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 市町村税の電子申告については、平成18年1月から13の政令指定都市でサービスを開始しました。また、今年度中のサービス開始を目指して、静岡市と堺市、さらに一般市では全国で初めてとなる相模原市の3市が準備を進めています。
 地方税の特性上、納税者や税理士・税理士法人は、複数の自治体に申告する必要がありますが、現状、地方税ポータルシステム(エルタックス)を通じて電子申告を行うことができるのは、全都道府県と13政令指定都市に限られています。
 利用者(納税者・税理士等)の利便性の向上のためには、全国のどこの市区町村に対してもエルタックスを通じて一括して申告できる状況が望ましく、利用者からも強い要望が寄せられています。
 協議会では市区町村への普及・拡大を最重要課題として取り組んでおり、平成17年9月から順次「エルタックス全国市区町村説明会」を開催し、市区町村の税務担当者および情報政策担当者の皆さんにエルタックスの概要などを説明しています。本稿では、特に説明会に参加する機会のない「幹部職員」や「議会関係者」、「税務担当および情報政策担当以外の職員」などの皆さんにもエルタックスを知っていただくため、Q&A形式で基本的な事項を説明するものです。
 詳細は、エルタックスのホームページ(www.eltax.jp/)をご覧ください。


 地方税電子化協議会は、地方税に係る電算システムの共同開発・共同運用を実施するため、平成15年8月に設立(会長:石井正弘岡山県知事)されました。
 しかし、地方税の電子化という事業の重要性、高い公共性に鑑み、より安定性、永続性、信頼性のある組織とする必要があるため、平成18年4月から組織を社団法人化しました(図1)


 なお、平成18年9月現在の当協議会の会員は、47都道府県および15政令指定都市、秋田市、相模原市の合計64団体となっています。


 平成18年9月末現在で、利用届出は3万1738件、また実際の申告は2万7211件となっています(図2)


 図の通り、電子申告件数の増加のペースは時間の経過とともに上がってきています。これは、各自治体の広報活動などによりエルタックスの認知度が高まってきたこともありますが、何と言っても運用団体が増加したことにより利便性が向上したことが背景にあると思われます。
 今後、参加市区町村が増加すればするほど利用ニーズが高まり、加速度的に申告件数が増加することが予想されます。


 納税者には、大きく分けて次の4つのメリットがあります。
1.インターネットで、オフィスや自宅から簡単に申告できます。また、税理士・税理士法人が代理人として手続きを行うこともできます。
2.エルタックスに参加している自治体への申告であれば、複数の自治体への申告がまとめて一度にできます。また、どの自治体に対しても、同じ操作方法で手続きができます。
3.自動入力や自動計算など、さまざまなサポート機能により、スムーズに申告書が作成できるように配慮しています。
4.エルタックスに対応した市販の税務・会計ソフトであれば、作ったデータがそのまま地方税の電子申告に使えます。

 以上のうち、特に2は地方税の電子申告特有のものであり、国税の電子申告にはないメリットがあると考えます。


 自治体には、主に次の3つで大きなメリットがあります。
1.コスト面
 現在、紙ベースの課税資料を電算処理するため、外部委託業者によるデータ化(パンチ入力)が行われています。
 例えば、「給与支払報告書」(第2次システム開発で機能追加)で試算すると、人口30万人の市ではパンチ処理費用の年間約750万円(業者委託費・1枚当たり50円、対象者・人口比50%で試算)に加えて、人件費などの事務処理コストがかかっています。電子申告の導入により、これらの経費を削減することができます。
2.セキュリティ面
 外部委託業者などが給与支払報告書など紙ベースの課税資料を紛失し、「個人情報漏えい事件」として問題となるケースが発生しています。
 この点、電子申告であれば原本は電子データとなり、紙ベースでの書類のやりとりがなくなるため、漏えい・紛失のリスクが低減されます。また、電子データ自体は、全国の自治体による共同開発・共同運用の利点を生かして厳重なセキュリティ対策を施したサーバにより、集中管理を行っています。
3.開発・運用面
 全国の自治体が共同で開発・運用を行っていますので、一自治体当たりでは小さな負担で、エルタックスの提供する多彩な機能を導入することができます。
 また、ポータルセンタ(全国の共同受付センタ)の運営、税制改正時のプログラム修正、利用者への操作方法のサポートなどは、協議会において一括して行いますので、各自治体における負担は相当軽減されます。


 エルタックスの導入に際しては、各自治体において、審査システム(ポータルセンタで受け付けた申告データなどを受信して審査などを行うシステム)の構築・運用が必要となります。
 実際の審査システムの導入形態には、「各自治体が単独で設置する方法」と「複数の自治体が共同で設置する方法」があります。市区町村で導入される場合は、一自治体当たりの経費を抑えることができる「共同設置」の方法を推奨しています(詳細は前述の「エルタックス全国市区町村説明会」の資料などを参照)。
 共同設置で導入される場合の概ねの作業項目は、(1)事前検討、(2)プロジェクト立ち上げ、(3)予算措置、(4)要件定義(運転時間や性能等)、(5)当協議会への入会手続き、(6)審査システムの調達、(7)設計、(8)システム構築(各種サーバやネットワーク機器のセットアップ、回線工事など)、(9)試験・導入準備(操作研修など)となります。
 都道府県、政令指定都市の導入スケジュール(すべての自治体が単独設置で導入)を基に、参考となるスケジュールを紹介しますと、(6)から(9)までで概ね10か月程度、そのうち(9)のみで概ね3か月程度となります。


 エルタックスの機能追加(第2次システム開発)については、平成20年1月のサービス開始をめどに、 図3に列挙した対象業務について開発することが決定しています。




 当協議会では、参加市区町村の拡大、機能追加(第2次システム開発)と併せて、電子署名の簡素化についても重要課題として検討しています。
 なお、このことは国税においても検討が進められており、本年3月に策定・公表された「オンライン利用促進のための行動計画」では「代理人による申請の場合の納税者本人の電子署名について、税理士会と協議し、一定の要件のもとに省略を検討する」旨の記載がされています。
 エルタックスの利用者は、国税電子申告・納税システム(イータックス)の利用者と重なることから、国税の動向や国の政策との整合性を勘案し、利用者の利便性を考慮した対応を行うべく検討を進めています。



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