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特集タイトル


裾野市DATA 住所 静岡県裾野市佐野1059
電話 055-995-1805
面積 138.39平方キロメートル
人口 5万3586名(H17.4月1日現在)
URL  http://www.city.susono.shizuoka.jp/




◆裾野市では、平成14年に、それまでのホストシステムをC/Sシステムへ切り替えられたわけですが、きっかけは何だったのでしょうか。
杉山 
 平成13年に行政情報化計画を策定したのですが、これを検討していた頃は、ちょうどe―Japan戦略や介護保険制度など市町村を取り巻く社会環境が大きく変わろうとする時期にあり、当然、情報化の計画策定においてもこれを意識せざるをえませんでした。しかし、そうした時代の変化へ柔軟に対応するには、既存システムでは運用保守に多大な労力とコストがかかり、また技術的にも電子申請などへの対応が困難であるなどの問題点が顕在化し、これらを解決するためにも、もっと小回りのきくシステムがいいのではないのかと考えたのです。そこで平成14年8月、ホストのリース満了に合わせてすべての業務システムをC/Sシステムへ切り替えました。とはいえ、当時、システムを全面的に見直すのはかなり勇気がいりましたよ(笑)。ホストにはホストの利点がありますし、一方、パソコンは急速な技術革新が進む、いわば過渡期にありましたからね。このため移行にあたっては、原課職員を交えたプロジェクトを発足し、今後の情報システムのあり方を検討するとともに各社システムの利用団体を視察して「業務ごとの処理がどうなっているか」「ホスト処理と比較してどうか」など1年間かけて分析しました。結局、分析を始めてから、すべてのシステムを移行するまでに2年半かかりましたね。

情報システム室が地域情報化の核へ

◆移行によって、具体的にどんな変化がありましたか。
杉山 
以前は、法制度改正のたびに情報システム室の職員は連日残業でシステムの修正作業を行っていましたが、今回、パッケージシステムを採用したので、改正時にはTKCから提供される修正プログラムを適用するだけで済みます。また、昨今、特に個人情報保護への関心が高まっていますが、移行に合わせてそれまでのルールを見直し、データの管理責任を原課においたことで、職員の情報セキュリティの意識付け強化につながったと思います。さらにコスト面では、初年度トータルで1〜2割の削減となりました。削減率が低いのは、その分でプリンターを増やしたり、電子自治体への対応やこれに伴う情報セキュリティ対策など、新たな情報化投資を積極的に進めたためです。改修時の残業代など人件費まで含めれば、かなりの効果があったといえるのではないでしょうか。
◆なるほど。
杉山 
なかで最も大きな変化といえるのが、情報システム室の業務ですね。それまでは5人の職員ですべてのシステムを担当していたため、日々の業務に追われて先のことなどまったく考えられませんでしたが、運用保守の作業から解放されたことで職員への情報セキュリティ教育やシステム管理へ注力できるようになりました。また、職員の視野が庁内から地域へと広がりましたね。平成16年度、行政と市内の小・中学校などとを結ぶ「教育施設等ネットワーク」を整備し、また、17年度には各小・中学校間を結ぶ「学校間ネットワーク」の構築を計画しているのですが、いまや情報システム室はそうした地域情報化推進の中核を担うまでとなっています。やはり行政事務の情報化だけでは、電子自治体の効果を期待できません。地域を構成する住民や企業へ、いかにメリットを享受できるかが重要です。ただ、一概に地域情報化といっても地域によって市民の望むことが異なるため、画一的なサービスを指向してもダメですね。アンケート調査などでニーズを把握し、中長期の視点に立って行政が何をなすべきかをじっくり考えることが必要でしょう。

常にベストな形へ進化し続ける

◆システムの見直しを検討中の市町村へアドバイスをお願いします。
杉山 
電子自治体の実現に向け、情報システムの改革は避けて通れないテーマですが、自治体には、その規模と体力に合ったふさわしいシステムがあると思います。例えば、大規模団体がすべての処理をC/Sシステムで賄うのは困難だと思いますが、裾野市のように人口10万人以下のところでは非常に効率的です。裾野市では2年前に庁内の機構改革を行い、すべての課を廃止して新しく担当業務ごとに7名前後で構成する「室」を設置しました。これは複雑化・多様化する行政サービスを円滑に提供すべく実施したものですが、一度、機構改革をすれば終わりではなく、常にベストな形を模索していくことが大切です。システムも同じですよね。これまでホストで処理をしてきたのは、以前はそれが最良の選択肢だったからですが、時代が変わればシステムのあり方も変わります。もしかしたら5年後、10年後には自治体がサーバシステムを持つこと自体、古い慣習になっているかもしれない…(笑)。安定性や正確性が求められる行政の特性を考えると、安易に新しい物へ飛びつくわけにはいかない事情もありますが、だからこそ「できない」を前提とせず、実現に向けた努力をすることが肝要です。いま盛んに「レガシー改革」といわれていますが、まず改革すべきはそうした“レガシーな考え方”なのではないでしょうか。



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