電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【巻頭言】

タイトル

 茨木市(人口27万3,842人/5月末日現在)は、大阪府北部に位置し、北は丹波高原の老の坂山地の麓が、南には大阪平野の一部をなす三島平野が広がっています。また、国内有数の古墳群地帯で、古墳時代の初期から末期までの各時代の古墳が現存しているほか、参勤交代の大名が宿泊した「椿の本陣」など、数多くの史跡を有しています。
 さて、茨木市では現在、実感できる市民サービスの向上、行政運営の簡素・効率化等を目標に、「茨木市高度情報化推進計画(第2次)」に基づく電子市役所の実現へ取り組んでいます。
 本来、行政の情報化とは行政サービスの電子化自体が目的ではなく、市民に身近なものとして、利便性を実感できなければならないと考えています。そこで重要となるのが、市民の目線です。茨木市では、平成4年に「地域情報化の意識調査」を行って以来、常に市民の視点を意識した情報化を推進してきました。
 平成8年には、市内各所に設置した専用端末を使って、スポーツ施設の予約サービスを開始し、平成14年にはパソコンや携帯電話からの利用予約も可能とするなど随時サービスを拡充してきました。オンラインでの申請件数は、平成21年度実績で全体の約96%となっています。背景には、携帯電話の普及やインターネット利用の拡大があり、民間がインターネット上でさまざまな手続きを可能としているように、行政手続きのオンライン化は、もはや時代の流れといえるでしょう。
 また、平成21年度より各種講座・講習会の受講申込やイベントの参加申込などについて、パソコンや携帯電話から24時間365日、手続きができる簡易電子申請を始めました。これらサービスの開始にあたっては全庁的に手続きを洗い出し、その申請方法(来庁・郵送など)や交付物の有無、本人確認の有無などを調べました。そして、新築住宅等の家屋調査の希望日受付など、厳格な個人認証が必要なく、市役所に出向かなくても手続きが完了するものを簡易電子申請の対象としました。例えば、新規採用職員説明会の受付は、昨今の“ネット就活”時代を反映して多くの申込みがありました。
 市民視点に立つと、いろいろなオンラインサービスの展開が見えてきます。例えば、地域の安全確保の点で街路灯や防犯灯の修理受付を実施していますが、街灯の故障に気づく夜間に申込みができるとあって好評です。また、市民へ積極的に電子申請の利便性を広報することで利用件数も増加しています。今後もこうした市民のニーズに沿ったサービスの拡充に努めていきたいと考えています。
 さらに、電子行政の推進に際しては業務プロセスの見直しなどにより費用対効果を高めることも重要で、その点ではASPなどクラウドコンピューティングも視野に入れていきたいと思います。
 先頃、『新たな情報通信技術戦略』が公表され、地方公共団体にも「国民本位の電子行政」実現に向け、一層の努力が求められています。茨木市は、これからも市民の視点に立ち、利便性を実感できる電子行政サービスの実現を目指します。