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●特別寄稿 IT基礎技能講習●
自治省地域IT推進本部IT講習推進室 理事官 前葉泰幸
住民のIT技能向上へ
地域の実情に応じた推進策を…
まえば・やすゆき
1985(昭和60)年4月自治省入省。91年熊本県地域振興課長、97年税務局固定資産税課課長補佐などを経て、99年京都市政策企画室長。2000年4月から現職。


1. はじめに

 情報通信技術(IT)及びIT社会を巡る状況は、急激に変化しつつあります。このIT革命に対応し、1人でも多くの国民がインターネットを使えるようになるよう、必要な基礎技能習得のための方策を推進することは、喫緊の課題となっています。
 このため、政府では、「IT普及国民運動」を図ることとし、関連する諸施策がこの補正予算に盛り込まれました。ここでは、自治省が展開する「IT基礎技能講習の推進」について御紹介します。

2. IT講習推進特例交付金

 去る10月19日に決定された新しい経済対策「日本新生のための新発展政策」では、E-JAPAN構想の推進が最重要課題として位置付けられています。この中でIT利用技能の向上策について、次のような記述が見られます。
〈IT基礎技能の出来る限り早期の普及を図る観点から、地方公共団体が、地域の実情に応じて、学校、公民館、図書館、地方公共団体の庁舎及び施設、その他民間の施設等を利用して行うIT基礎技能講習において、国民の自発的な参加、地方公共団体の創意工夫、機動的かつ円滑な講習の供給等により、約550万人程度の者が受講できるよう、政府としても、特例的に、事業の円滑な実施に向けて支援を行う。〉
 この施策の具体化を図るため、「IT講習推進特例交付金」の創設が補正予算に盛り込まれました。

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3. 交付金の考え方

 住民がITの基礎技能を身につけることは、電子自治体の実現のための必須の条件であり、また、すでに、多くの地方公共団体において独自に実施されているIT講習の拡充を図ることを国の施策として行おうとするのが、このIT講習推進特例交付金(約545億円)です。

4. 交付金のしくみ

 IT講習推進特例交付金は、地方公共団体がIT講習の開催を推進する事業に充てる都道府県への交付金です。事務費のほか、事業費については、成人人口と講習場所となる施設数といった客観的基準に基づき配分されます。
 都道府県は、講習事業の実施に係る経費の全額に充てるほか、市町村が講習事業を実施する場合には、10分の10相当の補助金を交付します。
 受講希望者は、講習を実施する都道府県・市町村に申し込み、講習を受講することとなります。

5. 交付金を充てることができる事業

 交付金を充てることのできる事業は、次に掲げる都道府県の事業としています。
1. 2.及び3.の事業の実施のために設置する基金の造成
2. IT基礎技能講習事業
3. IT基礎技能講習事業を行う市区町村(広域連合及び一部事務組合を含みます)に対し補助金を交付する事業
 この場合における「IT基礎技能講習」は、次に掲げる要件のすべてを満たすものとしています。
a. 受講者にIT基礎技能(パソコンの基本操作、文書の作成、インターネットの利用及び電子メールの送受信に係る技能)を習得させることを目的として新たに実施されるものであること。
b. 時間数(基礎技能を超える技能の習得と一体となって行われる講習にあっては、基礎技能に係る部分の時間数)が12時間程度のものであること。
c. 成人(満20歳以上の者)を対象とするものであること。

6. 交付金等を充てることができる経費

 この事業において交付金、市区町村補助金、基金を処分した資金及び当該基金を処分して充てた市区町村補助金を充てることができる経費は、次の通りです。
1. 講習事業費
 受講通知の郵送料、講師の謝金・旅費、通信回線の使用料、ソフトウェアの利用料、受講手引の作成費、管理要員の賃金、民間施設の使用料等(受講者の所有物となる教材費等受講者が負担する経費を除きます)
2. 講習事務費
 実施日時・場所の決定・広報、講師の確保、受講者の募集、受講申込みの受付等
3. 都道府県協議調整事務費
 講習事業主体間の調整等を行う協議会の運営、教材に係る情報交換や調整、住民への事業の広報等
4. 市区町村協議調整事務費
 協議会への参加、県との連絡調整等

7. おわりに

 ITをめぐる昨今の動きは風雲急を告げるものがあり、極めて足の速いものといえます。地方公共団体においては、迅速かつ的確な地域IT戦略を推進することが求められています。
 地方公共団体においては、この交付金を活用され、早急にIT基礎技能講習を実施されることが期待されます。



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