電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【巻頭言】

タイトル

 昭島市(面積17・33平方キロメートル/人口約11万人)は、都心から西に約35キロ、東京都のほぼ中央に位置し、多摩地区の中核的な都市として順調な発展を続けています。昭和29年5月1日、北多摩郡昭和町と拝島村が合併し、東京都で7番目の市として誕生しました。「昭島」という市名は、この2つの自治体名を合わせて命名されたものです。また、都内で唯一、地下水(深層地下水)のみを水源とする水道水は、「おいしい水」として市民に喜ばれています。
 さて、昭島市では平成6年度に住民情報システムを電算化したのを皮切りに、これまで住民視点と費用対効果の視点に立って順次、情報化の取り組みを進めてきました。
 昨年9月には、納税者の利便性向上を図るため地方税の電子申告受付サービスも開始しています。まだ多くの市区町村がサービスを実施していないこともあって、初年度においては利用件数も少なく、業務の効率化やコスト削減などメリットを実感できるまでには至っていません。しかしながら、来年1月には国税連携が予定されるなど、電子申告の本格普及前に実務経験を積めたことは一定の成果があったと感じています。
 本来、ICTとは政策達成の手段であり、その活用においては現行方式にとらわれず、業務とシステムの双方で継続的な改善を行い、さらなる効率化・コストの適正化を図ることが重要です。そうした考えから、昭島市では電子申告のほかにも、これまでに東京都小金井市との共同による図書館システムやGISなどで、ASPサービスを柔軟に取り入れて有効活用してきました。また、平成22年度には、総務省が推進する「自治体クラウド」開発実証事業へも参加し、文書管理システムの共同利用を試みる計画です。
 こうした共同利用型のシステムは、コスト削減に止まらず、より多くの目でシステムをチェックすることでプログラムミスなどのトラブルを未然に防ぐことができる「リスクマネジメント」や、団体・組織を超えた「知識・ノウハウの共有」といった観点からも有効と考えます。
 いま景気低迷により財政が逼迫する一方で、少子高齢社会の進展や市民ニーズの高度化・多様化によって行政への期待感が急速に高まるなか、従来型の情報化では対応が困難となりつつあります。そこで、昭島市では市民サービスの向上を図るとともに、適切で効率的なサービスを将来にわたって安定的・継続的に提供できる行政運営の実現と、市民協働によるまちづくりを総合的に推進するため今年3月、「e(いい)まち・あきしま」を基本理念とする「昭島市情報化推進計画」を策定しました。
 計画では、ICTを活用した地域の活性化や産業育成とともに、高い品質や安全を確保しつつ情報化コストを見直す「基幹系システムの最適化」の推進を重要テーマとしています。その意味では、ASPや自治体クラウドなどの進展に大いに期待しているところです。これら新しい技術を柔軟に取り入れながら、改革の歩みを止めることなく、市民が主役のまちづくりに応える情報化の推進を目指します。