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読んで得する本紹介 1
『この国のかたちが変わる』



 平成17年までに市町村の数を現在の3分の1に減らすという国の方針を受け、最近、新聞報道等でも市町村合併に関連した動向や苦悩を頻繁に取り上げるようになりました。例えば賛成派住民と反対派住民の対立、隣接する市町村間の駆け引き、国や都道府県の支援・指導など、市町村合併は地域にさまざまな波紋を広げています。
 自治・分権ジャーナリストの会編集の『この国のかたちが変わる―平成の市町村大合併』(日本評論社/03・3987・8621)は、市町村合併などについて各地の注目すべき事例をジャーナリストたちがリポートしたものです。
 本書では、実際に合併した地域の合併にいたる紆余曲折や合併後の状況、現在合併に向けて問題を抱えている市町村の状況、あるいは「合併しない宣言」をした福島県矢祭町の例など、首長や住民の言葉を交えながら各地の合併への取り組みを紹介しています。また、そのメリットやデメリット、今後の課題なども分析。
 日本地図を片手に読むと、地理的特色など一筋縄ではいかないさまざまな問題点も浮き彫りとなってきます。
 「これからも私たちはここで生きていく。そのために中津川へ行く」と県境を越える合併に悩む長野県山口村の村民がいった言葉が胸に残ります。最も重視しなければならないのは一時の損益ではなく、地元にとって何が大事なのかを考える住民の心。アメとムチに追い立てられることなく、充分な議論と地に足のついた対応が必要でしょう。

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『この国のかたちが変わる』2,000円(税別)



読んで得する本紹介 2
『地方が変わる日本を変える』



 全国の都道府県知事が順番に大学で講義を行っていることをご存じでしょうか。
 これは学生に地方自治の現状を学んでもらおうと、平成14年4月から京都・立命館大学が読売新聞社とともに始めたユニークな企画です。石原都知事や田中長野県知事など知事の存在がクローズアップされている現在、その生の声が聞こえるとあって講義は常に満員だとか。講義概要はインターネットでも公開されていますが、もっと詳細に知りたいという要望から、このほど出版されたのが『地方が変わる日本を変える―全国知事リレー講座』(ぎょうせい/03・5349・6666)です。
 講義の内容と読売新聞記者の取材レポートをセットにすることで、各地域の実情を分かりやすく解説し、単なる自画自賛で終わらないような工夫がされています。
 本書を読むと各知事の信念や個性がよく分かりますが、なかでも北川三重県知事の県政は全国で初めて事務事業評価システムを取り入れるなど際立っており、「生活者起点の県政」という基本理念のもと、“実質”を重視した改革を数多く行っています。その例として、本書では組織編成に事業ごとのチーム制を導入し横断的な体系を構築したことや、PHSを全職員に貸与して即時の対応を可能にしたことなどを挙げています。
 都道府県の現状と今後の動向把握とともに、複数の知事の本音を垣間見ることができる1冊です。その理念や改革のなかから、市町村の行政にも参考になることが見えてくるかもしれません。


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『地方が変わる日本を変える』2,476円(税別)



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