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地方税の電子申告、実証実験を実施



 総務省はこのほど、神奈川県など5つの自治体と共同で、法人事業税や住民税など地方税の「電子申告システム」の実証実験を行った。
 これは納税者の負担軽減と税務行政の効率化の観点から、システムの使い勝手を評価することを目的に行われたもの。実験期間は10月7日から18日までと、国税の電子申告実証実験(平成12年11月27日〜13年3月15日)に比べて短いものだったが、実験には岡山県、岡山市、邑久町と神奈川県、横須賀市のほか、税理士および納税者(法人、個人)約150が参加するなど、本番さながらの内容となった。
 余談ながら、全国8500名の税理士・公認会計士で組織されるTKC全国会会員も今回の実験に参加。また、TKCはTKC全国会の会員が利用する税務システムに「地方税の電子申告実験専用ソフト」を提供して、納税者システムの実験をサポートした。
 さて今回対象となったのは「法人県民税」「法人事業税」「県たばこ税」「法人市町村民税」「個人住民税」「固定資産税(償却資産税)」の6税目。具体的には、税理士および納税者がインターネットを使って架空の申告書データを県へ送信し、市町村は総合行政ネットワーク(LGWAN)を介して県のコンピュータへ接続し申告書を審査する――という具合で実証実験が進められた。
 ちなみにこの実験システムは、以下の3階層で構成されている。
(1)納税者システム
 納税者や税理士が、申告書を作成して、インターネットを利用し、申告データとして送信する。
(2)受付システム
 公的機関が納税者からの申告データを一括受信するシステム。共同受付と単独受付が想定されている。
(3)審査システム
 受信した申告データを市町村が審査受理するためのシステムで、LGWAN等を介して配信される。  また、実験では、これらのシステムがスムーズに稼働するかどうかのチェックに加えて、認証技術や電子署名を付与する過程、セキュリティ・システムなどについても評価が行われたようだ。

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今回の電子申告実験には、TKC全国会会員の税理士も参加した

早期実現に向けて具体的な検討を

地方税申告の電子化は、総務省や全国知事会などが集まって組織される「地方税電子化推進協議会」において、昨年度から研究が進められてきた。総務省では、今回の実験成果をもとに標準的なモデルシステムの開発を進め、平成15年度中の実用化を目指すとしている。
 国税では16年1月から電子申告・納税の運用開始に向けて、政府と日銀、民間金融機関などとの調整も始まったというが、一方の地方税はいまだ未確定要素が多い。特に今回対象となった税目がすべて一斉に申告開始となるのか、あるいは実験結果を踏まえてこれから税目を選ぶのか、市町村としても気になるところだ。また、受付システムの方式など基本事項でありながら、市町村単独では検討できない事項もある。
 とはいえ、今秋以降、地方税についても電子申告・納税の早期実現に向けた動きが本格化することになる。今後、実施主体者である市町村に対しても、電子申告の早期実現が要請されることは確実だ。このため一刻も早く、より多くの情報を入手したいというのが市町村の本音だろう。
 平成15年度内の運用開始を目指すならば、早急に検討事項を整理し、県や近隣市町村との連携を模索しながら、年明け早々にも具体的な導入計画策定に取り組まなければ、到底間に合わない。電子自治体の実現に向け、いま市町村の真価が問われているのである。



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