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LGWANの積極的な活用に向けて
総務省自治行政局地域情報政策室課長補佐
古川牧雄



 総務省自治行政局においては、これまで電子自治体の実現に向け、基盤整備やシステム構築など各種施策を積極的に推進してきたところである。
 その中で、電子自治体の基盤のひとつである総合行政ネットワーク(LGWAN)については、平成13年度に都道府県と政令指定都市が参加する形で運用が開始され、平成14年4月には国の霞が関WANとの相互接続を実現し、その後、平成16年3月から事実上すべての地方公共団体が参加する形で本格的な運用が開始されている。
 LGWANは、全国の地方公共団体の庁内LANを相互に接続し、高度なセキュリティ水準を確保しつつ地方公共団体間の情報流通を可能にした行政専用のネットワークである。また、霞が関WANとも接続していることから、地方公共団体間だけでなく地方公共団体と国の間においても、機密性の高い電子メールや電子公文書の交換を行うことができるようになっている。さらに、LGWANにはこのネットワークに接続する全国の地方公共団体が、LGWANを経由してシステムの共同利用をはじめ、さまざまなアプリケーションサービスを利用することのできるLGWAN―ASPという仕組みがある。
 このようにネットワーク基盤として整備されたLGWANを今後一層、積極的に活用していく必要があり、その中でLGWAN―ASPの利用や国と連携した活用がひとつの重要な施策と考えている。
 そこで本稿では、LGWANの積極的な活用に向けて、LGWAN―ASPの利用と、国におけるLGWAN活用の状況など簡単に紹介したい。
LGWAN―ASPの活用について
 LGWANの積極的な活用には、LGWAN―ASP(図1)が極めて重要である。これを活用することにより、規模の小さな団体も含めて、すべての地方公共団体が品質の高いアプリケーションおよびリソース等を共同利用することができ、多様な行政支援サービスを安価に利用することが可能となる。これにより、地方公共団体間のIT活用に関するデジタルデバイトが解消され、すべての地方公共団体の行政の効率化が促進されることが期待される。


 そのため、現行のASPサービス利用者、ASPサービス提供者の積極的な利活用を促進させる必要がある。ASPサービスの提供拡大によってLGWANの利用範囲はますます拡大され電子自治体の構築に寄与することになるものである。
 LGWAN―ASPについては、その充実が図られてきているところであり、本年4月時点における「アプリケーション及びコンテンツサービス」については80件が公開されている(図2)。そのサービス内容については多岐にわたっており、地方公共団体がそれぞれの実情等に合わせた活用をしていただきたい。なお、サービスリストについては、地方自治情報センターのホームページでご覧ください。


国におけるLGWANの活用について
 国と地方公共団体間においては、それぞれの保有する情報を共有することにより、相互に連携し整合性をもった行政事務を遂行していくことが求められている。霞が関WANとLGWANという、国と地方公共団体との間で情報を共有するために必要となる基盤はそれぞれ整備され、接続された。今後は、霞が関WANとLGWANを活用して、国と地方公共団体との間での情報共有を促進し、行政事務の簡素化・迅速化・効率化を進めることが課題となっている。
 霞が関WANとLGWANの積極的活用については、平成17年2月にIT戦略本部において決定された『IT政策パッケージ2005』においても、〈・・国の行政機関と地方公共団体との間のネットワークについては、原則として霞が関WAN・LGWANを活用することとし・・・〉とされており、電子政府・電子自治体の共通基盤の利活用の推進が謳われている。


 特に、国が地方公共団体に対して実施する調査照会業務においては、重複する調査項目が多数存在し、メディアも統一されていないなど、地方公共団体の負担になっている面もある。また、地方公共団体の職員は異なる調査照会業務で繰り返し同じデータの入力(記入)を強いられることから、過重業務となるほか、データの誤入力(記入)の原因ともなりうる状況にある(図3)。
 このことから、霞が関WANとLGWANという行政専用のネットワーク上にある正確な共通データを相互参照することで、国と地方公共団体の業務負荷を軽減させ、併せて調査照会業務を迅速に実施しその精度を向上させることが必要であり、これを実現することによって行政事務の簡素化・迅速化・効率化が図られるものと考える。
 このような状況の中、経済産業省においては本年4月から、動態統計調査の「新世代統計システム」についてLGWANの活用を始めたところである。また、財務省理財局においても本年6月から「財政融資資金事務オンラインシステム」についてLGWANを活用することになっており、このように各府省における各種システムの霞が関WANとLGWANを活用した運用が今後一層拡大していくものと考えている。



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