電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【巻頭言】

タイトル

  近年、銀行や行政窓口等での本人確認が厳格化され、本人確認書類としての住民基本台帳カード(住基カード)の重要性が増している。
 特に、運転免許証等写真付きの公的証明書を持たない方にとっては深刻な問題で、高齢者が運転免許証を自主返納する際には、警察庁と連携して住基カードの取得を呼びかけるなど、多方面から普及促進へ取り組んでいるところである。
 住基カードはその特性を生かし、ICチップ内に「基本利用領域」や「公的個人認証利用領域」といった極めて限定的な利用領域のほか「独自利用領域」を用意し、印鑑登録証や図書館カードとの一体化など、市区町村が住基カードを利用してさまざまなサービスを提供できるようにしている。現在、住基カードの普及率が比較的高いところは、このような多目的利用へ積極的に取り組む団体で、なかでも窓口よりも自動交付機の交付手数料を下げている例では自動交付機の稼働率・カード交付枚数ともに、その伸びが著しい。
 また、住基カードでは、公的個人認証サービスの電子証明書の交付を受けることで、国税の電子申告のほか、さまざまな申請手続がインターネットから手軽にできるようになる。
 このように非常に便利な住基カードだが、多くの場合、500円程度の手数料がかかる。そこで総務省では、平成20年4月から3年間、手数料を無料とした市区町村に対して財政支援をしており、2月3日現在、判明しているもので379団体がこの制度を利用している。また、多目的利用に関する取り組みにも、特別交付税で所要費の50%の財政支援を行っていることから、積極的に活用していただきたいと考えている。
 一方、利便性向上に向けた検討にも着手した。その一つが「コンビニにおける住民票の写し等の交付」だ。まずは先進団体でサービスを開始し、平成22年度からの全国展開を考えている。また現状では、住基カードの交付を受けた市区町村から引っ越すと住基カードが失効してしまうが、これを継続的に利用したいという要望も多く、住民基本台帳法の改正準備をするとともに、なるべく混乱のないよう実現させるべく取り組みを進めているところである。
 加えて、セキュリティ面では、(1)共通ロゴマークによる住基カードの視認性向上、(2)ICチップ内の券面情報により、機械的に住基カードの真正性を確認する仕組みの確立、など偽変造防止強化へ取り組んでいる。これにより住基カードでの本人確認機能が強化され、さらに利用場面が増えることを期待している。
 このほか、「社会保障カード(仮称)」でも、住基カードの利用に関して「既存のICカードや市町村が有するカードの発行基盤を利用することで費用対効果に優れた仕組みとすることが可能」とされており、これについても引き続き協力する計画だ。
 以上、総務省としても「住民の利便性向上」「行政事務の効率化」の観点から、住基カードの普及促進と機能強化へ積極的に取り組んでいる。こうした取り組みにより、住基カードが住民の生活に不可欠なものとして、安全かつ便利に利用されるような時代が来るものと確信している。