banneruser.gif


笑顔で迎える介護元年
落語を使った広報活動で市民にPR
栃木県栃木市


U_01.jpgU_02.jpg
spacer
栃木市保健福祉部高齢対策課介護保険室 黒川雅央主査(左) 小曽戸佐知子主事(右)


栃木市DATA 所在地 栃木県栃木市入舟町7番26号
電 話 0282-22-3535
人 口 8万5468人
面 積 1226平方キロメートル
http://www.t-cnet.or.jp/~tochigic/



不安感払拭のためPRへ注力

介護保険制度の施行まであと3ヵ月となりましたが、準備状況はいかがですか。
小曽戸 
昨年10月に要介護・要支援認定がスタートしてから、これまでに受給者管理の整理や9月からの申請の対応、受給者情報をまとめるなどの準備を行ってきました。医師や看護婦など6名の専門家で構成される認定審査会では毎回20件ずつ、週に5日間・月に20回の会合を実施。11月2日現在で301名の認定を行いました。
住民の方の反応はいかがでしょう。
黒川 
やはり、新しい制度なので不安感が先行しているようです。11月5日に政府が制度見直しを決め、マスコミも問題点ばかり指摘する傾向にありますからね。ただ、住民の間には、制度がよく理解されないまま不安だけ募っている部分もあるのではないかと感じています。実際、65歳以上の高齢者や身近に介護を必要とする方がいる住民であれば制度への関心も高いのですが、一般的にはまだ「直接関係ない」という意識が根強い…。しかし、介護保険制度は社会全体で要介護高齢者を支援していくものです。そこで、少しでも住民の理解を深めてもらえるようPR活動に精力的に取り組んでいます。
いろいろとユニークな活動に取り組まれているとうかがいました。
小曽戸 
そうですね。例えば、平成11年2月から市内全域を網羅するケーブルテレビでドラマ仕立ての一時間番組を制作し放映しました。「ミスター介護保険ふーさん」というキャラクターを番組の案内役として、制度のポイントを紹介していく構成です。このキャラクターは私どもの藤沼課長をモデルに職員が考えたものですが、番組以外にも幟や団扇などで活用したことから反響も大きく、いろいろなところで有名人になっているようですよ(笑)。
黒川 ほかにも住民向け説明会などを頻繁に実施しています。より多くの方に参加してもらうため夜間開催なども行っていますが、介護保険というと「一号・二号被保険者」「ケアマネジャー」「ケアプラン」など理解しにくい言葉が多いんですよね。そこで、もっと分かりやすく伝える方法はないかと考えていたところ職員から落語を使ってはどうかという案が出てきたんです。実は私は「京家扇の助」という名前で仲間と落語会を開いたりしているんですよ。この経験をいかして、一般の人には馴染みの薄い用語を盛り込んだ『介護寿限無』を創作し、老人センターなどで披露しています。

システム導入でゆとりのサービスを

それは、ぜひ一度うかがいたいですね。事務処理についてはいかがですか。
黒川 
制度スタートまでに市町村がやるべき仕事は山ほどありますが、地味ながらも一番重要なのが事務処理システムの整備です。特に受給者管理業務が始まったときにはそれを痛感しましたね。これがきちんと動かなければ何も進みませんから、どこの市町村も準備が大変だったと思います。その点、栃木市は平成10年9月から11年2月までの間、県下7市の担当者と介護保険事務処理システムの研究会を設置して共同研究を行いました。その成果をベースに開発された『TASK介護保険システム』を導入し、いま本番に向け最終準備を進めているところです。
 考えてみれば広報活動などに力を入れてこられたのは、研究会へ参加したことで早い時期に事務処理システムの目途が立ち、その分職員たちに時間的・気分的にゆとりが生まれたことが大きかったですね。だからこそ、介護という目的に向かって職員たちが独創的なアイデアを出し合うこともできた。これは今後の市町村行政を考える上でも、いい経験になったといえるでしょう。なるほど。最後に今後の計画についてお聞かせください。
小曽戸 
いま、民間業者による協議会を発足したいと考えています。当初は情報交換程度の活動になると思いますが、いずれ市と協議会とが連携して地域サービスの充実を図る体制を構築したい。こうした関係をよく「ネットワーク」と表現しますが“網の目”ではこぼれてしまう人もいますよね。ですから私たち職員の間では「ネットワークではなく、行政と民間のパッチワークでいこう」と話をしているんですよ(笑)。
黒川 そうそう(笑)。給付業務のシステムがどうなるのか、国保連合会との連携処理がきちんと行われるのか、など不安はあります。でも心配していても始まらない。最初から完璧な制度とすることは無理でも、100%を目指して、手探りで一歩ずつ前進していくしかありません。
 これからの市町村は末端行政ではなく先端行政だといわれますが、地域に一番身近な存在だからこそ「介護保険とはどんな制度なのか」をきちんと伝えていくことが重要で、これは4月以降も同じだと思います。
 いまはまだ介護認定から外れると不幸なことのように考える風潮もありますが、高齢者の立場で考えれば、本当は自立できるのは喜ばしいことなんですよね。そんな住民の不安感を払拭して、明るく健康な生活に幸せを感じてもらえるような地域社会をいかにして創り上げていくか。そのためにも堅い話ばかりでなく、住民から親しまれるように我われ自身が変わっていかなければならないのでしょうね。


記者の目
『システム研究会で事務処理システムのパイロットユーザにもなっている栃木市。例外事項などにこだわらずにまずは標準的な運用で事務処理システムを利用することで、認定作業も円滑に進めているようです。



バックナンバーへ戻るspacer新風トップへ