電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【巻頭言】

タイトル

 長岡市は、平成17年4月と18年1月の2度の市町村合併を経て、特例市となりました。今年3月末には3度目の合併を迎え、11市町村が一つとなります。いま長岡市は、度重なる災害からの「創造的復興」を市政の最優先課題とし、40万人都市をめざして「前より前へ!長岡」を合言葉に、地域が輝く共存共栄のまちづくりを進めています。
 さて、昨年誕生した鳩山政権は、住民に一番身近な基礎自治体を重視した地域主権を明確に掲げており、国政の大きなうねりのなかで、市町村が果たす役割と期待がいままでになく大きくなっています。
 私たち基礎自治体としても、地域の必要性に応じた政策の優先順位を決められる財源や権限を有し、市民力・地域力を活かした住民自治型の行政へと脱皮することが求められております。そこで、長岡市長、全国市長会長として、新政権に対して地方分権改革の一層の推進を期待し、その実現に向けて引き続き強く働きかけてまいります。
 地方分権の現場から見た基礎自治体の意義は三つあり、一つは「市民のクレームをいち早く理解する」、二つ目は「分野を統合して考える」、三つ目は「住民自治と連携した市民協働」が可能な立場だということです。
 クレームをいち早く理解できる立場としては、5年前の新潟県中越地震での住宅再建支援法の事例があります。国の支援制度が、被災者の実情からあまりにも乖離していたため、私は現場の職員とともにとても苦い経験を味わいました。制度の矛盾と簡素化を訴え続けた結果、3年後には改正されましたが、運用する市町村に権限があれば、もっと違う対応になったと感じております。
 さらに都市整備や福祉、教育などの分野を統合するということでは、昨年、長岡市に全国初の屋根付き広場と子育て支援機能が一体となった屋内型公園施設「子育ての駅・てくてく」を整備しました。雪国では長い冬の間、公園は雪で閉ざされてしまいます。そこで、屋内施設も屋外公園と何ら変わりがないことを国と協議し、都市公園法上の公園施設として国の補助を受けることができました。1日の平均来館者数が約1,000人という人気ぶりに驚くとともに、市民の声に耳を傾け、新たな視点で地域の実情にあった施設を整備できたことに満足しております。
 また長岡市は、長岡藩の時代から町民と武士の垣根が低く、同じ目線で一緒にまちを築いてきた「市民協働」の伝統があります。その集大成が、屋根付き広場、アリーナ、市役所が一体となったシティホールプラザ「アオーレ長岡」です。オープンは平成24年1月で、長岡市民の心の拠り所となる施設です。
 度重なる災害を乗り越えた「市民力」、合併した各地域が相互に高め合う「地域力」、長岡のまちをともに発展させようという「市民協働の力」。この三つの力が長岡市のまちづくりの強みです。この強みをいかし、これからも、全国に誇れる「長岡モデル」のまちづくりに、市民とともに取り組んでまいります。