電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【連載】

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第7回
給与支払報告書の電子化(2)
社団法人地方税電子化協議会 システム推進課長 笹原 務

これまでにもご紹介してきた「給与支払報告書(以下、給報)」の提出受付が、1月15日から開始されます。今回は実際の利用方法を見ながら、給報電子化のイメージをつかんでいただきたいと思います。

提出までの準備作業

 現在、サービスが開始されているほかの税目と同様に、給報の提出に先立ち、エルタックスのホームページから利用届出の手続きを行い、利用者IDを取得する必要があります。ただし、すでに利用者IDを取得されている方は、そのままお使いいただけます。
 なお、給報を提出する市町村が複数ある場合には、提出するすべての市町村を、PCdesk等のエルタックス対応ソフトから「提出先」として追加する必要があります。
 また、公的個人認証などの電子証明書も必要となりますが、税理士が代理人として提出する場合には、税理士の電子証明書のみで、提出義務者の電子証明書は必要ありません。

給報の作成方法

 給報の作成にあたっては、「PCdeskを利用する方法」とエルタックス対応の「市販税務会計ソフトで作成・送信する方法」があります。後者の場合、ソフトにより操作方法などが異なることから、ここでは「PCdeskを利用する方法」をご紹介します。その場合、大きく分けて、(1)1人分ずつ手入力で作成する方法、(2)CSVファイルを利用する方法、(3)XML形式のファイルを利用する方法、の三つがあります。
 以下にそれぞれのポイントについて説明します。
1.1人分ずつ手入力で作成する
 これまで通り、ほかの税目で申告書を作成する方法とほぼ同様の流れで作成します。具体的には、総括表を「本表」、個別明細書を「別表」として、様式イメージの入力画面で作成します。ほかの税目の場合と異なる点は、事前準備としてPCdeskの「特別徴収義務者情報登録」で給与支払者の名称・所在地などの情報を登録する必要があることです。
2.CSVファイルを利用
 PCdeskでは、CSVファイルを取り込んで「1」と同様に申告データを作成することが可能です。PCdeskで取り込むことができるCSVファイルのレイアウトについては、エルタックスのホームページで公開しています。
 エルタックス対応の市販の税務会計・給与計算ソフトなどには、このレイアウトに対応したCSVファイルを出力できるものもあります。これらのソフトを利用している場合には、入力した給与データを活用することが可能となります。
 また、実際にCSVファイルを取り込む場合は、「1」と同様にPCdeskで「特別徴収義務者情報登録」を行った後にCSVファイルを取り込みます。なお、CSVファイルとして取り込んだ給報の申告データは、PCdesk上で内容を確認できますが、修正することはできません。内容の修正が必要な場合には、CSVファイルを修正して、再度PCdeskへ取り込むことになります。
3.XML形式ファイルを利用
 エルタックス対応の市販税務会計ソフトには、XML形式の申告データのファイル出力に対応したものがあります。この場合は、従来から提供しているほかの税目の申告データをXML形式で取り込む手順と同じです。
 このようにPCdesk上で、それぞれの方法で給報の申告データを作成した後、申告データに電子署名を行って送信することになります。


複数市町村への電子申告

 PCdeskで取り込むCSVファイルは、提出先市町村ごとに作成する必要はありません。
 市販税務会計ソフト等から従業員全員分のデータをCSVファイルとして出力し、それをPCdeskで取り込んだ場合には、電子申告ができる市町村分のみ、給報の申告データを作成します。なお、申告データ自体は、提出先団体ごとに作成されるため、それぞれに対し電子署名を行い、送信する必要があります。また、作成対象外のデータについては、別途CSVファイルとして出力することが可能です。

磁気ディスク提出との互換性

 PCdeskに取り込めるCSVファイルのレイアウトは、従来の磁気ディスク等での給報提出に関する総務省通達・通知をベースとしています。そのため、これまで市町村へ磁気ディスク等で提出していたCSVデータをそのままPCdeskへ取り込み、利用できるケースも多いと想定されます。
 しかし、(1)エルタックスの仕様が総務省通達・通知とコードの一部で異なっている部分がある、(2)各市町村が受け付けていた磁気ディスク等のCSVファイルの仕様形式が総務省通達・通知と一致していない可能性がある――点から、そのままのファイルを利用できるかどうか、一度確認が必要です。
 詳細については、ホームページで公開している「CSVレイアウト仕様書」をご確認ください。
 エルタックスでは、1月15日から、給報のほかにも特別徴収の手続き全般、事業所税の申告(貸付申告を含む)を開始しました。事業所税の貸付申告書については、給報と同様にCSVファイルを利用した申告書作成が可能です。また、このほど秋田市と和歌山県田辺市が新たにエルタックスへ参加し、電子申告ができるようになりました。
 ホームページでより詳しいご案内をしていますので、ぜひ一度ご覧ください。