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IT活用と業務改革により
3年連続で地方税の徴収率がアップ
長野県丸子町


丸子町DATA 住所 長野県小県郡丸子町大字上丸子1612
電話 0268-42-3100
面積 105.70平方キロメートル
人口 2万5319名(H15.9.1現在)
URL  http://www.maruko-town.ne.jp


税務課・滝沢 充課長(左)
税務課収納係・山本正信係長(中)
税務課収納係・青木正光主任(右)


◆丸子町では、過去3年連続で徴収率が上がっているそうですね。
山本 
いま地方税の徴収率は、全国的に見ても平成2年度に95.8%だったものが13年度は92.0%と年々下降しています。丸子町の場合も3年度をピークとして徴収率が下がり、このままでは景気低迷による税収減でただでさえ厳しい財政状況が、ますます悪化すると危機感を抱いていました。そこで、12年に実施した機構改革を機に徴収業務の見直しを行った結果、徴収率が回復。以来、3年連続で徴収率が向上し、滞納額や滞納者数、さらに督促状・催告書の発布件数は前年を下回るという成果を上げることができました。
◆具体的には、どんな見直しを行ったのでしょうか。
滝沢 
従来は差押さえなどにも慎重だったのですが、滞納整理の一連の流れをマニュアル化し、滞納者に対してはこれに沿って公平に「滞納処分」を行う一方で、こちらから訪問するのではなく滞納者に「納税相談」へ来てもらうよう改めました。つまり、仕事のやり方を180度転換したわけですね。これまでの滞納整理というと、滞納者宅へ出向き滞納分を徴収したり、電話で催促するといった、いわゆる “集金”型の業務が仕事の大半を占めていましたが、玄関先で五分程度話すぐらいでは十分な納税相談とはいえません。そこで役場内に住民のプライバシーを確保した相談スペースを新たに設け、滞納者とじっくり時間をかけて納税相談をできるようにしたわけです。

丸子町の“三種の神器”

◆業務の見直しと併せて、TKCの滞納整理システムを導入されたそうですね。
青木 
以前は滞納者の管理といっても担当者のメモ程度で、担当が変わるとそれまでの経過が分からないこともありました。しかし、十分な納税相談やルールに基づく滞納処分を行うには、滞納者を個別管理し事前に財産状況などを調査することが必要です。そんな時に『e―TASK滞納整理システム』を提案され、これならば我われの業務改革に役立ってくれるだろうと導入を決めました。「滞納整理システム」は、いまや「情熱」と「納税相談」と並ぶ滞納整理の“三種の神器”として、これがなければ一日も業務が進まないほどの存在になっています。
◆導入の効果はいかがですか。
青木 
最初に感じたのは使いやすいということですね。マニュアルをほとんど見なくても、初期画面を見ただけでどんなことができるか分かり便利です。また、交渉記録などの情報が共有化されたことで、担当者の異動や不在時にも円滑な対応が可能となり、さらには誓約書の作成やその後の進行管理および調査、年度末での執行停止や不納欠損処理事務等も簡素化されるなどシステム化のメリットは大きいですね。あまりにも便利なので、預金調査を依頼した金融機関から「こんなに一度に出されても困る」といわれたこともありました(笑)。
山本 滞納整理の担当職員は、時間外業務や休日出勤が当たり前という感覚がありましたが、これまでの複雑な事務処理が効率化されたことで現在ではそうしたこともなくなり、経費削減の面からもまずまずの成果をあげているといえるでしょうね。

実りある「滞納整理」を目指して

◆今後の計画や課題などについてお聞かせください。
山本 
今年4月から地方税のコンビニ収納がスタートしましたが、住民の利便性向上のために、この対応についても検討しています。また、滞納者の半分は未納額が1万円以下と少額で、これを何とか解消したいですね。税に限らず丸子町では口座振替の利用率が低いのですが、調べてみると住民税は口座振替をしていないが固定資産税では利用しているという住民も結構います。この利用者が増えれば少額の滞納者を減らすことにもなるため、現在、口座振替の利用率向上に全庁をあげて取り組んでいるところです。
◆なるほど。さて最後に、徴収率改善の秘訣を教えてください。
滝沢 
秘訣といえるものは特にありません。ただ、やるべきことをやっているだけですから。丸子町でも昔は全職員を動員して滞納整理へ当たったことがありましたが、これでは職員の負担が増えるだけで根本的な問題解決は図れません。重要なのは旧来の姿勢や考え方を見直すことですね。特に小さな町村ほど職員数が少なく、町を歩けばほとんどが顔見知りということもあって、なかなか強硬手段を取りにくいという事情があります。しかし、徴収の仕組みが脆弱な状態では、とても地方の自立など実現できないでしょう。我われとしては、法令遵守の精神に則り正義感と熱意を持って、滞納者に厳しく臨む姿勢が大切だと思います。これは水道料金など税外収入についても同様です。そのためには、関係各課が連携してことに当たるとともに、例えば課税ミスを起こさないなど行政の“プロ”として、業務品質の向上を図る必要がありますね。丸子町では年1回、先進地視察を行うほか、民間などが主催する研修や講演にも進んで職員を参加させ、いい事例やノウハウを積極的に採り入れ業務改善に役立ています。徴収業務に限らず、これからの市町村にはそうした柔軟な姿勢が求められるのではないでしょうか。


記者の目
お話しをうかがって、改めて基本というものは大事なものだと感じました。仕事に慣れてくると、その基本を忘れがちになるものです。ときどきは基本に立ち返って、見つめなおす習慣を身につけたいですね。



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