電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【巻頭言】

タイトル

 新潟県十日町市(平成23年1月末現在人口6万55人)は、平成17年4月に5市町村が合併して誕生した市で、新潟県の南部、長野県との県境に位置しています。日本一の大河・信濃川が南北に流れ、最南部は上信越高原国立公園の一画を占めるなど豊かな自然を形成しています。
 さて、十日町市では新市の重要施策の一つとして、すべての市民・事業者が安心して豊かな生活や企業活動ができるよう、これまで地域情報化を積極的に推進してきました。その結果、平成21年夏までに市内全域で高速インターネットに接続できる環境を整備し、今年度からは市役所改革および市民サービス向上の一環として「電子市役所」の取り組みも本格的にスタートしています。
 その取り組みの一つが、昨年10月、ホームページのリニューアルに合わせて開設した「e─とおかまち」です。ここでは、市が保有する地図情報を公開して行政機関や医療・福祉施設、AEDの設置場所、各バス停の時刻表など、地域の情報を地図上から確認できる「市民公開GIS」や「公共施設予約」などのサービスを提供しています。また、電子市役所としては、このほかにも新たな防災情報伝達の手段として「十日町あんしんメール」に取り組んでいます。
 こうした市民サービスは、形づくることが最終目標ではなく、検証と改善を繰り返しながら市民に役立つ質の高いサービスとして、いかに持続的に発展させていくかが大切です。
 そこで十日町市では昨年10月、市が有する政策課題を集中的に検討し、実効性の高い施策展開へ結びつけることを目的とした「職員知恵出し会議」を設置しました。今年度は「怒涛の人の流れ」をつくり出すために、部局の枠を超えた若手職員が集まり観光の推進や市民サービスの向上に関する検討を行っています。また、これら施策の推進にはICTの活用が不可欠なことから、情報システム係の職員も会議へ参加して、インターネットを活用した農業体験の募集や、スマートフォン(高機能携帯電話)を使った観光情報や夜間病院など暮らしの情報の提供など、さまざまなアイデアを提案しています。
 こうした市民本位のサービスの実現にあたっては、費用面はもちろん、職員の業務負担を勘案しながら実現性を検討することも肝要です。そのため十日町市では、公共施設予約の実施にあたり、LGWAN─ASPサービスを利用することでコストを削減するとともに、民間のデータセンターで24時間365日サービスの運用状況を監視する仕組みを採用することで、職員の負担を極力軽減しながら市民に利便性の高いノンストップサービスを実現しました。
 現在、総務省において「自治体クラウド」の実証実験が行われていますが、こうした民間サービスを活用した「システムの共同化・共通化」は地方公共団体において今後一つのトレンドとなるでしょう。
 我々としては、そうした最新動向も視野に入れながら、知恵と工夫を最大限に駆使し、あらゆる手段から最も効果のある方法を選択し、これからも“選ばれて住み継がれる十日町市”の実現へ取り組んでいきたいと思います。