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GIS(地理情報システム)



 GISとはGeographical Information Systemの略で、日本語では一般に「地理情報システム」と呼ばれています。GISは地形図や地図情報を数値化し、これをレイヤーと呼ばれる単位で構成されるデジタル情報で表すことで、画面上に現実の世界を表現するというものです。

震災をきっかけに脚光浴びる

 レイヤーという単位は、すべて同じ緯度経度上で統一化されているため、必要なものだけを表示したり検索対象とすることが可能で、この結果を組み合わせれば必要な地図情報を簡単に作成できます。
 これまでの平面的な土地利用分布や主な交通網・施設の配置など単独目的の情報しか表せない“紙”の地図に比べ、GISであれば用途に応じて、ある地点にまつわる位置、土地利用計画と現状、公共施設の配置、自然災害に対する危険度予測など、あらゆる情報を一つの画面上に表示し調べることができるわけです。
 例えば、A地点の浸水危険度や地震に対する耐久性、ほかに燃え広がる可能性が大きい木造家屋が密集した地域と耐火建築が密集した地域との色分けなどがひと目でわかります。また、新しい道路・鉄道建設や宅地開発に先立って周辺環境の変わりゆく姿を立体的に描き出し、シミュレーションすることもできます。
 最近、日本でもGISの注目度が急速に高まっており、専門の機関(GIS学会)からも報告書が政府に提出されるなどしています。  こうした背景には、95年に発生した阪神・淡路大震災で神戸市の第2庁舎が被災し、水道や都市計画関係の地図が利用できない事態を招き、行政地図データのデジタル化の必要性を痛感したといういきさつがありました。

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活用のポイントは双方向性

 さて海外では、米国オレゴン州ポートランド市を中心とする広域行政地域『メトロ』において「地域土地情報システム」(RLIS)と呼ばれるGISを活用し、国勢データや環境データ・建築許可データ・公共施設データなど、さまざまな情報を盛り込み都市再生に活用しています。
 有効利用が進んでいる要因の1つに、メトロが電話によるホットラインやインターネットなどを使って、住民自らが計画に参加する機会を提供したことが挙げられます。しかし、これらの試みを通じて住民が都市づくりに参加して意見を言う機会は増えても、一方通行では意味がありません。この点、メトロではGISによる双方向コミュニケーション機能を活用し、住民と行政の間の合意形成に役立てました。
 日本でも岐阜県などが広域型のGIS整備に乗り出していますが、都市づくりへの活用はまだ始まったばかり……。現時点では、国や自治体、民間企業がそれぞれの用途に沿ったデジタル地図情報を持つにとどまっています。また政府は国土空間にかかわる地図情報を官民共同で整備する構想も持っているようですが、次世代に伝える都市づくりには双方向型コミュニケーションを取り入れた「情報の共有」が大きな課題となるでしょう。
 よりよい町づくりを目指していくためにも、こうしたものを有効に使い官民の「情報の共有」を活発にしていきたいものです。



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