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近未来の地方行政を模索する
丸岡町の“電子役場”への取り組み
福井県丸岡町


丸岡町DATA 住所 福井県坂井郡丸岡町西里丸岡12−21−1
電話 0776−68−0800
面積 107.36平方キロメートル
人口 3万2379名(H13.12.1現在)
URL http://www.town.maruoka.fukui.jp/index.html


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林田恒正丸岡町町長


地域全体で情報化を推進

◆丸岡町における情報化の取り組みについて教えてください。
林田町長 
丸岡町では、情報化の理念として〈情報通信技術による、近未来的なまちおこし〉を掲げ、電子自治体による開かれた町政を目指して「まち・住民・地域それぞれの交流促進」と「行政事務の電子化による住民サービスの拡充」のテーマに取り組んでいます。前者については、これまで月2回『愛町サロン』の開催と、14名の『愛町モニター(住民)』を公募して、町政へのご意見、ご要望をいただいてきたのですが、これをさらに進化させるべく、平成11年から地域全体の情報インフラ整備を進めてきました。具体的には、11年度に総務省(旧郵政省)の補助を受けて『地域イントラネット基盤整備事業』を実施し、公共施設をギガビット単位の高速回線で結び、さらにこれをCATVと接続することで住民および地域の情報インフラを構築しました。現在、これを活用して行政情報の提供や町立図書館の蔵書検索・貸出予約などのサービスを提供しています。この取り組みは、北陸総合通信局管内のモデルケースに位置づけられており、また、県内においても次の時代の町政のあり方を示すパイロット団体として注目されています。
◆もう1つの「行政事務の電子化」についても積極的に取り組んでおられますね。
林田町長 
はい。いわゆる“電子役場”を目指して、すでに1人1台のパソコンを配備し、庁内LANも整えました。ただ、道具だけを揃えても、それが日々の業務に有効的に活用されなければ意味がありません。そこで「町長への発言は電子メールのみで受け付ける」「役職者のスケジュールをネット上で公開する」など、従来のルールを一部改め、まずは全職員でネットワークの活用という新しい習慣をつけるよう心がけてきました。これにより、庁内の情報共有化のための土壌はほぼ固まりましたので、次のステップとして『e―TASK文書管理システム』を導入し、活用していきたいと考えています。現在、来春の本稼働を目指して準備を進めているところです。

発想の起点は「住民のメリット」

◆システム導入の狙いと、期待している点は何ですか。
林田町長 
 文書管理システム導入の狙いは、まず情報公開への対応があります。丸岡町では、これまでも積極的に情報を公開してきましたが、平成13年10月の条例施行を機に、情報検索や簿冊の管理を容易にし、履歴確認、決裁状況確認などの仕組みを確立して、より確実で迅速な実施体制を整えたいと考えたものです。また、内部的には文書の電子化によって、起案から決裁、情報のフィードバックまでの仕組みを整えるという狙いもあります。これにより庁内においては業務のスピード化を促進し、最終的には住民まで含めた申請・決裁の電子化、オンライン化、ワンストップ化を実現し電子役場のさきがけとなりたいですね。このため、いま財務会計、文書管理、電子申請、例規データベースの各システムの連携を検討中です。さらに副次的な効果としては、紙資源を大切にし、ごみの減量化を図ること、また、書庫スペースの縮小によるコスト削減なども期待できるのではないでしょうか。ただ、このように仕組みを新しくすると、新たな課題も発生してきます。例えば、「電子化されていない文書情報の公開をどうするか」「電子役場におけるセキュリティ対策」などですが、これらについても庁内体制の見直しとともに十分な議論を重ねているところです。
◆電子役場へ向けて、着々と準備が進んでいるんですね。
林田町長 
文書管理システムの導入は、ひとつの通過点に過ぎません。電子役場の実現のためには、行政事務を単に電子化するだけではなく、それとあわせた業務改善、あるいは新しい業務の創造が必要になるだろうと考えています。そのための具体策は、国や都道府県の方針で示されるものではなく、市町村が独自に創り出すものです。丸岡町の場合、その発想の起点に「住民のメリット」を置いています。これに沿って明確なビジョンを示し、常に業務を見直していくわけですね。現在、進めている地域イントラの整備についても、行政から住民へ一方的に情報を流すのではなく、例えば、住民からの相談を受けたり、ニーズを収集するなど、インターネットの双方向性を活かしたサービス展開を実施する計画です。そのためにトップがITに詳しくなる必要はないが、電子役場の未来像は描けなければいけませんね。担当者や民間企業に任せっぱなしでは円滑には進みません。この点では、やはりトップ自らがリーダーシップを発揮していくことが大事だと思います。私自身は、例えば情報化セミナーなどへも積極的に参加して、そこで得た情報を庁内へ広めるなど実践しています。トップが将来のまちづくりについて明確なビジョンを示し、それを実現する手段を担当者が考え実行する。いわば二人三脚での運営ですね。場合によっては民間企業など外部の協力を得ながら、電子役場という目標に向かって前進あるのみですよ。


記者の目
日本一短い手紙「一筆啓上賞」で有名な丸岡町。電子メールが普及するなか、人口3万人余のまちから発せられた「直筆の手紙の文化」は、国内に限らず海外へも広く伝えられています。



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