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 本格的な人口減少社会の到来へ向け、税制面でも少子高齢化を踏まえた抜本的改革が始まりました。その一つの動きが「公的年金からの特別徴収」です。
 平成12年に始まった介護保険料のほか、「医療制度改革法」(平成18年成立)において、平成20年4月から医療保険料(国民健康保険、後期高齢者医療)が特別徴収の対象となることが決定しました。また、『平成19年度税制改正大綱』では、個人住民税の特別徴収についても平成21年度をめどに導入できるよう準備を進めるとされています。
 すでに実施されている介護保険料の場合、特別徴収は年金保険者(社会保険庁等)が年金受給者に支給される年金から介護保険料を天引きし市町村へ納入します。社会保険庁によれば、特別徴収による徴収率が100パーセントに対して、普通徴収は90.2%(16年度実績)に止まっています。
 このように公的年金からの特別徴収は、年金支給時点で納入が完了するため自治体の収納事務の効率化が可能となり、また納税者にとっても納付のために金融機関や市町村窓口へ出向かずに済むというメリットがあります。さらに、「公平負担の原則」の点からも、特別徴収制度は最も有効な収納方法といえるでしょう。


部局の枠超え、早めの対応を

 さて、国民健康保険料(税)の特別徴収の概要と事務手続きは以下の通りです。
1.年金保険者から市町村へ、特別徴収対象者(65歳以上で年額18万円以上の年金を受給している者)のデータ送付
2.市町村では、国保被保険者データ(世帯内の国保被保険者全員が65歳以上75歳未満の世帯の普通世帯主)と年金保険者からのデータを突合させ、合致した者を特別徴収対象者候補として抽出
3.対象者候補について国保料(税)の徴収額を算定し、介護保険料との合計が年金額の2分の1を超えないことを確認
4.特別徴収対象者を決定し、特別徴収依頼情報を作成して年金保険者へ通知

 このような手続きによって、国保担当部局には、新たな事務処理として年金保険者との情報交換(データ連携)で、年次処理と月次処理が発生します。また、国保の特別徴収対象の条件判定のために介護保険料の特別徴収額情報が必要になることから、介護保険部局との連携も欠かせません。さらに、特別徴収の中止や徴収額を変更する場合、これを見越して賦課更正処理の算定を行いますが、もしも予定徴収月から変更・中止が実施されなければ再度、更正処理が必要など、業務処理はいま以上に煩雑になります。
 公的年金からの特別徴収の対象は、今後ますます拡大すると想定されることから、旧来の“タテ割”意識を排除し、組織全体として業務の最適化を実現するシステム対応・改修を検討するなど、早めの対策が望まれます。



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