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電子自治体推進指針と公共IDC



 総務省は平成15年8月に『電子自治体推進指針』を公表した。
 これは、IT戦略本部が「e―Japan戦略」に代わる新たな国家戦略として策定した「e―Japan戦略II」に呼応したものとなっている。指針では、電子自治体推進の新機軸として共同アウトソーシングを積極的に活用するとしており、これにより次の課題が解決すると明示されている。
(1)プログラムの設計・開発、セキュリティ対策を含めたサーバの安全な運用等を各市町村で行うことの重複投資
(2)システム開発、データセンターの運営等、高度なノウハウと専門性を有する地域IT企業の振興

共同委託とASPの比較

 一方、平成15年4月に公表された『公共ITにおけるアウトソーシングに関するガイドライン』(総務省)では、主なアウトソーシングの形態が紹介されている。
 一つは「開発・運用アウトソーシング方式」だ。自治体が民間事業者にシステムの開発委託を行い、運用もアウトソーシングするものである。この場合、自治体が単独で行う場合と複数団体が共同で行うケースがある。ここでは、業務委託する民間事業者が地方行政について深い知識と経験があり、運用においても機密性の高いデータの取り扱いに慣れていることが望ましいことはいうまでもない。
 二つ目が、民間事業者が構築したシステムのサービスを自治体が購入する方式――いわゆる「ASP方式」で、これも自治体が単独で購入する場合と複数団体が共同で購入する場合がある。
 この二つを、リスクとコストの面で比較するとどうなるだろうか。
 前者は、基本的に自治体自身の責任でシステムを構築することになる。システムの構築までは委託された民間事業者の責任だが、システムが実務的に有効利用されるかどうかは、開発を委託した自治体の自己責任となる。また、コストについては、複数団体が共同で開発を委託すれば単体ごとには安くなるが、委託業者への総支払い額は大幅に膨れ上がる。
 一方、ASPの場合は、地方行政を熟知した民間事業者が自らの責任でシステムを設計・開発している。パイロット的に事前に利用するなどして、実務での利用の可否を十分吟味してから導入することができる。さらに、コスト面でも非常に低価格になっていることが多い。


公共IDCのチェックポイント

 これまで、自治体向けのASPはほとんど存在しなかったが、今後はサービス内容が充実し、利用団体も増えていくことになるだろう。実際、『公共ITにおけるアウトソーシングに関するガイドライン』でも、今後はASP方式が主流となると強調している。
 しかし、ASPも「どのような施設で運用されているか」「自治体からはどのように接続できるのか」を吟味しなければならない。
 例えば、開発・運用アウトソーシング方式では運用を委託するデータセンターのファシリティをチェックするが、ASPについても「地方行政の業務を行う」という重大任務をおびていることを勘案して、そのシステムを運用するデータセンターをチェックすべきだろう。
 ネットワークについては、フロントオフィス系のアクセスについてはインターネットからの接続となるが、バックオフィス系の業務にはセキュリティを十分確保したネットワークが必要となる。このためデータセンターが、総合行政ネットワーク(LGWAN)の全国NOCと直接接続されていれば最良だ。LGWANに接続するには、非常に高いセキュリティが求められているため、APSを選ぶ際の大きなチェックポイントとなる。
 電子自治体とは、単に紙での手続きを電子化することにとどまるものではない。その本質は、適正なサービスを、適正なコストで導入し、自治体が自らのコアコンピタンスに特化して、住民満足の向上を図ることにほかならないのである。



TKCインターネット・サービスセンター(TISC)開設
■TISC概要
延床面積
3階建/1600坪
(5280平方メートル)
サーバルーム
1000坪
(3300平方メートル)
通信回線
超高速ネットワーク(二重化)
電力
無停電電源装置、自家発電装置
(3日間以上の連続無給油発電)
建物構造
免震建物
セキュリティ
ISMS(平成16年認証取得予定)

写真左下:システム監視室では、システムの稼働状況を24時間365日監視し、万一のトラブル時にも迅速に対応する体制を確立している。
 TKCの電子自治体構築支援戦略の中核をなす情報通信サービス拠点として、TKCインターネット・サービスセンター(TISC)が竣工しました。
 その主な役割は、総務省が提唱する市町村の行政情報システムの共同利用化とアウトソーシング化に対応して、当社の顧客団体からのニーズをコストミニマムで実現することにあります。また、TISCの完成によって高度なデータ・セキュリティ体制の下、以下のWebベースのネットワーク・サービスを24時間365日提供する体制が整いました。
1)住民からのインターネットを経由した電子申請・届出システム等のアプリケーション・サービス(フロントオフィス業務)
2)内部管理業務のアプリケーション・サービス(バックオフィス業務)
3)ASPサービス
4)ホスティング/ハウジングサービス
5)データ・バックアップ・サービス など
 これらの新しいサービスを提供するため、TISCの構造は最新ITを活用するとともに、最高水準の安全性(免震構造、電源・通信回線の完全二重化、防犯・防災対策等)を具備したものとなっています。
 なお、TKCは15年秋TISCを活用したアプリケーションおよびコンテンツサービス等でLGWAN−ASPの接続資格審査に合格いたしました。


センター内のサーバールームは、最新技術を駆使した雷害対策(写真上)や免震装置(写真右下)でがっちり守られている。



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