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市民起点で推進する
魚沼市の魅力溢れるまちづくり
CASE1 新潟県魚沼市


新潟県
魚沼市
DATA
住所 新潟県魚沼市小出島130-1
電話 025-792-1000
面積 946.93平方キロメートル
人口 4万3512人(H19.1.1現在)
URL  http://www.city.uonuma.niigata.jp/


写真左から:総務課・小島克朗課長、総務課人事給与係・坂大 昇主任、企画課・大島良一課長補佐、総務課人事給与係・青木 悟係長


◆平成16年11月、当時としては最大級の6町村が1つになって誕生した魚沼市ですが、合併直前に発生した新潟県中越大震災では大きな被害も受けられました。
小島 
新潟県中越大震災は、危機管理体制の充実や自主防災組織の育成をはじめ、新しいまちづくりへ多くの教訓と課題をもたらしました。特に、住民同士の助け合いによって避難など初動対応が適切に行われ被害拡大を防いだことは、地域コミュニティの重要性を再認識させられるものでしたね。市としても震災を機に地域全体へ防災無線を設備したほか、震災復興を市の総合計画の柱に据え、現在、豪雪災害なども視野に入れた「災害に強いまち」へ向けた防災対策の充実に取り組んでいるところです。
◆その一方で、『日経BPガバメントテクノロジー』のITガバナンス体制に関する調査において「AAA」と評価されるなど、情報化も積極的に推進されています。
大島 
情報化を推進したきっかけは、やはり市町村合併でしたね。6町村ごとに業務プロセスや考え方などが異なっていたため、できるだけ多くの業務を情報化することで統一化を図ろうと考えたものです。その点では、住民サービスを一律に保つための“手段”として情報化を推進し、その結果として行政事務の効率化・簡素化につながったといえるでしょう。

法定調書の電子申告を実施

◆今年1月には「法定調書の電子申告」を実施し、地方公共団体のモデルケースとしても注目されています。
青木 
今回、電子申告を実施したのは、市職員(臨時職員等含む)および市議会議員約1760名の「給与所得の源泉徴収票」と弁護士や税理士、社会保険労務士など約700名への「報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書」など4種類の法定調書です。また、取り組んだ理由は2つです。第一に国が「電子申請・届出等手続き」の利用促進を図っており、魚沼市としても率先して電子申告を行うことで住民や地域企業へPRしようと考えました。第二には、すでに給与や報酬等の情報をシステムで管理していたこともあって、電子申告によって一層の効率化が期待できると考えたためです。
◆準備作業について教えてください。
坂大 
昨年12月上旬から正味1か月で、(1)カードリーダーなど必要機器の手配・調整、(2)「国税電子申告・納税システム(e―Tax)」を介し「利用開始(変更)届出」の提出、(3)「利用者識別番号」、地方公共団体組織認証基盤(LGPKI)の「電子証明書(首長の職責証明書)」の取得、(4)「e―Tax」への事前登録、(5)「電子証明書(首長の職責証明書)」による電子署名のテスト――などを行いました。また併行して、土地の使用料など従来はシステムで管理していなかったものも、TKCの「e―TAX法定調書電子申告システム」に読み込めるようエクセルでデータを作成しました。
◆実際に体験されたご感想は?
坂大 
今回は法定調書だけでしたが、業務の効率化・簡素化の効果は期待できると思います。今年は万一の場合を考慮して、土地の使用料などは“紙”でも準備しましたが、電子申告ならば紙の無駄が解消されます。また、取り組みを通じて原課の作業やデータ形式が標準化されたことで、総務課では支払調書を数える、支払額を集計するといった作業が確実に軽減しました。
◆住民向けのオンラインサービスへの取り組み状況はいかがですか。
青木 
今年からTKCの「かんたん申請・申込システム」を活用し、インターネットからも国際雪合戦大会への参加手続きが行えるようにしました。特に遠方の参加者などは、ホームページ上で開催日等の確認から参加申込みまでできれば便利ですからね。

情報共有で「新しい公共空間」の形成へ

大島 また、住民向けの新サービス提供を視野に現在、GISの整備を進めています。本年度は、基本となる大縮尺地形図のデータ化をほぼ終えて、道路台帳や固定資産といった個別システムの構築に着手しました。来年度は引続き個別システムの構築を進めるほか、どの様な形でサービスが提供できるか検討を開始する予定です。
◆新潟県は、『住民自治の充実に向けた取組について』という資料のなかで「立案の起点を市民に置いている点で、魚沼市の取り組みは注目に値する」と絶賛しています。
小島 
魚沼市では、合併協議の当初から「市民参加の行政を推進する」という明確な目的を掲げ、時間をかけて議論を重ねてきた経緯があります。そのため新市将来構想も住民による委員会で検討した案をベースに策定しており、この組織が発展して現在ではNPO法人となるなど、まちづくりへの市民参加も少しずつ進んできました。また、“魚沼市ならでは”の取り組みとして、毎月2回、市長と課長クラスの職員4〜5名が市民と膝をつき合わせて議論を行っています。毎回どんな質問が飛び出すのか分からず、叱られることも多いので職員は緊張しますよ(笑)。でも、いい刺激ですね。これまで公共的サービスは行政が提供してきましたが、今後は住民や企業、NPOなどさまざまな主体がサービスを担う多元的な仕組みの整備が必要だと考えています。そうした地域の力を結集した“新しい公共空間”を創るためにも、新たな視点にたった行政改革が欠かせませんからね。
大島 合併協議から始まって、「市民参加」「市民との協働」へと取り組んできましたが、市民との情報共有は極めて重要です。厳しい財政状況、地域の社会的問題の増大など課題は山積みですが、そうした状況のなかにあって市民と行政が危機感を共有し、力を合わせて今後も“魚沼らしさ”“魚沼ならでは”の地域運営を目指していきたいものですね。


担当者から
魚沼市を激震が襲った時、偶然、私も庁舎内に居合わせました。停電のなか避難住民の安全確保のため、夜通し献身的に対応された職員の皆さんの姿がいまでも思い出されます。ITガバナンス体制の高評価に至った背景には、そうした住民を第一に考える魚沼市の基本姿勢があったのではないでしょうか。(長山)



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