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読んで得する本紹介
『わかりやすい介護保険の活用法』
『介護の達人 家庭介護がだんぜん楽になる35の鉄則』



 2000年4月からスタートした介護保険制度。現在、私たちは、喜ばしいはずの「長寿化」と、困った問題としての「高齢化」の間で板挟みとなっています。そうした、困った問題のための“打ち手”として設計されたのが、この制度です。
 日本独自の介護保険制度は、従来の福祉施策のあり方とはまったく異なり、「措置制度」を「契約」という形に変え、介護サービスの選択・利用を住民の「権利」に位置づけました。また、介護保険制度では、住民の身近な存在である市町村の果たすべき役目が重要視されているのも、これまでにない特徴といえるでしょう。
 それだけに、利用者が本当に必要なサービスを厳選して、かしこく制度を活用できるようにすることが大切なのではないでしょうか。そこで重要な鍵をにぎるのが「分かりやすさ」です。樋口恵子・堀田力監修『わかりやすい介護保険の活用法』(法研)は、利用者側の立場から、上手に介護保険サービスを選ぶポイントをまとめた1冊です。
 介護の現場では日常的に使われている言葉でも、サービスを初めて受ける側にとっては難解で制度が十分に理解されないことも多いようです。そうした一般の人に耳慣れない用語などについて、本書は分かりやすく解説しています。また「訪問調査票・訪問調査の受け方のコツ」など、住民が知っておくと便利なものを参考資料として取り上げ、さらに、介護保険に関する素朴な疑問については、Q&A方式で実例を交えながら説明しています。
 制度施行以来、同様の本が数多く出版されていますが、介護保険を有効に活用するために住民がどんなことに悩み、どんなことに不安を抱いているのか―サービスを提供する側にとっても、そうした住民の本音を知ることは、大いに参考となるでしょう。

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『わかりやすい介護保険の活用法』1200円(税別)

住民の「気持ち」を知る

 4人に1人が高齢者という社会では、在宅介護の問題はどんな人にとっても他人事の話ではありません。
 介護という現実は決して待っていてはくれず、休むわけにもいかないのです。その上、これからは高齢者が高齢者を介護する「老老介護」家庭も増加していきます。そんな時、家族がふと「なぜ、自分だけ……」という感情を抱くのはごく自然のこと。現実に、介護する側が心情的に追い込まれた結果の悲劇も年々増加する傾向にあります。高齢者の問題とあわせて、そうした家族の心のケアをどうするかという問題も、真剣に議論されるべき時期に来ているといえるのではないでしょうか。
 5人の肉親を看取ったという主婦・羽成幸子さんが、自らの経験をつづった1冊が『介護の達人―家庭介護がだんぜん楽になる35の鉄則』(文藝春秋)です。本書は、著者が自分のなかに芽生えた「負の感情」に気づき、自分と向き合い思い悩みながら「介護を明るくするのも暗くするのも、自分の心の持ち方ひとつ」と結論づけるまでの課程をまとめたものです。
 ある意味、介護はさまざまな感情との闘いともいえます。また、介護をする側、される側で、さまざまな問題があり、実際にその立場になってみなければ分からないこともたくさんあるでしょう。高齢者や介護をする家族の気持ちを思いやり、地域が一緒になって支える「行政」や「サービス」であることを望まずにいられません。


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『介護の達人 家庭介護がだんぜん楽になる35の鉄則』1048円(税別)



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