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情報公開について市町村への提言
社団法人行政情報システム研究所 理事長 百崎 英
1958(昭和33)年、東京大学法学部卒、行政管理庁(現総務庁)入庁、長官官房秘書課長、統計局庁、行政管理局長、事務次官などを経て、91(平成3)年より現職に。



 2000年の新春を寿ぎ、皆様方の一層の御発展をお祈りいたします。
 さて、御承知のように昨年5月、情報公開法が制定され、来年春から施行されることになっておりますが、この機会に、市町村における情報公開のあり方について、いくつかの提言をさせていただきたいと思います。
 まず、現状をみますと、情報公開条例を制定している市町村は、一昨年4月現在、348団体と極めて低調であり、その内容も、情報公開の対象となる文書は、ほとんど大部分が、紙媒体の決裁文書に限られている等情報公開法と比較して、今後の行政のデジタル化、ネットワーク化の動きに対応しないものとなっております。
 したがって提言の第1は、情報公開法を参考として、条例未制定の市町村は条例の制定を、また、新しい時代にふさわしい内容に改正すべき市町村は条例の改正を、一日も早く実行していただきたいと思います。
特に、情報公開法と同様、情報公開の対象となる文書に電磁的記録を加え、組織的に用いるものとして市町村が保有している文書の全てを対象とするようお願いいたします。
 提言の第2は、情報公開制度を生かすも殺すも、文書管理のあり方いかんにかかっておりますので、電子文書と紙の文書を一体として捉え、文書のライフサイクルを通ずる総合的文書管理システムを整備していただきたいと思います。
 提言の第3は、住民の皆様方が自分の欲しい行政情報を入手し易くするため、各市町村の保有している行政情報の所在案内(クリアリング)システムを整備し、インターネット等で情報提供をしていただきたいと思います。政府も、本年3月には、全省庁分のクリアリングシステムを整備して、インターネットで国民に情報提供サービスを開始する予定です。
 提言の第4は、住民からの開示請求を待たなくとも、各市町村が積極的、能動的に各種の情報を提供し、行政の透明性を高め、住民参加の行政を実現していただきたいと思います。
 提言の第5は、近い将来、国と地方公共団体の全国行政情報ネットワークを整備し、国民の皆様方が全国どこからでも、オンラインで国や地方の行政情報の入手ができるようにしていただきたいと思います。
 いよいよ来年からは21世紀に入りますが、高度情報通信社会の急速な到来を目前にし、各市町村におかれては、厳しい財政事情ではありますが、可能な限りインフラの整備を進め、行政の効率化はもとより行政の透明性の確保と住民サービスの向上に努めて、電子自治体の実現を目指そうではありませんか。



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