bannertrendnews.gif


市町村合併に伴う円滑なシステム統合のポイント
―CASE1 鳥取県湯梨浜町―
住民一人ひとりが輝き夢ふくらむまちを目指す


湯梨浜町
DATA
住所 鳥取県東伯郡湯梨浜町大字久留19−1
電話 0853-35-3111
面積 77.94平方キロメートル
人口 1万8042名(H16.11月末)
URL  http://www.yurihama.jp
合併日 平成16年10月1日



湯梨浜町総務課選挙行革担当・前田啓嗣参事(左)
湯梨浜町地域振興課合併推進班岩崎正一郎副主幹(右)



◆「湯梨浜【ゆりはま】町」という名称は、とても印象に残りますね。
前田 
東郷湖から湧き出る「温泉」、大地が育くむ「二十世紀梨」、日本海に広がる白い「砂浜」という新町の特色をイメージして名付けられたものです。新しい町名を決めるにあたっては、合併協議会において旧町村の名称は使用しないことを決め、ホームページや広報紙を通じて全国に公募を行いました。そして、1653件の応募の中から地域の特性と音感を基準に5点へ絞り、羽合町、泊村、東郷町への住民アンケートで圧倒的に支持された「湯梨浜町」に決定しました。
◆合併に至った経緯を教えて下さい。
前田 
このほど合併した三つの町村は東郷湖を囲むように位置し、古くから経済・文化・教育・生活面で深く結びついており、行政面でも市町村合併の前から東郷湖の開発やCATV、中学校組合などを共同で展開してきました。しかし、地方分権や少子高齢化社会などの社会環境の変化へ対応するため、平成13年10月1日に合併協議会を設置し、合併に向けて動き始めました。合併までに3年をかけましたが、住民の顔が見える町づくりを目指し“一つひとつ住民と一緒になって考えること”を念頭に置いていたので、じっくり取り組むためにもこれだけの準備期間は必要だったと考えています。

段階的なシステム導入が成功のコツ

◆その準備段階で留意されたのは、どんな点でしょうか。
岩崎 
やはり、情報システムの切り替えですね。合併協議の比較的早い段階で新町の行政情報システムを「TASK .NET」で統合することを決めたので、スムーズに移行する方法を検討する時間が十分にありました。合併当初は、人事異動や組織体制の組み替えなどさまざまな変化がありますよね。そうした中で、システムを一斉に切り替えると混乱するのではないかと心配でした。もし何か不具合が生じれば住民へ迷惑がかかりますから。そこで住民サービスが滞るリスクの回避を第一に検討を重ねた結果、合併半年前に旧東郷町へ他の2町村と同じ「e―TASK」を導入して、予め操作に慣れてもらうことにしたわけです。このように段階的に進めたことで、10月1日の合併日に「TASK .NET」が初稼働した際も、三つの庁舎で同じ業務水準を実現することができました。もちろん、大きな混乱もなく、事前にシステムを導入し、段階的に切り替えたメリットはとても大きかったと思います。また、反省点を挙げるとしたら、ネットワークの構築ですね。どの庁舎でも、住民が従来通りのサービスを受けられるようにするには、庁舎間のネットワーク構築がとても重要です。他の合併団体を見ると、早めの計画策定や職員への告知ができずに最終的にタイトな作業予定となる事例も少なくないので、うちでは早い時期からスケジュールを立てて段取りをしたのですが、結局、ギリギリとなってしまいました(笑)。
◆合併を機に、新たにスタートした行政サービスはありますか。
岩崎 
現段階では、新たに始めたサービスはありませんが、一部で行っていたサービスを全体へ拡げた例として「出産祝い金」があります。旧泊村では第三子以降の出産に祝い金を贈呈しており、合併後この制度をほかの地域へ拡大したものです。ほかの町の住民にとっては、サービス向上につながったのではないでしょうか。一方で、従来は無料で受けられたサービスを合併後に有償としたものもあり、これについては住民から「サービスの低下ではないか」とお叱りを受けました。合併とは、これまで独自にサービスを展開してきた自治体が、ある日を境に一つになるものであり、業務手順やサービス内容などの統一化は情報システムの統合以上に大変です。ただ、合併によってサービスの質が低下することだけはあってはなりません。湯梨浜町では、原則として水道代などは一番安いところに、またサービスの質は一番高いところに合わせるようにしました。そうしたことを総合的に判断してもらえるよう、住民の皆さんの理解を深めているところです。
◆今後、どんな町を目指すのでしょうか。
前田 
以前より、旧羽合町では、国際的な標準規格である「ISO9001」を取得し、業務品質向上に努めてきました。同様に湯梨浜町においても、17年春をめどにISO9001を認証取得の予定で作業を進めています。そうした取り組みはまだ始まったばかりですが、「21世紀、夢がふくらみ一人ひとりが輝くまちづくり」をスローガンに、生活者を重視した一体感あるまちづくりを目指します。



バックナンバーへ戻るspacer新風トップへ