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特集タイトル


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池田英彦・相模原市財務部市民税課主事



TKCでは6月より、市町村向けASPサービス『e―TASK行政ASP』の提供を開始している。そのサービス第1弾である「市町村税課税状況等の調」は、平成14年度版の提供開始に先立ち、25の市区町村にご協力いただき、パイロット稼動を実施した。そのなかから神奈川県相模原市に、実証結果およびASPへの期待についてうかがう。



◆『e―TASK行政ASP/市町村税課税状況等の調』のパイロット稼動へ参加された狙いなどを教えてください。
池田 
ASPのことはTKCから話を聞いたときに初めて知ったのですが、作業の迅速化を図ることができるならばと、パイロット稼動への協力を決めました。毎年「課税状況等の調」は作業が集中して慌ただしい思いをしていましたからね。稼働にあたっては、パソコンに標準で搭載されている『インターネットエクスプローラ』『ネットスケープナビゲータ』などウェブページ閲覧ソフトがあればサービスを利用できるので、特に準備したものはありません。
◆インターネットによる情報の送受信を、条例で禁止している自治体もありますが。
池田 
相模原市では、一般的に個人情報に係るもの以外は特に禁止していません。ですが、やはりインターネットを使うという点では不安があったので、セキュリティについては十二分に確認しました。その結果、TKCでは情報保護に万全を期すため二段階の防止策を講じているということだったので、導入に踏み切りました。

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『e―TASK行政ASP/市町村税課税状況等の調』

作業の速さが生んだ“ゆとり”

◆実際にASPを使った感想はいかがでしたでしょうか。
池田 
これまでは、TKCに磁気テープでデータを送ってから、帳票に出力されて戻ってくるまでに4、5日かかっていました。まず個人市民税のデータを送り、その後、法人市民税や軽自動車税の集計結果を加えて送り、さらにそれらの内容を確認した上で修正したものを送る――という具合に最低でも三往復必要で、入力ミスなどを見つけるとさらにやりとりが発生していました。この点、ASPであれば、データを入力したその場で確認できるため、とても便利ですよね。また、相模原市の場合、個人・法人・軽自動車と担当者が分かれているため、作業人数自体は変わらないのですが、それぞれの作業時間を見ると半分とはいわないまでも、かなり減りました。作業期間については、調定額の確定時期が決まっていることから例年同様に3週間からひと月ぐらいかかりますが、これまでのように作業が集中したりすることもなく、時間的にも精神的にもゆとりを持って仕事ができるようになりました。
◆なるほど。そのほかにはいかがですか。
池田 
「課税状況等の調」は、提出様式が決められており、従来は国の指定通りにB4判で作成した帳票へホストコンピュータで印刷処理をしていました。ただ、これは相模原市だけなのかもしれませんが、そのままでは保管や内容確認に不便なので、すべてのページをA4判へ縮小コピーして担当者へ配布していたんです。ところが、今年はB4判でもA4判でも、パソコンで必要な用紙サイズと部数を指定すれば済むため、こうした手間から解放されました。
◆逆に、ASPを使って困ったことなどはありましたか。
池田 
「ASP自体をまだ活用しきれていないため、デメリットは特に感じていません。これまで紙で作業していたものをインターネットで作業するということで少し戸惑うこともありますが、まぁ、これは“慣れ”の問題かなと思っています。また、これはASPだからという問題ではないのですが、突合エラーリストがPDF形式ファイルで提供されるため、『アクロバットリーダー』でしか確認できないのが気になりました。私自身このソフトを使い慣れていないこともありますが、ほかにも確認できる画面が整備されるともっと使い勝手がよくなるのではないでしょうか。
◆それについては、現在、WEB上で閲覧できるシステムを開発中ですので、もうしばらくお待ちください。

ASPへ高まる期待感

◆そのほか、こんな機能があると便利だ、などご要望をお聞かせください。
池田 
例えば、将来の税収を予測する際、現状では倉庫から古い事例を探し出してきて『Excel』で加工し、さらにこれに伸び率をかける、といった面倒な作業をしています。この点、ASPで課税状況データを時系列で整理できると便利だと思います。もちろん必要な情報は市町村によって異なると思いますが、相模原市の場合は給与所得者が多いので、財政を推計するために、給与所得者の内容を人口推移・法改正・主たる所得の構造・地域格差などの観点から分析し、必要なときにいつでも確認することができれば助かります。
◆最後にASPの活用を検討している市区町村へ、アドバイスをいただけませんか。
池田 
 法改正へ即座に対応でき、これにかかるシステム改修費が削減されるのは、市町村にとって大きなメリットです。また、作業の効率性などを考えても、今後はASPを有効に活用すべきだと思います。ただ、その効果を最大限引き出すには使う側のコンピュータ・リテラシーが問題です。相模原市においても、電子自治体の実現に向けて一人一台体制を整えていますが、なかにはまだパソコンの操作に不慣れな職員もいます。ASPの活用を考えるならば、この点の体制整備を早急に進める必要があるといえるでしょうね。


相模原市
DATA
住所 神奈川県相模原市中央2-11-15
電話 042-754-1111
面積 90.41平方キロメートル
人口 61万3719人(H14.6.1現在)
URL http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/



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