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ITを架け橋に市民満足度向上へ
富士市のサービス改革
CASE2 静岡県富士市


静岡県
富士市
DATA
住所 静岡県富士市永田町1丁目100番地
電話 0545-51-0123
面積 214.10平方キロメートル
人口 24万3362人(H18.5.1現在)
URL  http://www.city.fuji.shizuoka.jp/


総務部情報政策課 情報企画担当
佐野雄二統括主幹
総務部情報政策課 情報企画担当 
小林重義上席主事


◆近く、公的個人認証にも対応した電子申請・届出サービスを開始するそうですね。
佐野 
ええ。富士市では、静岡県電子申請共同運営協議会の共同利用型システムを利用し、来年1月より電子申請・届出サービスを開始する予定で準備を進めています。現在、富士市が実施している申請・届出等手続数は約1200件ありますが、まずは比較的利用ニーズが高い10〜20手続のサービスから提供を予定しています。また、その他の申請手続についても今後の状況を見ながら、段階的に追加していく計画です。しかし、一般的に市民が「住民票」の発行などの申請手続を行う機会は、年に何回もあることではないため、電子申請・届出サービスを開始したからといって、その利用機会が増える訳ではありません。重要なのは利用件数が多いか少ないかではなく、これを使って「市民満足度」へつながる価値あるサービスをどう展開できるかではないでしょうか。電子申請・届出であれば、これに付随するサービス――例えば「どんな時に、どのような申請が必要か」など情報の提供、「申請書のダウンロード」などを充実させることにもオンライン化の価値があると思います。いまやインターネットの普及で、市民のライフスタイルも変わり、当然、行政サービスも変化する市民ニーズへ対応するものだと思います。この点で、市民にとって身近に利用でき、かつ新しい時代の行政サービスを実感してもらえるのが「公共施設案内・予約」であり、富士市でも今年1月からサービスを開始しました。

毎月100件ずつ増えるリピーター

◆サービスの利用状況はいかがですか。
小林 
現在、公民館や各種スポーツ施設など43施設での利用が可能です。アクセス件数も毎月コンスタントに増えており、4月末現在の累計件数は、パソコンからが約8300件、携帯電話からが約900件に達しています。このうち、インターネットから予約・申込を行った利用者は全体の1割を占め、利用者のリピート状況も、3月が約200件、4月が約300件と、ひと月に100件ずつのペースで増えています。特に、富士総合運動公園のテニスコートは利用者に人気で、リピート率も高いですね。
◆なるほど。導入に際して、約1年間の準備期間をとられたと伺いましたが。
佐野 
システム導入の目的は、市民サービスの拡充を図る一方で、施設管理業務の効率化・標準化を促進する狙いもあります。この点、富士市では43施設で一斉にサービスを開始するため、十分な時間をかけて業務を見直すとともに、施設ごとに予約まで行うのか、あるいは空き状況照会までとするのかについて検討しました。例えば、24か所ある公民館については、空き状況の照会までとしています。これは各地域単位の活動拠点であるという公民館の性質上、テニスコートなどのように単純にインターネットから予約できるようにするのはなかなか難しいためですね。
小林 また、富士市では『富士市公の施設の指定管理者制度導入に係る基本指針』に基づき、指定管理者へ管理委託しています。この指定管理者についても、行政が直接運営する公の施設同様に「TKC行政ASP/公共施設案内・予約システム」の利用を開始しています。さらに今秋以降には、2施設でサービスを開始し、その後も市民が利用できる施設については随時システムを導入していく予定です。施設を利用する市民にしてみれば、運営管理者が誰であれ、市内の施設はすべて同じ手順で予約できることが重要ですよね。

取り組んだからこそ見えた課題

◆公共施設案内・予約システム導入前後で、大きく変わった点はありますか。
小林 
運用自体は順調ですが、実際に取り組んだからこそ見えてきた課題点もありますね。一つは、市民へのPRです。他団体に比べて富士市は、携帯電話からのアクセス件数の比率が低いようで、この点はPR不足なのかもしれませんね。いままでも広報誌『広報ふじ』などを通じてPRしてきましたが、継続していかなくてはいけないですね。また、もう一つは条例など、従来の行政のルールが時代にそぐわなくなっていることです。例えば、富士市では申請・許可・承認に際して使用する書類の様式を条例・規則で詳細に規定していますが、これらの規程は“紙”による手続を想定しているため、現状ではインターネットから施設予約をしても、条例などの定めに従って、改めて書類へ記入してもらうという無駄が生じています。これは過渡期だからこその問題点ですが、これを契機にさらに手続を見直すとともに、電子申請・届出サービスが本格的にスタートする前に、とり急ぎ条例等を見直すのか、あるいは新たに行政手続オンライン化条例を制定するのかなど議論をしておく必要がありますね。
◆今後の情報化計画を教えてください。
佐野 
富士市では、今年3月に策定された『富士市情報化計画』の指針にそった施策を展開していく予定です。主な計画には、「電子自治体」の実現に向けて、平成19年には電子決裁システムを財務文書に続き他の公文書にも導入し、事務の効率化、意思決定の迅速化を実現します。また、公共施設案内・予約のように、今後は防災、福祉等さまざまな分野においてもシステムの検討・拡充を図り、オンラインによる市民サービスの一層の充実を目指していきます。これらの計画は〈ITを架け橋とし、市民と行政で築く躍動するまち ふじ〉を基本理念としています。この理念に沿って今後も、より価値ある市民サービスと市民満足度向上につながるような施策を展開していきたいですね。


担当者から
市民が使いこなすには、まだまだハードルが高い電子申請・届出サービスに先駆けて、住民にとって、より身近な公共施設案内・予約サービスを開始し、十分な効果をあげている富士市。市民満足度のさらなる向上を目指す今後の施策から目が離せない。(静岡営業課・坂井)



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