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地域社会に適したサービスの創造へ
鳩ヶ谷市が取り組む行政システム大改革
CASE3 埼玉県鳩ケ谷市


埼玉県
鳩ケ谷市
DATA
住所 埼玉県鳩ヶ谷市三ツ和1-14-3
電話 048-280-1111
面積 6.22平方キロメートル
人口 5万9312人(H18.6.1現在)
URL  http://www.city.hatogaya.saitama.jp/


左:総合政策部総合政策課情報政策担当 望月昌樹課長補佐
右:総合政策部総合政策課情報政策担当 吉谷昌一郎氏


◆鳩ヶ谷市では、電子市役所の実現へ積極的に取り組んでおられます。
望月 
鳩ケ谷市では、福岡県の共通基盤システムを導入して、すでに先行的に内部事務システムの見直しを進め、今年度からは市民サービス面でのシステム拡充を図る計画です。その目的はあくまでも“市民本位のサービスの実現”ですね。特に鳩ヶ谷市は日本で2番目に小さい市で、市内各所から10分ほど歩けば役所へ来ることができる…(笑)。そうした“地の利”を活かして今後も顔の見える行政を大切にしながら、ITの活用でサービスレベルを向上しようというものです。そのためには従来のやり方に固執せず、変えるべきものは大胆に再構築することも厭いませんよ。最終的にはデータ連携による「ワンストップサービス」を実現する仕組みを構築し、これにより市民が「知らないとサービスを受けられない」という行政の現状も解消して、必要な人に最適なサービスをこちらから知らせるという新たな行政スタイルの創造を目指しています。

空き状況の確認も重要なサービスだ

◆今年3月からは、公共施設予約サービスも開始されましたね。
吉谷 
電子市役所の利便性を、いち早く市民へ実感していただくため、市民センターを対象に公共施設予約サービスを開始しました。とはいえ、窓口で料金を払って本予約とするため、まだインターネットからの利用件数はわずかですが、利用者登録や受付など庁内の管理業務はすべてASPのシステムへ切り替えました。今後、段階的に利用可能な施設を増やし、テニスコートや野球場など市民に身近な施設についてはインターネットから予約できるようにします。現在の利用状況を見ていると、インターネットであらかじめ施設の空き状況を確認した上で、直接窓口へ申込みに来る住民も多いですね。
◆他団体でも、携帯電話からの空き状況照会が圧倒的に多いと聞きました。
望月 
そうでしょうね。行政側の思惑とは別に、市民は必ずしも予約だけにサービス価値を求めているわけではないようです。いまでも、小学校などへ子供を送るついでにテニスコートが空いているかどうか確認に来るお母さんたちが多いそうで、こうした人たちにとっては、携帯電話から空き状況を確認できるだけでも便利なサービスなんですね。そこで各施設で早急にサービスを開始してもらうため、今年3月、IT推進会議において『鳩ヶ谷市施設予約システム運用方針』を定めました。この方針では〈将来的には、近隣市の施設を含めた地域での施設予約や電子マネーでの支払いといった、より市民に便利な運用を引き続き検討する〉ことも掲げています。まだ、具体的な話があるわけではありませんが、県南5市(川口市、鳩ヶ谷市、戸田市、蕨市、草加市)のまちづくり協議会では以前から施設の相互利用を進めており、地域連携の基盤はありますからね。市内外を問わず、どこでも同じ手続方法で施設予約ができることは、利用者の安心感につながります。皆さんあまり気にされませんが、これは意外と重要なことで、マイクロソフトのWindowsが世界中に広まった理由もそうですし、ASPや共同利用の価値もそこにあると考えています。これによりサービスの付加価値がさらに高まるため、ぜひ実現したいですね。

「変わるもの」と「変わらないもの」

◆アクションプランでは、電子申請・手続サービスを随時拡充する計画です。
望月 
すでに庁内でできる準備は着々と進めています。よく「形が整ってから電子自治体を構築すればいい」という意見を聞きますが、それでは遅い。これまで本人確認といえば一般に住民票が利用されてきました。免許証も発行時の本人確認は住民票ですが、インターネット上での取り引きで、住民票を求められることはありません。クレジットカードだけでOKですよね。つまり、いまや行政の情報を必要としなくても暮らせる社会が形成されつつあるわけです。市民の生活スタイルや社会構造が新しい世界へシフトするのであれば、行政のサービス体系もこの変化へ対応しなければなりません。いまのうちから入念に準備を整えておき、いざという時には一気に電子市役所へ移行できることが、行政の競争力となるでしょう。まさに「ITガバナンス」(編集部注/ITを導入・活用するにあたって目的や戦略を明確に設定し、理想とする仕組みを組織のなかに確立すること)ですよね。
◆なるほど。
望月 
その点では、システムを庁内で持つより、ASPのようなサービスを有効利用するのが本来の姿だと思いますね。行政の役割は、市民の安心・安全な暮らしのために最適なサービスでサポートすることであり、これは永遠に変わりません。市民が市役所を訪れることなど、年に何回もあることではありませんが、だからこそ満足して帰っていただきたい。行政にとっては日々繰り返している業務の一つに過ぎなくても、市民には1回のやりとりがすべてなんです。ITは確かに事務の効率化・簡素化を実現し、市民の時間も節約しますが、相手に感動を与えることができるのは“ひと”です。ITは魔法ではないし、業務の標準化はあっても、サービスの標準化はありえませんよね。どんな電子自治体を目指していくのかは、誰かに聞けば教えてくれるものではありません。だからこそ、市民のニーズや地域特性に合わせて自分たちの目標を明確に定め、適切な道具を選ぶことが大切なのだと思います。行政の命運は、優れたサービスを提供できる仕組みをいかに整えられるかで決まるといっても過言ではないでしょうね。


担当者から
鳩ヶ谷市殿は、電算に関するさまざまな新技術へ次々と挑戦されてきた自治体です。基幹系システムにおける長年の関係もありましたが、弊社のASPシステムの利点について、いち早くご評価いただいたのも鳩ヶ谷市殿でした。強い期待をもって公共施設案内・予約システムを採用され、いまでは実務家の視点からご指導いただいています。(埼玉営業課・武井)



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