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LGWAN構築に向けて急がれる
公文書の電子化
文書管理システム研究会事務局


 『e―Japan重点計画』(平成13年3月、情報通信技術戦略本部決定)において、〈すべての地方公共団体を相互に接続する総合行政ネットワークシステムについて、2001年度までに都道府県、政令指定都市、2003年度までにすべての市町村における接続を要請する。また、当該ネットワークと霞が関WANとの接続を2002年度から実施する〉との方針が示されました。
 これを受け、すでに全国の都道府県、政令指定都市では『総合行政ネットワーク(LGWAN)』への接続を終え、13年10月から運用が開始されており、市町村においても電子自治体実現に向けて公文書の電子化が急がれます。
 そこで今回は、文書管理システム導入の留意点をまとめてみました。

1公文書を電子化する目的

(1)LGWANへの対応
 LGWANの基本サービスのひとつである「文書交換システム」では、地方公共団体間、中央省庁と地方公共団体間の文書交換を電子的に行うことになっています。このため市町村においては、従来の業務を見直し、電子文書が取り扱えるような仕組みを用意する必要があります。
(2)情報公開制度への対応
 現在、全国各地で情報公開条例の制定・施行が進んでいます。市町村は住民からの開示請求に対し、一定期間内に開示・非開示を決定する必要があり、行政文書の検索や所在確認が迅速に行える文書情報のデータベース化は欠かせません。
(3)行政事務の効率向上
 行政事務の効率向上には、行政事務の根幹である文書管理業務のシステム化が有効です。公文書を電子化することにより、過去に作成した文書の再利用、あるいはほかの職員が作成した文書の共有が簡単に行えます。また、今後、実現されるであろう電子申請や電子調達などにおいても電子文書の取り扱いは必須となります。


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2文書管理システムの機能

 先述の目的を果たすため、文書の発生から廃棄までを電子的に管理する「文書管理システム」が注目されています。このシステムには、一般的に次のような機能が搭載されています。
(1)収受・起案機能
 既存文書の再利用、収受票・起案票の作成業務等を支援する機能です。起案票作成においては、予め登録しておいた文章を参照入力できるなど、手入力を最小限に抑える入力補助機能があると便利です。また、LGWANを介した文書の収受・発送業務に対応した文書交換連携機能が必要です。
(2)電子決裁機能
 システムを起動した時点で、処理すべき案件を把握して決裁処理を行うほか、決裁の進捗状況・履歴の確認を行う機能です。その場合、財務会計システムなどほかのシステムからも決裁処理できるような連携機能を備えていると、業務のスピード化を図ることができます。
(3)保管・管理機能
 文書検索、帳票作成、簿冊管理の機能のほか、引継や廃棄などの管理業務を支援する機能です。帳票作成機能には、文書管理台帳、ファイル基準表、文書分類表などの帳表作成も含まれます。また、情報公開制度に対応した公開目録の作成機能や、情報公開システムとの連携機能も必要です。
(4)原本性保証機能
 電子文書は再利用がしやすい反面、改ざんや情報漏洩などの恐れがあります。そこで電子文書の原本性を確保するためには、改ざん検出が可能であることや、アクセス制限およびアクセス履歴の記録により漏洩等を防ぐことなどが必要です。これらの要件を確保する機能を「原本性保証機能」と呼びます。


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『e-TASK文書管理システム』の画面例

3導入にあたっての検討事項

 システムの導入にあたっては、次の3点について検討することが望まれます。
(1)目的と対象の明確化
 システム化の目的により、電子化する文書対象も変わります。そのため「情報公開制度への対応のために条例施行後の文書だけを対象とする」のか、あるいは管理業務全体を効率化する目的であっても「既存文書は目録だけを電子化する」のかなど、目的と作業負担を考慮して対象を明確にする必要があります。
(2)業務の見直し
 文書の電子化にあたっては、従来業務をそのままシステム化するのではなく、形骸化している業務の見直しが必要です。情報公開制度との関係を考えると、体系的に文書を管理できる分類を策定するなど、文書管理業務全体の再構築が求められます。
(3)文書管理規則(規程)の策定
 文書管理業務のうち電子化の対象となる業務、電子決裁を利用する文書など、文書管理システムを利用するためのルールづくりが必要です。特に電子決裁では、標準的な決裁ルートをあらかじめ作成しておくことで、決裁業務をスムーズに実施することができます。そのためにも庁内における推進担当者を決定し、積極的に環境を整備する必要があるでしょう。



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