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【連載】

地方税ポータルシステム(以下、エルタックス)を運営する社団法人地方税電子化協議会(協議会)は、平成21年10月から始まる「公的年金からの個人住民税の特別徴収制度」において、特別徴収義務者(社会保険庁等)と市区町村のデータ授受を行う経由機関として指定される予定です。今回は、この業務について説明いたします。

 今年4月、地方税法の一部を改正する法律が成立し、平成21年10月より公的年金から個人住民税を特別徴収することが決定しました。これにより、納税者は金融機関等の窓口に納付する手間が省け、市区町村にとっても事務コストの軽減や徴収率の向上が期待されています。
 今回の制度開始に伴い、特別徴収義務者と市区町村のデータ授受については、経由機関を通して行うこととされています。

データ授受の方法は?

 特別徴収に係る大まかなスケジュールは、以下の通りです。
(1)特別徴収義務者が、年金支払報告書を、経由機関を通して市区町村に渡します(1月)
(2)特別徴収義務者が、年金受給者データを、経由機関を通して市区町村に渡します(5月)
(3)市区町村が(2)のデータに対して住民税の特別徴収税額を決定し、経由機関を通して特別徴収義務者に通知します(7月)
(4)特別徴収義務者は(3)のデータを元に年金支給時に特別徴収を行い、当該市区町村に納入します(21年10月以降の年金支給月)
 このほか、特別徴収の結果通知や異動通知などの情報がやりとりされる予定で、年間30回以上のデータ授受が発生すると想定されます。
 このデータ授受については総務省の方針として「基本的にエルタックスを通じて行う」と示されており、市区町村においても20年1月開始をめどに対応準備を進める必要があります。
 来年1月にスタートするには、年3回(20年度は4月、9月、12月の3回を予定)のエルタックス導入接続時期と合わせるとともに、稼働時期の5か月前(LGWAN─ASP方式の場合)までに協議会へ加入申し込みを行う必要があります。
 とはいえ、9月補正で予算を確保するという市区町村も多いことから、協議会としては、そうした団体についても柔軟に対応できるよう、接続試験や職員研修期間の短縮などに努めたいと考えています。

市区町村のシステム改修

(1)公的年金支払報告書対応
 市区町村は、平成21年から毎年1月、公的年金支払報告書を電子データで受け取ることになるため、経由機関から受け取ったデータを従来使用していたレイアウトに変換し、基幹システムへ取り込むといった対応が必要となります。
(2)特別徴収税額決定対応
 市区町村は、平成21年から毎年5月、年金受給者データを受け取ることになります。このデータを踏まえて、市区町村では住民税の特別徴収税額を決定し、経由機関に渡すデータを作成するためのシステム対応が必要です。

協議会への費用負担について

 エルタックス導入に伴い、協議会に対して発生する費用は会費と運用関係費負担金、加えてASP事業者などへ支払う費用などがありますが、詳しくは前号で述べた通りです。
 なお、エルタックスと経由機関業務は別事業と位置づけられるため、それぞれに費用が発生することに注意が必要です。これは、経由機関業務を行うにあたって発生する運用経費について、全国の市区町村で費用負担していただくものです。
 また、経由機関業務については基本的にエルタックスを利用しますが、導入が間に合わない市区町村に対しては、代替手法として、LGWAN文書交換システムを利用してデータ授受を行うことを予定しています。このため、その代替手法にかかる費用については、これを利用する市区町村で負担していただく予定です。
 さて、7月11日から、全国11会場で、総務省と共催による公的年金からの住民税の特別徴収制度についての説明会を行います。説明会では、エルタックスの導入のほか、経由機関業務に関する部分、市区町村とデータ授受を行う際のファイルレイアウトやスケジュール、費用負担などについて具体的に説明する予定です。
 なお、これらの内容は、オブザーバー会員専用のホームページ上でも随時公開していく予定です。ちなみにオブザーバー会員の参加費は無料で、課長名で参加できることから会員数は416団体(6月24日現在)に達しています。
 まだ参加されていない市区町村は、まずは情報収集のためにもオブザーバー会員になることをお勧めします(入会申込書はエルタックスのホームページからダウンロードできます)。