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市町村合併に伴う円滑なシステム統合のポイント
第3回 本統合直前に最終チェックを



市町村合併は、まさに、まちの未来を創る一大プロジェクトといえる。一連の作業を計画通りかつ期限内に完了するためには、メンバーの頑張りに加えて、重要な通過点ごとにそれまでの作業を“振り返ってみる”ことが大切だ。そこで今回はデータ本統合と合併施行日を迎えるにあたって、一つひとつの工程を再確認してみる。

 合併施行日の2か月前には、いよいよデータの本統合処理を行うことになります。
 本統合後に追いかけ入力処理などの作業はありますが、この段階で仮統合までの各工程を確実にこなし、問題点を解消しておけば、本統合処理もなんなくクリアし安心して合併施行日を迎えることができます。
 そこで、これまで2回にわたって説明してきた各工程の確認事項(図1)を、もう一度見直してみましょう。


1.システムの現状分析と統合方針の決定
(1)事前準備事項の確認
(2)各種コードの使用状況の確認
コードの使用状況を確認し、統合後のコード変換条件の確定を行います。
(3)前提条件の確認
統合の前提条件を確認し、整えます。
(4)運用方法とシステム取り扱いの確認
組織変更に併せた運用方法の変更やシステムの取り扱いを決定します。
(5)外部機関との調整
金融機関や県・国保連合会などの関連外部機関との事前協議が必要なものを確認し、調整・連絡を行います。
2.合併に伴い、新たなシステムを利用する市町村のデータ移行
(1)基本コードの振り替え
個人コード・世帯コードなど振り替えが必要な場合は、必要なコードを分析・決定し、変換条件をシステムに組み込んだ上で変換します。さらに事前テストを行って変換結果を確認しておきます。
(2)移行内容の検証
他システムからの移行の場合、十分な移行結果検証が必要です。検証のための資料を準備し、完璧な移行検証を実施します。
3.漢字(外字)の同定
構成市町村ごとに漢字(外字)の同定を行います。特に、メーカーが異なるシステム間でデータ統合を行う場合は、内字(JIS第一水準、第二水準)の字形の違いについても同定作業を実施します。
4.個人コードや事業所コードの同定
(1)個人・事業所等の同定作業
必要に応じ同定作業を実施し、検証資料を作成して同定結果を確認するとともに、課税時期等に合わせ結果の反映を行います。
5.データ仮統合処理
(1)仮統合の事前準備と内容確認
事前検証のため、データ仮統合処理を実施します。作業の事前準備として、必要な資源・機材等の確保、処理手順の確認を行い、十分な仮統合結果を検証します。

重要な五つのチェック項目

 財団法人地方自治情報センターでは『市町村合併に伴う情報システム統合の11のポイント』を公表していますが、TKCでは、これに加えてさらに5つのチェック項目をご提案しています。本統合処理を迎えるにあたり、漏れや見落としを防ぐためにも以下の確認を行うことをお勧めします。
(1)開発作業の進捗確認
「システムの統合計画通り、遅滞なく進捗しているか」「従来の機能は正しく処理できるか」「新機能は要望が充分に反映されているか。また、利用に耐えうるものとなっているか」「提供されていない機能はないか」などをチェックし、不都合な部分についての変更指示を行います。
(2)データ統合の条件確認
データの統合作業に伴い、個人コードをはじめ各種コードを新市町用に変換する必要があります。その変換条件を正しく指示し、指示内容に変更がないか確認します。
(3)ネットワークの構築確認
導入計画に基づき整備を進め、必要に応じて旧システムと新システムの接続テストを実施し、支障なく稼働することを確認しておきます。特に窓口業務は遅延させることが許されないため、本統合の前にテスト確認を行います。
(4)ハードウェアの配備確認
パソコンやプリンターなどの配備計画と、移行計画に従って機器配備と配備要員の確保、また現行使用マシンへ必要なソフトウェアがインストールされているかを確認し、新市・町での利用に備えます。また、合併日前後の最終機器設置は、十分な要員と時間を確保しておくことが肝要です。
(5)研修体制の確認
組織再編や新たなシステム導入に伴う機器操作、運用手順の説明などシステム研修の実施計画を策定し、計画に沿って十分な事前研修を行います。

本統合処理と施行日前後の対応

 さて、ここまで済めば、いよいよ作業も「6.データ本統合処理」「7.合併施行日前後の対応」と大詰めの段階を迎えます。
 データ本統合処理に向けては、主に「仮統合時の問題点の解消」と「本統合の事前準備と内容確認」を行います。まず、仮統合処理の実績を基に、仮統合時の問題点を確認し、事前に解決した上で本統合処理の準備をします。次いでデータ異動処理の入力スケジュールを調整し、入力停止期間の案内と作業停止を徹底します。ここで留意すべき点としては、各種コードの変換は単純に一括変換するケースと条件付きで変換するケースがあるため、条件付きで変換した場合のエラー回避策を事前に講じておきます。また、本統合処理後には追いかけ入力処理を実施します。
 その後、合併施行日前後の対応としては、「本統合時の問題点の解消」、また、新市・町の誕生とともに必要となる保険証など帳票類の「一括作成処理」があります。さらに「合併日直前の作業」としては、最終的な機器配備・設定等の確認や、住民票改製処理など直前のデータ整備作業を行います。
 そして、合併施行日当日の「システムの稼働確認」をするための要員を確保するとともに、事前に確認事項を整理しておくことも忘れてはなりません。



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