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第1回 
納税者のサービス利用意向は?
社団法人地方税電子化協議会 システム担当課長 小田昭文


地方税の電子申告が、平成19年1月から、いよいよ政令指定都市以外でもサービスが開始される予定で、市区町村からの関心もにわかに高まってきました。平成21年のサービス開始を目標としても、そろそろ準備を始めないと間に合わなくなります。そこで、本号より連載でエルタックス導入を検討する際に参考となる、さまざまな話題を提供します。


 地方税ポータルシステム(エルタックス)には、複数の自治体への申告をまとめて一度に行うことができるという、大きなメリットがあります。しかし、平成18年12月現在の運用団体は、47都道府県および13の政令指定都市のみとなっており、その大きなメリットを生かしきれていません。
 一方、市区町村からは「現在、稼働している税目(法人市町村民税・固定資産税(償却資産))では、エルタックスを導入するメリットが少ない」という意見もいただいています。そこで、平成18年7月の理事会において、「給与支払報告書の電子化」などの機能追加(第二次システム開発)を平成20年1月のサービス開始を目途に行うことが決定されました。
 第二次システムのサービス開始(平成20年1月)と同時に、エルタックスを導入するべく検討を進めている市区町村もあると思いますが、これから本格的な検討に着手する市区町村にとっては、その次の平成21年1月がひとつのターゲットになると思われます。「平成21年1月のサービス開始」から逆算すると、平成19年の夏に予算要求をする必要があり、そのためにはそろそろ検討に着手しても決して早すぎるということはありません。


利用者アンケートの実施結果

 地方税電子化協議会では、平成 18年8月14日から9月29日まで、エルタックスのホームページ(http://www.eltax.jp)上で利用者アンケートを実施しました。
 実施期間中に1832人(個人納税者109人、法人納税者171人、税理士等1552人)から回答が寄せられました。
 このアンケート中、「今後、地方税電子申告に望むことはなんですか?」という質問に対し、74%(複数回答)の方から「利用可能団体(市区町村)の拡大」と回答が寄せられました。図1を見ても分かる通り、「利用可能団体(市区町村)の拡大」は、「電子署名の簡素化」や「税額控除等の優遇措置」を上回って最も高い要望事項となっており、ここから納税者の「利用できる自治体が制限されていることへの不満」と「潜在的な需要の高さ」を伺い知ることができます。
 また、自由意見欄には、「○○市で早急に対応して欲しい」など、具体的な市区町村名を挙げた要望も多数寄せられました。こうした納税者・税理士等の“生の声”は、可能な限り尊重する必要があると考えます。
 次に、「今後、地方税電子申告を利用したいと思いますか?」の質問に対しては、全体の83%の方が「利用したい」または「どちらかといえば利用したい」と積極的な利用意向を示しています。特に、「電子申告を経験したことがある」という方に限って見ると、96%が「利用したい」または「どちらかといえば利用したい」と回答しています(図2)
 このように、エルタックスを利用したことがある回答者ほど、今後の利用意向が高い傾向が示されました。なお、アンケート結果の報告書は、エルタックスのホームページ上で公開しています。


日本税理士会連合会からの要望

 日本税理士会連合会は、平成18年10月31日付で、政府のIT戦略本部電子政府評価委員会に宛てて「オンライン利用促進に関する要望について」を提出しました。
 要望書では「市町村への普及拡大」についても触れており、これを見ると〈利用者の立場からすると、法人の申告において国・都道府県・市町村に対し同時に電子申告できなければ、電子化のメリットを享受できたという実感はない。特に遠隔地の市町村であればあるほど電子申告のメリットは大きいのにも拘らず、現在それとは程遠い状況であるのが実情である。ついては、政令指定都市のみではなく、全国の市町村において地方税の電子申告が行えるよう早急に整備を図られたい。〉と記載されています。
 地方税の場合、納税者の申告先は複数の自治体にまたがるため、参加市区町村が増加すればするほど利便性が向上し、加速度的に電子申告件数が増加することも予想されます。専門家として税の実務にたずさわる税理士の皆さんから、このような要望書が政府に提出されていることを市区町村としても重く受け止める必要があるのではないでしょうか。
 なお、本要望書の全文は、IT戦略本部のホームページ(電子政府評価委員会第4回会合・平成18年11月6日・資料3ー2)で公開されています。



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