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特集 事例2


三芳町DATA 住所 埼玉県入間郡三芳町藤久保1100-1
電話 049-258-0019
面積 15.30平方キロメートル
人口 3万6363名(H16年8月末現在)
URL http://www.town.saitama-miyoshi.lg.jp/


企画財政課 吉野茂夫課長 企画財政課電算統計係
細谷俊夫係長


◆電子自治体実現に向けた取り組み状況について教えてください。
吉野 
三芳町では、20年以上前から事務処理の一部でアウトソーシングを活用し、経費節減に努めてきました。また、国が打ち出した「e―Japan戦略」を受けて、平成14年には『情報化推進ガイドライン』を策定し、現在、これに沿った情報化を進めているところです。電子投票など社会環境がまだ整わず実施を延期しているものもありますが、進捗状況は概ね計画通りといえるでしょう。電子自治体に限らず何事も新しいことには必ずリスクが伴うものですが、IT社会において浮上したのがコンピュータウイルスや情報漏えいなどの問題ですね。市町村においても、こうしたリスクへ適切に対処する情報セキュリティマネジメントが必要不可欠だと思います。そこで昨年3月に「情報セキュリティポリシー」を策定し、今年7月には「個人情報保護条例」を施行しました。そうした取り組みの一環として、LGWANの採用を機にASP方式によるウイルス対策サービスを導入したわけです。

ASPで組織全体の対策を平準化

◆これまでは、どのようなウイルス対策を行っていたのでしょうか。
細谷 
基幹系システムについては重点的に対策を講じてきましたが、そのほかのパソコンについては市販ソフトを導入し、職員個々にパターンファイル更新を行っている状態でした。そこで出先機関も含め組織全体で対策の底上げと平準化を図るため、ASP方式によるウイルス対策サービスを採用しました。これならばインターネット・データセンターに設置された専用サーバから、LGWANを経由して、庁内のサーバやクライアントへ検索エンジンやパターンファイルが自動配信されるため、職員の手を煩わせず、常に最新の対策環境を保つことができます。このためWindowsアップデートについても、マイクロソフトから提供され次第導入する予定です。実際にASPサービスを導入してみて、ウイルスを気にせずに済むのはとても楽なのですが、逆に安心することで職員の危機意識が薄れるのでは…と心配しているんですよ。
◆その辺りが今後の課題ですね。
細谷 
ええ。物理的な対策とともに、職員の危機意識の維持や業務手順を含めた情報管理の見直しが重要だと考えています。そこで今年8月に対策委員会を設置し、現在、課ごとにセキュリティに該当する情報をすべて洗い出し、そこで生じるリスクへどう対応するかなどをまとめた手順書を作成してもらっています。組織全体で汎用的なものを作成すれば簡単ですが、それではきめ細かな対策を立てられませんし、各課が考えることで何よりも職員の意識づけとなるでしょう。今後、職員研修も計画していますが、情報セキュリティマネジメントは最初から完璧を目指さずに、まずはできることから始め、継続することが肝要ですね。

「持たない」ことも選択肢のひとつ

◆電子自治体に向け、市町村の業務も大きく変わっていきますね。
吉野 
電子自治体実現とは業務の幅を広げることにほかなりません。例えば、いまやほとんどの市町村でホームページによる住民広報を実施していますが、だからといって広報誌を中止することはできないでしょう? すべての住民が電子行政サービスを望むわけではありませんからね。それだけ業務が多様化し、だからこそ効率化が必要なのですが、一方で情報化という果てしのない“追いかけっこ”はどこかで止めたいとも考えています。
◆というと?
吉野 
三芳町では、これまで住民サービスの向上と行政事務の効率化の観点から情報化へ積極的に取り組んできました。しかし、あまりにも技術革新のスピードが早過ぎて投入効果が出る前にもう次へ投資せざるをえなくなり、常に新たなリスクの対応に追われているのが現状です。どこまでいけば貴重な税金を投入し終わって、安定したIT社会が実現されるのか…。行政の仕事にはある程度のスピードが必要ですが、重要なのは正確で住民が不便なくサービスを受けられることです。合理性や効率性を考えれば、行政が情報資産を持たないという選択肢もあります。ASPがそれを可能にしました。どれだけ技術が進歩しても、行政の仕事の基本は人と人との関わりであり、これが変わることはありません。そろそろ“追いかけっこ”から解放され行政の基本に立ち戻ることが必要ですね。



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