや、従業員満足度が高いことなどが評価されたためと思います。
鈴木 3年連続増収増益を実現するうえで、TKCの『FX4』が重要な役割を果たしたと見ています。クリアテックさんとは創業時からのおつき合いで、1993年に『FX2』を導入、2000年に『FX4』へ切り替えていただきました。
平野 私が入社する直前に『FX4』に切り替えたと聞いています。現在、売上や仕入に関しては、その日のうちにデータを『FX4』に入力しており、役員(3名)の方はご自分の端末で、その内容をタイムリーにチェックすることができます。
――御社では「口座別管理」を活用しているそうですが……。
平野 はい。鈴木先生のご指導で、ほとんどの科目で「口座別管理」を行っています。例えば旅費交通費の場合は「社有車ガソリン代」「出張旅費」「有料道路通行料」「駐車料金」など、広告宣伝費の場合は「営業関係会場費」「営業関係宣材費」などに分けていて、それぞれにコード番号をつけて管理しています。
石田 その背景には、そこまでブレークダウンして予算管理していることがあります。つまり旅費交通費なら、その内訳である「社有車ガソリン代」「出張旅費」等ごとに次期の予算を作成し、それらを月次ベースで進捗管理しているわけです。
鈴木 口座別管理では、予算と実績をチェックして、“差”があるのはどの項目で、それはどうして起きたのかを調べ、それを次の予算作成時に反映するようにしています。クリアテックさんが3年連続して利益率がアップしているのは、こうしたきめの細かいコスト管理を行っているからだと思います。
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■“一人何役”もこなす体制で効率経営を実現
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――部門別業績管理は……。
石田 部門別は金型、鍛造、設計、営業、本社の5つに分けて行っています。2005年9月期の売上は3億5100万円で、その内訳は金型関係が80%、鍛造が13%などとなっています。社員数は24名です。冷間鍛造用金型の売上は大別して2つあります。1つは「新規」に注文をいただいた場合、もう1つは「リピート」です。冷間鍛造の金型(ダイス)というのは4つくらいのパーツで組み立てられていて、そのなかでどれかが壊れたとき、その壊れたパーツのみのオーダーがきます。これがリピートです。新規で金型を製造する場合の売上は「設計部門」、リピートの売上は「金型部門」に計上しています。リピートが金型全体の半分以上を占めています。
一方、鍛造は自社(設計部門・金型部門)で作った金型を使って冷間鍛造品を製造している部門で、2000年11月から行っています。
平野 当社の組織は部とか課というものがなく、ブロジェクトチームあるいはグループという形で動いており、社員はみんな何らかの形で「兼任」しています。ちなみに私の場合は、経理を担当する傍らホームページの作成にも関わっています。
石田 金型部門は11名、鍛造部門は3名、設計部門は7名。営業を専門に行っている者は1名で、彼が当社の戦略製品「クラウニング付ヘリカルギア」の売り込みを担当しています。このため、既存の、金型や鍛造の営業に関しては設計部門や本社スタッフのなかで営業に向いてそうな人を選んで兼任させています。具体的には、出来上がった金型をお得意先に納品させたり、その立ち会い技術指導などを担当させています。
鈴木 結局、1人で何役もこなしているため、社員1人当たりの売上は増え、効率的でいいわけですが、半面、変動費や経費の捉え方が難しいという課題も出てきます。
石田 そこで兼任している場合、その人の人件費などはどのように部門間に配賦すればいいのかを、いま平野を中心にしたプロジェクトチームで検討させています。
鈴木 人件費だけでなく、複数の部門に関わるコストはいくつかあるので、それらの配賦の仕方を明確にしようということです。例えば、水道光熱費はいま「占有面積」に基づいて各部門に割り振っていますが、その方法がいいのか、それとも「人」を基準にして行った方がいいのかを検討しているわけです。
平野 メンバーは各部門から1名ずつの5名で、来期からスタートできるよう9月末までに“新配賦基準”を作成することにしています。
石田 つまり、部門ごとの売上・利益は、現在でもだいたいつかめているのですが、それをよりクリアなものにしていきたいと考えているわけです。当社では毎月初めに鈴木先生の巡回監査を受けたあと、前月の《変動損益計算書》を社員に開示しています。財務データをオープンにしたり、口座別管理を行ったりしているため、自分の部門の売上はいまどれくらいあり、経費はどれだけ使っているのかという「意識」は以前からありました。今回、配賦基準を見直すことにしたのも、そうしたコスト意識の現れによります。
――クリアテックさんでは高校や大学の新卒者を主に採用しているとのことですが。
石田 はい。やはり他社にない独自の技術をやっているため、それを一から身につけさせていくには新卒者の方がいいと考えています。ここ十数年、新卒で採用した人は16名で、うち退職した人は1名だけです。今後は、「クラウニング付ヘリカルギア」の拡販に力を入れていき、年商を早く10億円台に乗せたいと考えています。
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| (浜松SC・黒宮和人/本誌・岩崎敏夫) |
| 会社概要 |
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| ■代表者 |
石田 均 |
| ■業 種 |
冷間鍛造用金型等の製造販売 |
| ■本社所在地 |
静岡県磐田市竜洋中島1512 |
| ■TEL |
0538-66-1800 |
| ■売上高 |
3億5100万円 |
■社員数
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24名 |
| ■URL |
http://www.crea-tech.co.jp/ |
■顧問税理士
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鈴木芳男税理士事務所
静岡県浜松市南浅田2ー1ー20
053-444-0088 |
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