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電子自治体ベストプラクティス事例団体
次世代へつなぐまちづくりを目指して
和歌山県紀美野町総務課係長
田中英明



 紀美野町は、和歌山県北部に位置し、平成18年1月1日に野上町と美里町が合併してできた新しい町です。この度、『電子自治体ベストプラクティス事例集』(財団法人地方自治情報センター制作)で、当町のセキュリティを重視した業務ネットワークをご紹介いただきました。これは、住民の方から預かっている個人情報を含む「業務情報」を、システムから持ち出せないようにする目的で構築したもので、今後の電子自治体の基盤となるネットワークです。
 当町の情報セキュリティに関する取り組みは、平成15年度に旧2町が和歌山県自治体セキュリティ対策協議会設立へ参加したことに始まります。ここで、情報セキュリティポリシー策定、職員研修の事業を行いました。しかし、現場での業務では、パソコンやインターネットを活用することが優先され、業務ネットワークを対象とした情報セキュリティの取り組みは十分なものではありませんでした。ところが、合併協議会の電算部会における電算システム統合作業の話し合いのなかで、情報セキュリティの重視の方針が決定され、新町システムは情報セキュリティ技術を組み込んだ業務ネットワークを構築することになりました。
 構築には、情報セキュリティの専門家であり、和歌山県自治体セキュリティ対策協議会の業務支援団体でもある県内のNPO団体にアドバイザーとして参加してもらい、特定のベンダーに偏らないセキュリティ技術のアドバイスを受けました。
 その結果、(1)ICカード利用による利用者の限定、(2)構内LAN通信の暗号化、(3)パソコンで作ったデータは必ず電算室内のファイルサーバに保存――というセキュリティを強化した仕組みを構築しました。また、業務ネットワークとインターネットとを分離し、職員はICカードによってそれぞれの接続を切り替えることで、セキュリティ強化を図りました。運用を始めて約2年経ち、かなり安定していますが、使い勝手にいくつか課題もあるため、これらの改善を図る予定です。
 情報セキュリティの運用面では内部監査にも力を入れており、前述の和歌山県自治体セキュリティ対策協議会で研修に参加し、技術の取得に努めています。当町の情報セキュリティは技術面でも、運用面でもまだ始まったばかりですが、PDCAサイクルにより一層のセキュリティ向上を図りたいと思います。
 当町では平成19年3月に『第1次紀美野町長期総合計画』を策定し、今後、住民ニーズが高く、費用対効果の高い分野を対象に電子自治体の構築を推進していく計画です。ただし、単独で構築するのではなく、システム共同化での構築を検討しています。
 それ以外にも、「地上デジタル放送難視聴」「携帯電話の地域不感」「超高速ブロードバンドの地域格差是正」等、さまざまな課題を抱えています。時間はかかるかもしれませんが、一歩一歩進めていく予定です。



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