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課税事務の省力化・効率化を実現
住民も満足な申告受付とは?
福島県三春町


三春町DATA 所在地 福島県田村郡三春町字大町1-2
電 話 0247-62-2111
人 口 2万330人(平成12年5月1日現在)
面 積 72.76平方キロメートル
http://www.asaka.ne.jp/~miharu/



◆申告受付事務は毎年、大変な作業なのでしょうね。
佐久間 
そうですね。昨年までは、手で申告書を書いていましたからね。申告時には、家族全員の年金証明書や給与支払報告書等の関連書類をすべて持ってきていただき、その場で扶養等の判定を行っていました。当然、1人1人面接をしていたため時間もかかります。そのため、期間中は税務経験のある他の所管課職員にも応援を求めていました。

システム導入で職員の残業が激減

◆それがシステムを導入されて、どう変わりましたか?
佐久間 
結論からいうと、かなり効果がありましたね。入力もわずか数名で済みましたし、システム化によって転記作業の間違いがなくなりました。一定のルールさえ守れば、誰でも申告書を作成できますから。
 そして、何よりも大きな変化は「時間」を有効的に活用できるようになったということだと思います。
 まず、住民サービスの観点では、待ち時間がかなり減りました。申告受付システムには、給与支払報告書や公的年金関係の資料をすべて事前に入力してあるため、受付時間が大幅に短縮されたというわけです。
 また、内部的にも、毎年1月から6月の課税時期には税務課職員は夜の9時、10時まで庁舎に残って作業をしていたものですが、それがいまでは残業時間が“ゼロ”になりました。そのため、浮いた時間を徴収事務に充てることができるようになったんです。昨年まで、この期間は課税担当者は課税事務しかできませんでしたが、それが夜間の徴収関係まで手がける余裕が出ました。これは昨年までとは大きな違いですよ。
 住民にとっても職員にとっても「時間」が有効活用できるようになったのは、費用対効果の点で重要だと思います。システム導入に迷っている市町村の方には、ぜひ早めの導入をお勧めしますよ(笑)。
◆住民の方の反応はいかがでしたか?
佐久間 
受付中にも「最近はパソコンで何でもできるんだね」という話は出ていましたが、特に、これまで手書きだった申告書がプリンタ出力の綺麗なものに変わりましたので、それを手にして「すごいんだね」と感想を漏らす方が多かったですね。この点では、申告事務のシステム化について、住民の方にも十分その便利さを理解してもらえたのではないでしょうか。

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三春町税務課 佐久間正生課長

ペーパレス化への取り組み

◆ところで、申告受付システムの導入にあわせて、今年から少し申告の体制を変えられたとうかがいましたが。
佐久間 
ええ。まず、システムの導入に伴い、昨年まで7ヵ所あった申告会場を今年から1ヵ所に集約しました。これについて住民の理解を得るため、代表区長会で協議を行い、また広報で記事を掲載したり、全戸へ「お知らせ」を配布したり、さらには防災無線でもPRするなど、徹底して住民への周知に努めました。その分、申告会場までの交通手段がない方のため、会場までの送り迎えに町有バスを1日3往復させたのですが、結果的に利用者は少なかったですね。
 また、例えば兼業農家の場合などは、申告のために平日会社を休むのはなかなか大変です。そこで今年から土日の受付も始めたのですが、これがなかなか好評でした。受付日が4日間だけだったこともあり、当日は申告に来た方で待合室が大混雑となったほどです。これについては、ぜひ来年以降も続けていきたいと思っています。
◆なるほど。それは面白い取り組みをされていますね。最後に今後の展望をお聞かせください。
佐久間 
申告受付は大変うまくいっており、全住民を対象に申告者・扶養者・未申告者が把握できるようになりました。そのために、すべての課税情報を入力していますが、事前入力の仕事量が多いのがネックですね。特に1月末からの給与支払報告書の入力はかなりの作業量となります。これを合理化するため、TKCにはぜひOCR入力の検討をお願いしたいですね。すぐには難しいかもしれませんが、同様の要望は他の市町村さんからもあると思いますよ。
 また、三春町では目下、資料の整理が課題です。実際、税務課でも課税資料・課税台帳が、かなりのスペースを占領していますが、今後は住民税のすべての申告情報をパソコンに保存しておくことができるので、紙の課税資料は倉庫に保管するようになるでしょう。仮に住民から問い合わせがあっても、ただちにパソコンで確認できますからね。さらに、パソコンはいま税業務の照会や更正処理に活用していますが、これを一歩進めて課税台帳などのペーパレス化も実現したいですね。
 地方分権の時代を迎え、いま市町村には「高齢化対策」や「雇用対策」など新たな役割を担うことが期待されています。当然、そのための人員が必要で、「限られた人員でどうやっていまのサービスの質を維持するか」が課題といえます。三春町でも現在、真剣に行革へ取り組んでいますが、システム導入はそのための第一歩といえるでしょうね。

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記者の目
取材当日は残念にも雨。春には多くの観光客で賑わう滝桜や三春ダムは、天候不良にも関わらず、その景観たるは実に壮大です。豊かな自然に囲まれつつも、近代化の流れが着々と進んでいるのだな…ということを、この取材を通して感じました。



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