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NEWS1
市町村も他人事ではない
地方税の電子申告がスタート


 平成17年2月から、岐阜県など全国6府県で地方税の電子申告がスタートする。今回、申告データの受付を開始するのは、法人都道府県民税と法人事業税の二つで、18年1月からは法人市町村民税、固定資産税(償却資産)も追加される。
 地方税の電子申告の流れを簡単に説明すると、納税者が地方税ポータルシステム「eLTAX(エルタックス)」へ申告データを送信すると、〈ポータルセンターで申告データおよび電子署名をチェック〉し、申告データはポータルセンターを経由して〈各地方公共団体に設置された審査システムへ配信〉される仕組みとなっている(図)。
 地方税の電子申告は、17年8月には東京都など7都県で、また18年1月から34県と13政令指定都市においてそれぞれ受付を開始し、その他の市町村でも18年1月以降、順次拡大される予定だ。これに向けて今後、市町村では基幹システムと審査システムとの連携部分を整備していくことになる。



対応準備は整っているか?

 さて、全国の税理士・公認会計士9000名で組織されるTKC全国会では、〈電子申告を実践することが「税理士としての社会的使命」を果たすことになる〉との認識から、16年6月より全国展開された国税の電子申告を積極的に推進している。国税庁が発表した「国税の電子申告・納税件数」によれば、8月末現在の電子申告総件数は1万5225件で、このうち法人税の電子申告件数(6337件)の8割にあたる4936件をTKC会員事務所が実施した。TKC全国会は、今後、地方税の電子申告についても積極的に推進する考えで、TKCでは近く地方税に対応した電子申告システムの提供を開始する。
 国税の電子申告件数の数字だけを見ると、全体の申告件数に占める電子申告の利用率はまだわずかなものだ。だが、地方税の電子申告が始まれば、これを活用する納税者数が急増することは間違いない。  市町村の電子申告対応がスタートするのは早くても1年先の話とはいえ、のんびりと構えていてはいけない。国税の電子申告同様、地方税においても納税者が電子申告をする際には、本人証明のための電子証明書が必要となる。1月20日から地方税の電子申告の利用届出の受付が開始されるが、これに伴い市町村窓口では公的個人認証サービスに基づく電子証明書の発行申請が着実に増えることが予想される。
 思い返せば1年前、国税の電子申告が開始した折には、公的個人認証サービスの窓口対応で手間取る市町村が多く、また、先頃発生した一部住民基本台帳カードの不具合でも情報が錯綜したようだが、サービスの混乱が度重なると行政に対する住民の不信感にもつながりかねない。これから本格的に始まる電子自治体の出鼻を挫くようなことがないよう、地方税の電子申告を余所の話と思わずに円滑な窓口対応のための準備をしておくことが肝要だ。


NEWS2
広域災害を想定した分散保管へ
TISCへの視察が急増


 住民基本台帳ネットワークの稼働をピークに減少していたTKCへの視察が、地方議会議員や情報管理部門の職員を中心に再び増加している。その要因の一つは、当社の「安全管理体制」を確認するためで、背景にはヤフーBBなど個人情報漏洩・流出事故が相次いだことが挙げられる。
 そうした市町村のセキュリティー意識の高まりは、総務省の調査からも伺い知ることができる。例えば、セキュリティーポリシーの策定状況を見ると、平成15年10月1日現在で49.6%だったものが、16年7月1日現在では78.1%にまで急増。また、個人情報保護条例の制定でも76.7%が82.8%となり、急速に取り組みが進んだ。
 このような顧客意識の変化に対応すべく、TKC地方公共団体事業部では、個人情報を適切に取り扱う事業者に付与される「プライバシーマーク」を取得。また、電算室とTKCインターネット・サービスセンター(TISC)において、情報セキュリティーマネジメントの国内標準規格である「ISMS認証基準」と国際的な標準規格「BS7799」を同時取得するなどして、これまで管理体制の強化に努めてきた。
 そして、視察が増えたもうひとつの要因が「災害時の対策」だ。地震や台風・水害など広域災害に備えて、住民の個人情報を「いかに保護し、いかに早くシステムを復旧させるか」という観点から、バックアップセンターとしてTISCの利用を検討する市町村が増えているのである。

ネット分散保管が今後の主流に

 市町村が管理する住民の個人情報は、被災者の特定や把握、あるいはライフラインの復旧や地域の復興支援に欠かせない基本的なデータとなる。このため、情報の安全確保と正確かつ迅速な提供は、市町村の責務といえる。
 だが、現状を見ると、市町村で一般的に行われているバックアップは1週間をひとつの単位としてデータを磁気媒体へ記録する方法で、これを庁内で保管していると、万が一、庁舎が倒壊した場合、せっかくのバックアップ・データが役に立たない危険性もある。これを回避するため、磁気媒体を物理的に遠隔地で分散保管する自治体もあるが、その場合には輸送事故による情報の漏えいや紛失のリスクが生じる。
 物理的・技術的の両面において、現在、最も信頼のおける安全管理措置といえるのが、ネットワーク経由でデータを分散保管する方法だ。
 例えば、TISCを活用した「第2次バックアップサービス」は、庁内のサーバ上にあるデータをLGWAN等を介して、最低でも30分単位で遠隔地(TISC)のコンピュータにバックアップするもの。この方式ならば、万一の場合でも即座にデータを復旧し災害対策に役立てることができる。  個人情報保護法の平成17年4月施行に向け、いま内閣府による説明会が全国で実施される一方、経済産業省や総務省など関係府省庁による個人情報の取り扱いに関するガイドラインの作成が進められている。
 市町村においても、今後、個人情報保護の観点から、通信回線を経由した遠隔地におけるバックアップ体制が急速に進むと見られるが、その場合、データの保管方法や保管先センターの十分な検討が欠かせない。ここで選択基準となるのが、第三者の評価機関による適合検査に合格しているかどうかで、最終的には保管先センターへ出向き、データの保管方法や建物構造などを実際にその目で確かめることも必要だ。



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