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介護保険に係る国民健康保険税の
課税限度額の設定について
特別研究員 逸見幸司
1959年自治省入省。税務局企画、直税各係長、課長補佐、税務管理官、市町村アカデミーおよび(財)資産評価センターの調査研究部長を経て現職



 常時介護を必要とする状態にある要介護者、又は介護を要するおそれがある状態にある要支援者が自立した日常生活を営むことができるよう必要な保健医療サービス及び福祉サービス(いわゆる介護サービス)に係る給付を行うための『介護保険制度』が平成12年4月1日から実施されることになっている。

介護保険と国民健康保険税

 この介護保険制度の発足に伴い、介護保険者である市区町村は、介護保険事業に要する費用に充てるため、当該市区町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(第1号被保険者)から保険料を徴収することとなった。
 また、社会保険診療報酬支払基金は、介護保険関係業務に要する費用に充てるため、医療保険者から、介護給付費納付金を徴収することとなったことから、各医療保険者は、この介護納付金の納付に要する費用に充てるため、40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第2号被保険者)から、医療保険各法又は地方税法の規定により保険料若しくは掛金又は国民健康保険税(以下「国保税」と略称する)を徴収し、これを支払基金に納付する義務を負うこととされた。

介護保険に伴う地方税法の改正

 このため、先般の介護保険法施行法による地方税法の改正(平成9年法律第124号)により国保税が改正され、国民健康保険の保険者である市町村は、医療保険者として、介護納付金の納付に要する費用に充てるため、国民健康保険の被保険者である世帯主及びその世帯に属する国民健康保険の被保険者のうち介護保険の第2号被保険者につき算定される介護納付金課税額を、国保税の一部として、その世帯主に対して課することとされた。
 これにより、国保税の課税限度額についても改正が行われ、53万円とされていた国保税の課税限度額は、基礎課税額(従来の医療分に係る国保税)及び介護納付金課税額の合算額に対して設定することとし、その課税限度額は53万円とすることとされた。

介護納付金課税額に係る課税限度額の設定

 平成12年度の地方税制改正(案)においては、この課税限度額について改正し、基礎課税額及び介護納付金課税額のそれぞれについて別個に課税限度額を設定することとされている。そして、基礎課税額に係る課税限度額を53万円、介護納付金課税額に係る課税限度額を7万円とすることとしている。
 ところで、国保税における課税限度額は、この税が本来国民健康保険の保険料であるということにかんがみ設けられているものであるが、基礎課税額及び介護納付金課税額の合算額に対して課税限度額を設定することとした場合には、課税限度額超過額が、最終的には介護保険の第2号被保険者を有しない世帯に対して一部転嫁されることになること及び従来の電算システムが活用できなくなることによるシステム開発費の増嵩等の問題点があることが、その後明らかになった。
 このため、全国市長会等の市町村関係者等からこれを別建ての課税限度額とし、国民健康保険の被保険者にとってより理解しやすいようにするよう要望されていた。
 今回の地方税制改正案における国保税の課税限度額の改正案は、以上のような理由から行おうとするものであると言われている。



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