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固定資産(平成12年度)
評価替えについて
特別研究員 土屋修一
1937年香川県生れ。52年香川県庁、60年自治省入省。税務局固定資産税課、固定資産鑑定官等を経て、93年(財)資産評価システム研究センター勤務、96年TKC入社



 暦も改まって西暦2000年。“今世紀最後の年”の新春を迎えました。折しも本年、平成12年は固定資産税の基準年度にあたり、関係者にとっても意義深い節目の年になりそうです。

1. 依然続く下落傾向

 ふりかえって、昨、平成11年発表の地価公示では、それまで縮小方向にあった地価の下落幅が、全国平均で住宅地 △3.8%、商業地△8.1%と、ともに再び拡大し、殊に三大都市圏・商業地での下落率は、2桁台の10.2%を示しました。また、その後の都道府県地価調査でも同じ傾向の結果が出ているようです。
 固定資産税の土地の評価替えについては、このように依然続いている地価の下落傾向を踏まえて、自治省ではまず、賦課期日の前年、評価替え事務が可能な限り近い時点における半年間(平成11年1月1日から同年7月1日まで)の地価変動率を評価額に反映できるよう固定資産評価基準を改め、これによってさらに全国的な評価の均衡を図ったうえ『指定市・基準宅地の路線価並びに田、畑及び山林の指定市町村の基準値価格』をまとめ中央固定資産評価審議会に諮って昨年の秋に公表されたところです。

2. 基準宅地の路線価の状況

 全国、市町村の評価替えの基礎となる、各都道府県庁所在地の市(指定市)の基準宅地に係る路線価の状況は、まず、今回・平成12年度対平成9年度(前回評価替え)の変動割合は、最高で東京都特別区の0.2%と僅かな上昇、最低では札幌市の55.5%と大幅な下落となっており、また、全国47指定市の単純平均では3 年間で33.2%%(前回変動率、平成9年対同6年は39.8%)の下落となっています。
 このように、前回同様、平均でも30%を超える下落傾向を示していること等から、続く据置年度(平成13、14年度)においても平成9年度に実施したと同様の地価下落地域における価格修正措置を採るかどうかが今後の焦点となりますが、これについては次のような処理、経過の中で検討されるでしょう。

3. 今後の課税の方向

 固定資産税の今後の課税等については、このような評価替えの結果や負担水準の状況を基に、一方では納税者の負担の現状、さらには、地方団体の財政状況等をも睨みながら、政府税制調査会等で総合的に検討審議され、その方向を踏まえて政府原案が固まり、さらに国会の審議を経て具体的な新年度以降の税制改正内容が決まることになるかと思われます。
 また、今年度からは、家屋についても昨年の固定資産評価基準の改正により、いくつかのかねての懸案とされていた問題点が改善・合理化されたのをはじめ思い切って簡素化が図られた『新しい再建築費評点基準表』が適用されます。
 一方、住民、納税者のサイドから見れば、これも、昨年の税制改正により、本税の固定資産の価格等に係る不服審査申出制度について、その審査申出期間が『縦覧期間の初日から、納税通知書の交付を受けた日から30日までの間』に延長されることになる等の画期的な改正内容(前号参照)が、いよいよ今年度から実施されます。
 いずれにしても、本年は、今回の評価替えの初年度であるとともに、以上のような新しい評価上、改正制度上の適用第1年度として多くの課題と抱負を携えての“20世紀締め括り年”の船出となりそうです。



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