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 今年2月6日、政府はIT政策の包括的推進計画となる「e―Japan戦略II加速化パッケージ」をまとめた。
 これは、〈2005年までに世界最先端のIT国家になる〉との目標を達成するため、今後、取り組むべき施策を明らかにしたもの。(1)国際政策(アジア)、(2)セキュリティ、(3)コンテンツ、(4)IT規制改革、(5)評価、(6)電子政府・電子自治体――の重点分野から構成され、それぞれ具体的な作業や目標期限などが明示された。
 このうち「電子政府・電子自治体」では、自治体ごとの重複投資の回避、およびシステムの円滑な相互接続・連携の実現による効率的で低廉かつセキュリティの高い電子自治体を目指し、「電子自治体構築計画の策定」「CIO(情報化統括責任者)導入」「システムの標準化と共同アウトソーシング」「取組状況の把握・評価」などの実施が掲げられている。
 これにより市町村の電子自治体実現への取り組みについても、今後、加速化が求められていくことになる。

国も指摘する相互接続と連携の重要性

 さて、電子自治体の狙いは単なるシステム化ではなく、行政効率と住民の利便性を向上することにある。この目的を達成するためには「急速に変化する技術革新への対応」「サービスの多様化への対応」「高度なセキュリティの確保」「費用対コスト」など、あらゆる点を考え、最適な情報システムを構築することが必要となる。中で最も重要なのが、加速化パッケージでも指摘された「システム間の相互接続と連携」だ。
 例えば、電子自治体の実現に欠かすことができないものに「電子申請・届出システム」があるが、市町村がこのサービスを導入しようとすると、住基や税務情報などの既存の業務システム(バックオフィス)側の対応・改修が必要になる。申請や届出を受け付けるシステムが従来のままでは、せっかく申請・届出のデータが電子化されていても、それを紙に印刷したり、交付書類をスキャナーで読み込んで電子化する作業が発生するためだ。また、既存システムの改修と併せて、申請・届出データを電子媒体のまま処理、保管するための文書管理システムや電子決裁システムなども欠かせない(図1参照)。もし、システム間の連携が不十分だと、電子自治体の構築に取り組んだことで逆に行政効率が低下した、などということにもなりかねないのである。


 そうしたシステム間の相互接続や連携を図るため、TKCなど多くのベンダーが採用しているのが「マイクロソフト.NET」だ。これは2000年6月に打ち出された新たな技術戦略で、具体的には「.NETフレームワーク」という仕組み(開発・動作環境)を提供するものである。
 この「.NETフレームワーク」は、総務省がデータ連携の標準仕様として推奨している「XML」というデータ形式を取り扱う機能を標準で搭載しているため、システム間の相互接続や連携が容易に行える。また、生産性や品質を高めるための開発環境や総合的なセキュリティ対策機能なども提供されていることから、さまざまな業務システムで採用されている。そして、最大の特徴といえるのが「リッチ・クライアント」という新たな方式のシステムを開発することができる点だ。これは従来の「クライアント/サーバ」や「Webブラウザ」を超える次世代方式として注目されている(図2)。
 クライアント/サーバ方式は、パソコンの性能をフルに活用できる方式のため応答も速く、画面の操作性や表現力も高い。だが、その反面でクライアントへのプログラム配布が必要で、他のシステムを同居させると一部のプログラムが競合し正常に動作しなくなる、などのデメリットがあった。
 また、Webブラウザ方式では、クライアントへのプログラム配布が軽減(原則不要)されるため運用コストを大幅に抑えることができるが、ブラウザの制約から画面操作や表現力が乏しい、といった欠点も存在していた。
 その点、リッチ・クライアント方式は両者の利点だけを集めたものといえる。例えば、サーバやクライアントの性能を最大限に活用し、かつ使い勝手の良いシステムを構築することができ、さらに「.NETフレームワーク」が提供する「ノータッチ・デプロイメント」を使えば、クライアントへのプログラム配信も自動で行え、運用コストも大幅に抑えることができるというわけだ。


待ったなしの「電子自治体」

 いま、電子自治体を取り巻くIT動向は日々刻々と変化している。  そうした中、TKCでは将来にわたってお客様のビジネスを成功に導くため、今後3年間で提供するすべてのシステムを「.NET」へ切り替える方針を固めた。地方公共団体向けには、平成16年10月、「TASK.NETシリーズ」を提供することになる。
 電子商取引推進協議会の調査によれば、小規模団体ほど電子自治体への対応が遅れており、このうち加速化パッケージでも揚げられた「電子自治体構築計画」を作成しているのはわずか16%で、人口1万人未満の団体では半数が予定すらないという。
 だが、もはや電子自治体実現は待ったなしの状態となった。手をこまねいていると市町村だけが時代から取り残されることになる。「電子自治体」加速への決意を固めるべき時がきたのである。



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