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電子申請をコミュニティ・ツールに
市民主役のまちづくりへ挑む
CASE2 静岡県牧之原市


静岡県
牧之原市
DATA
住所 静岡県牧之原市静波447-1
電話 0548-23-0001
面積 111.41平方キロメートル
人口 5万909人(H18.1.31現在)
URL  http://www.city.makinohara.shizuoka.jp/


左:情報発信課 紅林正明参事兼課長
右:総務部財政課管財係 小林大助主査

右:企画部秘書政策課 横山裕之課長補佐兼政策係長
左:企画部情報発信課 小栗弘行課長補佐兼情報企画係長


◆電子申請・手続で、このほど映画のエキストラ募集をされたと伺いました。
横山 
はい。平成13年に公開された映画「ウォーターボーイズ」がこの地域で撮影されたことを契機に、映画やテレビドラマ、CMなどの撮影を誘致するフィルムコミッションが発足されました。これは撮影へ協力することで、ロケに伴う宿泊や食事など直接的経済効果とともに舞台となった地域を全国・世界へアピールしようという取り組みで、牧之原市では商工観光課が中心となって活動を展開しています。今回のエキストラ募集もその活動の一つで、以前は電子メールで受け付けていました。その場合、EXCELなどへデータを入力し直さなければなりませんが、電子申請・手続であれば、受け付けたデータをCSV形式に切り出せるため管理がとても楽になります。そこで今年2月、電子申請・手続サービスをスタートしました。
小林 サービス開始にあたっては、ホームページのトピックス情報へ掲載しただけなのですが、最初の1週間で40件ほど申込みがあり、現在55件となっています。そして先頃、第2弾の電子申請として「協働推進市民フォーラムまきのはら」の参加者募集を開始しました。スタートしたばかりのため申込みは18件ですが、最終的には30件ほどに達すると見込んでいます。

映画のエキストラ募集に55件

◆「協働推進市民フォーラムまきのはら」について教えてください。
紅林 
牧之原市は、昨年10月11日に旧相良町と旧榛原町が対等合併して誕生した市で、解決すべき課題が山積みとなっています。そうした地域の課題解決に向けて、市民やNPO、企業、行政がともに考え一緒に議論していこうというのが「協働推進市民フォーラムまきのはら」で、5月中旬に開設して来年3月末までの活動を予定しています。市民フォーラムでは情報、自治体経営、子育て、健康・福祉、生涯学習、環境、まちの活性化――の7つの課題について討議へ参加してくれる市民を募集しており、このほど郵送、FAX、電子メールに加えて電子申請でも申込みを受け付けることにしました。
◆なるほど。面白い試みですね。
小栗 
市庁舎の玄関を入ると「市民のための市役所」と書かれた紙が張り出されていますが、牧之原市では今後のまちづくりを考える上で「市民のためにどうあるべきか」を判断基準とする方針を打ち出しています。これまで市の事業や政策は行政主導で行われてきましたが、本当に市民のためになっているのか、市民の視点にたった事業なのかが分かりません。そこで市民と行政が一緒に議論できる場を設けようということで、市民と職員総勢90名による準備会を発足し、正式発足に向けた話し合いを進めてきました。今回、スタートする市民フォーラムでは会議への参加のほか電子メールやFAXで意見を寄せたり、アンケートに回答したりする形での参加も可能としており、最終的には数百人の市民に集まっていただきたいと考えています。この点では参加者の募集だけでなく、実際の活動においてもアンケート調査や意見募集などで、電子申請・手続の仕組みを活用できるのではないかと期待しています。

変わる市民と行政の関係

◆ほかにはどのようなサービスを計画されているのでしょうか。
小林 
早急にアップしたいと考えているのは、「スポーツ教室」の登録申込みですね。また、今年4月から毎週水曜日は窓口業務を午後7時まで延長しますが、市民の視点で考えると、こうした窓口延長と合わせて予め住民票などの発行申請をインターネットで受け付けるのも便利なサービスでしょう。また、現状ではホームページ上の申込みシートへ必要事項を記入して送信する仕組みですが、将来的には「添付ファイル」機能の付加も考えています。そうなると電子申請・手続サービスの活用の幅がさらに拡がりますからね。ただ、添付ファイルを受け付けるようになると、コンピュータウイルスへの感染リスクも高まることから、その対策も含めて今後の検討課題といえます。
横山 さらにフィルムコミッションとしては、いずれロケ地の登録受付を実現したいと考えています。映画などの撮影では観光名所ではなく、古い民家や明治時代の橋が使われますが、現状では制作会社のスタッフが撮影に適した場所をあちこち歩き回って探している状況です。そこで、ロケ地に適した場所をデジタルカメラで撮ってライブラリへ登録しておけば、ロケ地の検索が容易になりますからね。
◆市役所へ入った途端、窓口の皆さんから「こんにちは」と声をかけられ驚きましたが、牧之原市では行政のあり方、住民との関係が変わりつつあるんですね。
紅林 
市町村合併を機に、牧之原市では戦略的な行政経営を指向するようになりました。これに伴い今春には組織体制も大幅改変し、情報発信課のほか、監査委員事務局を新設して出納監査や事務執行監査の機能強化を図りました。いずれも市民への情報公開を積極的に推進するための組織ですね。ちなみに監査委員では、「市民目線での厳しいチェック」を期待して事務局長と書記に女性職員を登用した点でも注目されています。電子申請・手続も、そうした行政の経営革新へ向けた取り組みの一つですが、市役所が変わるだけでは市は変わりません。いかにして市民や地域を巻き込めるかが“鍵”ですね。その点、電子申請・手続サービスは従来の申請手続や届出といった枠を超え、市民や地域との“コミュニケーション・ツール”としての活用も期待されるのではないでしょうか。


記者の目
牧之原市では、セキュリティ面を考慮して庁内のクライアントPC400台をインターネットではなくLGWANに接続している。また、現在構想中なのが「市民放送局」だ。インターネットと放送の融合を見据えたもので、ぜひ市民の手で実現したいと話す。他に類を見ない個性的な取り組みから当分、目が離せそうにない。



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