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第3回 
給与支払報告書、電子化のメリット
社団法人地方税電子化協議会 システム担当課長 小田昭文


地方税ポータルシステム(エルタックス)は、「納税者の利便性の向上」と「自治体の税務事務の効率化」を目的としています。
そこで本号では、第二次システム開発の目玉として市区町村からも注目されている「給与支払報告書」に焦点を当て、その電子化(平成20年1月サービス開始予定)に係る、利用者および市区町村双方のメリットを紹介します。


給与支払報告書の事務省力効果

 本格的な税源移譲が平成19年度から実施されることにより、地方税の役割と自治体の責任がますます大きくなります。加えて昨今では地方税、特に個人住民税の滞納額が多いことが問題になっていますが、地方分権の推進、税負担の公平性の観点からも、滞納を圧縮し税収確保を図る必要があります。
 今後、電子申告を導入することによって、業務量およびコストの削減を図り、マンパワーを滞納対策などへ集中させることも考えられるでしょう。
 そこで、地方税電子化協議会では、一定条件の市区町村を想定し、「電子化によりどれぐらい税務事務が効率化されるのか」「給与支払報告書を電子化によりどれくらいコスト削減につながるのか」を試算しました。
 なお、試算に当たっての基礎数値は、標準的な値として想定した数値を使用していますので、各市区町村の実情に応じて調整してください。
1.試算の前提条件
(1)人口 30万人
(2)提出件数に係る人口比率 50%
(3)1件当たりのパンチ処理委託経費 50円
(4)1時間当たりの給与単価 2000円
(5)1時間当たりの事務処理件数 70件
2.試算結果(図参照)
 電子申告率が50%()の場合、パンチ処理委託コストおよび事務処理コストは592万5000円(50%)削減されます。これは、給与支払報告書が電子申告(電子データで提出)されることにより、パンチ処理委託事務および窓口受付、分類、点検、整理などの内部事務が不要になるためです。
※「IT新改革戦略」における、平成22年度までのオンライン利用率目標値で試算


利用者のメリット

 次世代電子商取引推進協議会(会長・後藤卓也花王株式会社取締役会長)から、平成18年3月に『企業の行政関連手続き軽減策の提案』と題する報告書が公表されています。
 本報告書には、〈特に税金関係(年末調整や住民税等のための給与支払報告書など)については、―中略―毎年、全ての従業員について、居住する自治体ごとの書類様式で作成し、仕分けて郵送する必要があるなど、多くの労力を必要としている。〉と記載されています。
 また、本報告書に掲載されている、企業の従業員関係手続きの担当者(1050社)に対するアンケート結果では、〈総務・人事を担う職員が、職員の給与支払い報告書を提出する自治体の単純平均は、9.22団体となる。〉とされています。
 このことからも、給与支払報告書が電子化され、かつ、提出先の市区町村すべてに対して、エルタックスを通じて一括で提出できるという状況になれば、企業に非常に大きなメリットがあるといえるでしょう。

20年1月、サービス開始予定

 給与支払報告書の電子化は、企業のコスト削減および利便性の向上に資するものであり、また、試算結果の通り市区町村においてもメリットが大きいことから、第二次システム開発(平成20年1月サービス開始予定)の目玉として位置づけられています。
 先述のアンケート結果を見ても分かるように、一つの企業が、複数の市区町村に給与支払報告書を提出することは少なくありません。そのため、エルタックスを導入する市区町村が増えれば増えるほど、複数の自治体への提出をまとめて行えるというエルタックスのメリットが発揮されます。これにより飛躍的に利用率が向上し、ひいては利用者、市区町村の双方がメリットを享受できるものと確信しています。
 一つでも多くの市区町村が早期にエルタックスを導入し、最終的には全市区町村の加入により、全国どこの市区町村に対してもエルタックスを通じて一括で提出できるという状況になることを願っています。

*筆者役職は3月末日現在のものです



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