電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【連載】

 1月15日、秋田県秋田市と和歌山県田辺市において地方税の電子申告のサービスが始まりました。また、これとともに「給与支払報告書(以下、給報)」の電子化もスタートし、地方税の電子申告を取り巻く環境にも変化が現れてきています。そこで今回は、今年追加される新サービスと電子申告に関連した最近の動向についてご紹介します。

 1月中に実施されたエルタックスの申告件数を見ると6万5000件を超え、月間利用件数で過去最高となりました。また、1月申告期限の固定資産税(償却資産分)についても、昨年4月の電子署名の簡素化や給報導入の相乗効果によって、月間利用件数が約2万件となり、前年同期実績の3万件から6.6倍増と大幅な伸びを見せました。
 さらに給報の電子化は、1月15日運用開始にもかかわらず、1月末現在で稼働17市への提出件数が合計で2万8000件(総括表数)を上回るなど、好調な滑り出しとなっています。急きょサービス開始を決めた田辺市(人口約8万4000人)でも、初日から連日途切れることなく給報が提出されました。こういった点から、給報の電子化に対する潜在的利用者は、団体の規模の大小にかかわらず非常に多いことが読み取れます。
 なお、初年度ということもあって、今回は税務・会計ソフトの給報対応にかけられる時間が限られましたが、来年度はより多くのベンダーへ働きかけ対応製品の充実を図る予定です。こうした利用環境の整備が、今後の利用率向上へとつながるものと思われます。

3月からは納税や申請・届出も

 エルタックスでは、3月24日より新たに「電子納税」「電子申請・届出」のサービスを追加します。
 まず電子納税については、電子申告と連動することから、対象税目は「法人都道府県民税」「法人事業税」「法人市町村民税」「事業所税」となります。ただし、「固定資産税(償却資産分)」は賦課税目のため、電子納税の対象となっていません。なお、「個人住民税(特別徴収分)」については、特徴義務者が金額を手入力して納付する方法となっています。
 電子納税を行うには、エルタックスが提供している電子申告用ソフト「PCdesk」を利用します。その場合、まず電子申告済みの一覧画面から電子納税をしたいものを選択して、「納付情報発行依頼」をします。その後、発行された「納付情報」に基づき、「pay-easy」(ペイジー/公共料金や税金などを電子納付する電子決済サービスのこと)を介して金融機関のインターネットバンキングで納付を行います。ちなみに、納付情報の画面で通知される納付番号と確認番号を入力すれば、ATM(現金自動預け払機)から納付することもできます。
 このサービスは、3月24日から岡山県と大阪市で、4月1日からは島根県で、それぞれ納税・納付が可能となります。その他の団体については、今後、順次対応を進める予定です。
 また、電子申請・届出は、主に法人を対象に法人設立・設置や異動に関する申請・届出を行えるようにするものです。エルタックスを通じて各団体共通で一元的に申請・届出が行える環境を整備し、利用者の利便性向上を図ります。本サービスはPCdeskを用いず、ホームページから直接申請・届出を行えます。また、エルタックスの利用者IDの取得は必須としていません。3月24日から岡山県と14市でサービスが利用可能となり、順次拡大していきます。
 さらに、3月24日からは、利用者の利便性向上策として利用者IDのオンライン発行(通知)も始まります。これは従来、郵送で通知していた「利用者ID」と「仮暗証番号」を、オンラインで利用届出を行う際に画面上でお知らせするものです。これにより利用者は、提出先団体での利用届出の審査が完了次第すぐに電子申告を行えるようになります。これまでのように利用通知書の到着を待つ必要がないため、より手軽に電子申告を始めていただけると思います。

電子申告促進の動きが活発に

 国税の電子申告e-Taxでは現在、「電子証明書等特別控除」を実施しています。
 これは電子政府の推進のため、国および地方自治体に対するオンライン申請等を行う際に必要な電子証明書等(住民基本台帳カード+公的個人認証サービスに基づく電子証明書、ICカードリーダライタなど)の取得を税制面で支援するために創設されたものです。平成19年分か20年分のいずれか1回、所得税から5000円の税額控除を受けられます。これにより住基カードなどの電子証明書の普及が進むことが想定され、地方税の電子申告への波及効果も期待できます。
 さらに昨年11月には、地方税電子申告の普及促進を目的として、民間企業9社による「地方公共団体電子申告等普及促進協会(略称、APTO)」も設立されました。民間のこうした取り組みによって、本年度から開始したLGWAN-ASPが一層充実し、市町村へのエルタックスの導入もさらに容易になっていくことでしょう。