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固定資産税平成12年度
評価替えを終えて
栃木県佐野市


佐野市DATA 住所 栃木県佐野市高砂町1番地
電話 0283(24)5111
面積 84.37平方キロメートル
人口 8万3862人(平成11年8月1日現在)
URL 
http://www.sunfield.ne.jp/sanocity/



年々、複雑化する制度への対応

◆平成12年度の固定資産税評価替えは、全般的に下落傾向にありましたね。
小曽根 
そうですね。佐野市では、商業地は全国・県の平均値よりも低い4.5%の下落に止まりました。実は、前年度まではデパートの撤退などが影響してかなり落ちていたんですが、ようやく下げ止まりの傾向になったかなと感じています。また住宅地も2.1%と小幅な下げでした。ただ、工業地は4.6%と平均値よりも下げ幅が大きな状況にあります。
◆今年度の評価替えで、留意された点は。
小曽根 
ご存じのように、これまでは3年に1回の評価替えでしたが、今回は平成10年、11年に時点修正(下落修正)を行った上での評価替えだったため、下落傾向のなかで前年よりも価額が上昇しないよう配慮しました。そのバランスをどう取るか、特に注意しました。この経験を踏まえて、今後、時点修正のやり方についても十分な検討が必要だと考えています。また今回、評価額が上昇した住民に対しては、「評価額より課税標準額の方がかなり下回っているので、直接的な影響は少ない」ことを説明し、理解してもらいました。ただ、固定資産税は年々制度が複雑になり、担当する職員は専門知識がないと務まらなくなっているのが現状です。そこで佐野市では「土地」と「家屋」で担当する職員を分けています。

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総務部税務課資産税係 小曽根治夫主査(右)小倉 勉主査(左)

◆複雑化する制度に職員を専門特化させることで対応されているんですね。
小倉 
ええ。例えば、ハウスメーカー各社は、それぞれ1年程度でモデルチェンジをしますよね。この時、使用する資材まで変わることがあるのですが、担当職員は、それを各メーカーごとに追いかけて常に現状を把握しておかなければ仕事になりません。だから、家屋担当の職員は並みのセールスマンよりも知識が豊富ですよ(笑)。
◆それは大変ですね。今年の評価替え作業について、詳しい話を聞かせてください。
小曽根 
実際の評価替え作業は、資産税係14名に加え臨時職員2名の計16名で行いました。特に今回の目玉ともいえる「農業用施設用地」については、事前に決定していたので早めに対応することができ助かりました。「農業用施設用地」とは、一般に農機具倉庫や畜舎・堆肥舎などの用地を指しますが、該当する土地の拾い出しが結構厄介なんです。そこで今回は非住宅の宅地を拾い出して、現地調査を行い該当するかどうかを判断したため、作業的には割とスムーズにいきましたね。現地調査には事前準備も含めてひと月程度かけましたが、なかには農業用施設用地に該当するかどうか判断に迷うケースもあり、そのような場合は内部で基準を作って不公平のないようにしました。また今年度は、田畑の状況類似の見直しも行いました。佐野市の場合、これまで田畑を合わせて状況類似地区が100以上あったのですが、それを7地区12に見直したんです。そこで活躍したのがExcelで、手作業に比べてデータ作成・分析が断然速い。これにはIT活用がいかに大切か実感させられましたね。

業者との連携でより効果的な収税業務を

◆ところで、今年から縦覧期間が延長しましたが、住民の反応は?
小倉 
縦覧期間の延長もさることながら、異議申出期間が延長されたことは住民にとって大きな変化だったと思います。これまで縦覧終了後10日間以内に異議申出をしなければ期間経過で却下されていたものが、今年からは「納付書が届いて30日以内」となったため、十分な時間をとることができるようになりました。その分、対応する資産税係としては、きちんとした体制を整えておく必要がありましたが…。
◆住民対応という点では、以前から庁内のIT化を積極的に進めておられますね。
小曽根 
ええ。2年前にクライアント・サーバ・システムを導入したことで、宛名や税の納付状況などのデータを管理し業務の効率化を図っています。そういった意味では大変便利になりましたが、入力ミスなどちょっとした間違いがすべてに響くため、その辺りは今後の検討課題ですね。
松下 また、今年度と翌年度の2ヵ年でGIS(地理情報システム)の導入を予定しています。いずれは統合型GISへ移行するとともに、TKCの固定資産税システムともリンクさせようと考えています。そうすれば地目の不一致などはGISで一目瞭然で、いままで見えなかった部分が見えることで賦課漏れなどがなくなり、より適正な課税を行えるようになるでしょう。
◆最後に、TKCへのご要望をお聞かせください。
小曽根 
これだけ毎年のように制度改定があると、いくら職員を専門特化させても追いつけない部分が出てきます。そういった点では、TKCにはシステムの提供とあわせて、プロとして税制度に関する的確なアドバイスや情報提供を期待しています。
 また、行政の効率化を進める上で、情報システムがますます重要になることは間違いありません。ただ、それを使っていくのはわれわれ市町村です。例えば日々の実務作業のなかには、コンピュータで一律に処理できない例外的なものも発生します。こうした問題を解決するためには、市町村とTKCが協力していかなければならないわけで、今後は両者のより一層の連携が必要になっていくでしょうね。

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区画整理の進む市街地(左側建物が市庁舎)


記者の目
固定資産税は年々、複雑になってきています。佐野市では職員を専門特化させることに加えて、システムの有効活用でこれに対応しています。我々もシステムだけでなく、固定資産税に関する知識を高めるべく日々精進していかねばならないと痛感しました。



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