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福祉サービスの充実を目指し
情報システムをフル活用
栃木県西那須野町


西那須野町DATA 所在地 栃木県那須郡西那須野町あたご町2-3
電 話 0287-36-1111
人 口 42,066人(平成11年4月1日現在)
面 積 59.63平方キロメートル
http://www.nasuinfo.or.jp/nisinasuno/



◆今年度から新しい福祉計画が始まったそうですね。
松下 
これまで『ゆうゆう・らくらく・長生きプラン』という5ヵ年計画を推進してきましたが、今年度からは21世紀を展望した福祉の町づくりに取り組むための総合計画として、5本の柱(生きがい・福祉・健康・まちづくり・コミュニティ)からなる高齢対策推進計画を進めています。基本的には従来の計画をさらに充実させたものですが、ここには介護保険制度に基づく介護保険事業計画も盛り込みました。
◆どのような活動をされるのですか。
松下 
西那須野町は、高齢者の人口比率が低い町です。そこで老人福祉サービスの充実もさることながら、同時にお年寄りの「生きがいづくり」に注力しています。高齢者福祉というと「守る」「保護する」と考えがちですが、それよりもお年寄りの経験や知恵を活用することで、結果的に生きがいや健康づくりに貢献しようというものです。例えば、「博物館の運営にお年寄りに参画してもらう」という発想ですね。実現すれば小学生たちがお年寄りから歴史を学ぶことなどが考えられるでしょう。また、今年は那須野ヶ原の開拓120年目にあたるのですが、こうしたイベントなどにも積極的に参加してもらいたいと考えています。

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松下 昇福祉課長

電話照会で導入効果を実感

◆『TASK総合福祉マスター』を導入した狙いは何だったのでしょうか。
松下 
福祉というと高齢者福祉にばかり目が向けられますが、市町村に求められている役割はそれだけではありません。障害者福祉や児童福祉などの拡充もこれからの大きな課題です。しかし、現状では10名ほどの福祉課職員はそれぞれの担当だけで精一杯なんですよ。そこで情報システムをうまく活用して「自分の担当分野以外のことはわからない。手を出さない」という職員の意識や、業務の流れを変えて効率的な福祉行政を図りたいと考えました。
◆実際に使ってみていかがですか?
松下 
5月に導入したばかりなので完全に使いこなしてはいませんが、個人情報の照会機能をよく使いますね。福祉課は住民からの相談や問い合わせが多いのですが、特に介護保険が導入されてからその傾向が強まり、多い時には1日に20件ほどの電話があります。そうした場合、住民は仕組みや制度の一般論を聞きたいのではなく、具体的に「私の場合はどうなのか」を問い合わせてくるわけです。これまでは住民を電話口で待たせたまま、職員は台帳を調べに行ったり、ほかの部署へ必要な情報を照会したりしていましたが、これは住民サービスの観点で見ればとても不親切なことであり、また業務面でも非効率ですよね。
 今年、児童手当法が改正され、支給対象が一部3歳から6歳へ引き上げられましたが、この時も問い合わせが多数寄せられました。ご存じのように児童手当の申請には所得制限があります。いままではとりあえず住民に役場に来てもらい所得を調べて……という流れでしたが、総合福祉システムを導入したことで電話照会のあった時点で即座に「あなたの前年所得はいくらだから申請しても対象外です」と伝えることができるようになりました。これは住民にとってみれば、ぐっと親切になりましたよね。職員にしても仕事に余裕が出て、その分、窓口サービスの充実、迅速化を図ることができるようになったと感じています。

住民に一歩近づくことが大切だ

◆なるほど。そのほかに何か便利になったことなどありましたか。
松下 
例えば、現在は法律上、Aという申請にはこの書類、Bという申請にはこの書類、というように、それぞれ別様式の申請書に記入してもらっています。申請者にとっては何度も住所・氏名・生年月日等を書かされているわけですが、なかには文字を書くことが不自由な方もいますよね。その点、システムを使えば基本となる情報が一元管理されているため、こちらで申請者に必要な書類を作成・印刷して、ご本人には申請内容の確認と押印だけしてもらうということも可能になるわけです。様式が統合されると私たちにとっても情報が整理しやすくなり、事務処理の簡素化につながると思います。ただ、そのためには全庁的な調整が必要で、実現までにはもう少し時間がかかるでしょう。
◆住民の方の反応は、いかがでしょうか?
松下 
行政全般に対してお叱りの声は、よく聞こえてきますが、なかなかお褒めの言葉まではいただけませんからね(笑)。ただ、問い合わせに対する回答に具体性が出て、正確な情報を迅速に提供できるようになったことは、少しは便利になったと感じていただいているのではないでしょうか。
 さらなるサービス拡充のためにも、TKCには、ぜひ、継続的な職員向けシステム操作研修をお願いしたいですね。
◆さっそく対応させていただきます。最後に福祉の町として何かアドバイスを。
松下 
これからは行政が住民に一歩近づかないとだめだと思います。近づかなければ住民が抱いている不満やニーズがわかりませんからね。そのためには職員が福祉行政すべてを網羅するほどの幅広い知識を持たなければならないが、現実にはなかなか難しい。だからこそ、情報システムを上手に活用することが重要なんです。結局、コンピュータがサービスするのではなく、コンピュータを使って私たち職員がサービスを提供するんですからね。

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システム導入で住民の問い合わせにも迅速対応が可能になった


記者の目
西那須野町は施策の筆頭に「福祉の充実」を掲げ、住民が安心して生活できる環境づくりを行っています。これが評価され平成10年度には在宅福祉事業推進功労で厚生大臣表彰を受賞。最近では、民間企業との連携など一歩先行く福祉行政への試みも始めています。



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