電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【巻頭言】

タイトル

 輝かしい新春を迎え、地方税の電子申告も258団体(17政令指定都市・241市区町村)で受付可能となり、全国規模でのサービス展開に向けていよいよ動き始めました。
 このたび電子申告を開始された市区町村のご英断を歓迎いたします。
 このことは住民・納税者の利便性を高めるとともに、国税と地方税の電子申告がようやく“車の両輪”としての形をなすことでもあり、政府が掲げる「世界一便利で効率的な電子行政」の実現へ大きな一歩を踏み出したといえるでしょう。
 このほかにも、すでに約1,000団体がエルタックスとつながり、いつでも電子申告に対応できる環境が整いました。市区町村によって電子申告できるところと、できないところとがあるのは、納税者にとって非常に不便です。特に県庁所在地や中核都市の対応の遅れが目立つのは残念なことであり、200を超える団体での一斉スタートという勢いを止めることなく、ぜひ一日も早いサービス開始を期待いたします。
 それとともに、並行して取り組むべき多くの課題も残っています。
 まず現在、紙ベースで受け付けているすべての「手続の電子化」です。納税者の立場からすると「あれができて、これはできない」という状況は分かりづらく、とても不便です。
 二点目が「電子納税」です。いまや法人税申告の86.7%は税理士の代理申告ですが、納付は納税者自身がやらなければなりません。すでに国税では電子納税が可能ですが、地方税が一部団体しか対応していないため、納税者はわざわざ金融機関へ出向いているのが実状です。特に法人市町村民税納付書は市町村ごとに様式が異なり、金融機関にとっても月末の繁忙期の集計業務は非常に煩雑だと聞いています。その点、法人市町村民税や個人都道府県民税・市区町村民税(特別徴収)の電子納税ができるようになると、納税者も金融機関も楽になり、行政も入力の手間やミスから解消され、まさに“三方よし”となります。
 そして最後が、国税と地方税の窓口の一本化を目指した「ワンストップサービス」の実現です。これにより納税者の利便性が高まるだけでなく、行政にとっても税務の効率化・行政コストの削減が可能であり、昨今の行財政改革と考え合わせても整備が急がれるところと感じています。
 市区町村にとっては、電子申告の受付を開始しても、どのぐらい利用されるのか、不安もあるでしょう。
 いま、TKC全国会では(1)国税の電子申告200万件、(2)電子申告実践事務所7,000件、(3)電子申告100%実践事務所4,000件──の実現という目標を立て、電子申告の実践に取り組んでいます。地方税についても今後、実施団体の拡大に合わせて数値目標を掲げ、活動を盛り上げていこうと考えています。
 電子申告の便利さを誰もが実感できる時代は、もう目の前です。我々も総力を挙げて、電子社会の健全な発展に寄与できるよう取り組んでまいります。ぜひ一緒に地方税の電子化で未来を拓きましょう。