bannertrendnews.gif



豪雨対策
ーあなたのまちでは大丈夫?ー



 昨年12月、内閣府は全国の市町村の7割に当たる約2300団体に豪雨災害対策についてのアンケート調査を行った。昨年9月に発生した集中豪雨が東海地方に大被害をもたらしたことは記憶に新しいが、今回の調査結果からは自治体の豪雨対策が未だ不十分であることが判明した。
 例えば、東海地方では名古屋市内の避難所が浸水被害にあったが、この教訓が生かされず、避難所が安全であるかどうかの確認すらしていない自治体が5割にも及んでいたのである。また、8割が洪水や土砂崩れに備える避難勧告の発令基準を定めていないこともわかった。
 また、アンケート回答を見ると「自治体には基準を設定するノウハウがない」といった声がある一方で、気象庁や国土交通省がネット上で公開している気象、地理データを活用している自治体は7割しかなかったことも驚きである。
 今回の結果を重く見た中央防災会議は、「情報伝達手段の整備」「土砂災害の警戒避難体制の発令基準の設定」「避難場所の安全確認」といった基準整備を各自治体に通達した。これは“人命の保護”を第一義として、防災体制の一層の強化を図ってもらおうという狙いである。

国土交通省が河川監視情報をネットで公開

 国土交通省は、今年6月1日からインターネットや携帯電話を通じて、全国の1級河川109水系の「降雨量」や「水位」等をリアルタイムで情報提供するサービスを開始した。【国土交通省「川の防災情報」
 提供される情報は、雨量と水位のほか「水質」「洪水予報」「水防警報」で、雨量や水位は10分ごとに更新される。また、いままで都道府県を通じて発表していた「洪水予報」や「水防警報」も提供し、過去に予報や警報が出された河川リストと警報の全文を掲載している。水災害の被害軽減や河川での水難事故防止のためにも、こうした情報を有効に活用しない手はないだろう。
 現在、市町村が実施している豪雨対策を見ると、避難勧告基準を設けているところが洪水ハザードマップを作成したり、大都市では下水道普及率を100%にしたりと、その対策は実にさまざまだ。また、降雨観測レーダーを設置して地域ごとのきめ細かい降雨状況を把握し、インターネットやFAXで住民に提供する自治体もある。
 一見すると十分な対策がとられているようだが、その基準は「200年に1度の降雨」「100年に1度の降雨」といった過去のデータに基づく「再現期間」を想定して作成したものにほかならない。
 最近、我われがこれまでに経験したことのない自然災害が相次いでいるのも事実。例えば大阪の豊中市・箕面市周辺では、「再現期間500年」の激しい雨がわずか3年間で2回も発生する矛盾も起きている。このまま過去の再現期間で想定し続けていて、果たして地域の防災対策は万全といえるのだろうか。
 こうした豪雨の原因が「地球温暖化」や「ヒートアイランド現象」なのかは定かではないが、過去に類を見ない「未来の再現期間」を想定した防災対策を講じる必要があるだろう。自然の美しさと脅威は紙一重。自治体には柔軟な対応が要求される。防災への備えは足りないことはあっても、備えすぎることは決してないのだから…。



バックナンバーへ戻るspacer新風トップへ