電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【連載】

社団法人地方税電子化協議会(以下、協議会)は、平成21年10月から始まる「公的年金からの個人住民税の特別徴収制度」において、特別徴収義務者(社会保険庁等年金保険者)と市区町村のデータ授受を行う経由機関として指定される予定です。今回は、テストスケジュールなどについて説明します。

 「公的年金支払報告書」は、これまで年金保険者から毎年1月に市区町村へ紙で提出され、市区町村ではこれを個人住民税を賦課決定するための資料として使用していました。
 これが平成21年1月より、地方税ポータルシステム(以下、エルタックス)を通じて電子データでやりとりされることになります。市区町村では、今後、電子化された公的年金支払報告書を基幹システムへ取り込むための対応が必要となります(システム改修内容は前号の通りです)。


 このデータ授受については、「原則、エルタックスを通して行う」という方針が総務省から示されていますが、平成21年1月に導入が間に合わない団体については、2年間の経過措置としてLGWAN文書交換システムを利用してデータ授受を行うこととなっています。
 ただ、いずれを使うにしても、21年1月までに市区町村側で電子データを受け取る環境を準備する必要があります。授受されるデータのレイアウトはいずれも同じですが、21年1月時点ではLGWAN文書交換システムを利用し、その後、エルタックスへ移行する団体の場合、両方の仕組みを想定した基幹システムの改修が必要です。
 さらに、LGWAN文書交換システムを利用する場合は、年金特徴の経由機関運用経費(事務運営費分担金、システム運用関係費分担金)とは別にLGWAN文書交換システムに係る費用(その他の分担金)が発生しますのでご注意ください。
 
12月上旬からテスト開始
 個人住民税の特別徴収の開始にあたり、来年春に向けて協議会と市区町村の間で各種データの接続テストを実施します。それぞれのスケジュールは図の通りです。
 まず12月上旬に、協議会との間でデータ送受信のテストを行います。これは市区町村側の端末を操作し、データが正しく受信できることを確認するもので、エルタックス利用団体、LGWAN文書交換システム利用団体ともに必要なテストです。このため、それまでにはASP事業者を決定し、テストが実施できる環境を構築しておかなければなりません。
 また、このほかにも開始パターンに応じて、以下のテストが必要となります。
●エルタックス利用団体
 市区町村側から試験環境のポータルセンタへ、公的年金支払報告書データの配信要求を行い、審査システムで正しく受信できることを確認します(基幹連携試験は任意実施)。
●LGWAN文書交換システム利用団体
 協議会から各市区町村へ、文書交換システムを用いて公的年金支払報告書データを送信します。市区町村では、当該データの到達およびデータ内容を確認します(ともに基幹連携試験は任意実施)。
 このほかにも21年3月には、エルタックスと市区町村間でやりとりされる特別徴収に係る各種データの接続テストが予定されています。

この機に地方税の電子化を
 市区町村においては秋以降、特別徴収制度対応へ向けた準備作業が佳境を迎えます。
 しかし、エルタックスとは本来、地方税の電子申告・納税を行うための基盤であり、年金特徴のデータ授受だけではなく、合わせて電子申告の受付サービスの準備も進めていただきたいと思います。
 なぜならば、納税者がエルタックスを利用する最大のメリットは、複数の自治体への申告をまとめて一度に行えることです。現状は利用できる団体が18市ですが、8月15日までに提出された仮申込では、200を超える団体が12月より電子申告の受付を始める予定です(20年度、エルタックスを利用して年金特徴データのみの授受を行うのは約1000団体)。


 エルタックスは近い将来、e─Tax(国税電子申告・納税システム)との連携も予定されています。これが実現すれば、年間577万件に上る確定申告書を、紙ではなく電子データで授受することができ、税業務の大幅な効率化も期待されます。

 さて、協議会では、公的年金からの住民税の特別徴収を含めて「地方税の電子申告」に関する情報をオブザーバー会員専用のホームページ上で随時公開しています。オブザーバー会員数は1721団体(8月21日現在)に達しました。