電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【連載】

タイトル

 平成20年12月、電子申告サービスの実施団体が一挙に258市区町村へと拡大した。近い将来、地方税ポータルシステム(エルタックス)とe─Tax(国税電子申告・納税システム)とのデータ連携も予定され、地方税電子化の動きは今後一段と加速する。市区町村への「電子申告」導入促進から、利用者の利便性向上と税務業務の効率化の実現へ。セカンドステージを迎えた「地方税の電子化」について、社団法人地方税電子化協議会へ聞く。

人物

──現在の加入状況についてお聞かせください。
西村
 このほど1,200市区町村がエルタックスと接続し、1月より公的年金に係る各種データのやりとりが始まりました。また、このうち239市区町村では新たに地方税の電子申告も開始し、サービス実施団体は従来の19市町から258市区町村へと大幅に増加しました。さらに、そのほとんどの市区町村において1月から給与支払報告書の受付がスタートします。そのほかにも4月から30団体ほどサービス開始を予定するなど、地方税の電子申告は新しい局面を迎えました。ただ全体的な傾向としては「西高東低」といえます。また、和歌山県のように21団体がまとまって電子申告を始める県がある一方、1団体も実施しない県があるなど地域によるばらつきも見られます。さらに、県庁所在地や中核都市の電子申告対応の遅れが目立つのは意外でしたね。
──なぜなんでしょうか。
村上
 詳しくは分かりませんが、理由の一つとして「基幹税務システムとのデータ連携」を重視する団体が少なくないと推察できます。そのため作業の混乱を避け、まずは「個人住民税の公的年金からの特別徴収」制度対応を優先したのでしょう。ただ、エルタックスは本来、地方税の電子申告・納税を行うための基盤で、年金特徴のみでも電子申告まで実施しても協議会への費用負担は同じです。納税者の利便性向上という観点からも、ぜひ早急に電子申告へ対応していただきたいと思います。

図表a

国税連携も具体的ステージへ

──電子申告の早期実現に向けた促進策は?
西村
 最大のポイントとなるのが、エルタックスと「e─Tax(国税電子申告・納税システム)」とのデータ連携です。これについては、「KSK(国税総合管理システム)」とともに、平成23年1月の申告分からの連携を目指して具体的検討を開始しました。そのため、20年11月に地方税電子化協議会のシステム検討部会の下に、「個人事業税」と「個人住民税」のワーキンググループを立ち上げ「どういう情報をどのように提供してもらうか」などを検討し、今年度末までに検討結果をまとめる計画です。これを受けてシステム仕様などを決定し、夏をめどに説明会を開催して、市区町村へ今後のスケジュールや国税連携に伴う導入負担などについて説明したいと考えています。
──国税との連携は、市区町村も大変注目しています。
村上
 今回はエルタックスを導入せず、LGWANの文書交換システムを活用するところが605団体ありますが、これは2年間の経過措置であり、国税連携が始まるまでにはエルタックスを導入することが必要です。また、インセンティブの有効期間も21年度(21年度中に加入すると、21年度の運用関係費負担金全額と22年の運用関係費負担金半額が免除)までとなっています。これを過ぎると費用的なメリットがなくなることから、ぜひ早めの参加をお願いしたいですね。

図表2

次なるテーマは税務の効率化

──今後のご計画は?
西村
 今回、1,200市区町村がエルタックスへ参加しましたが、これで導入促進が一段落というわけにはいきません。納税者の要望は、一日も早く、すべての市区町村で電子申告・納税サービスが実現されることですからね。これとともに今後の重要テーマは、いかに地方税に関わる「税務の効率化」を図るかですね。市区町村の関心もそこにあることから、国税連携の検討でも十分意識していく必要があると考えています。また、もうひとつ新たに取り組もうと考えているのが、「利用率の向上」に向けた活動です。当初の計画では、今年度は法人二税で利用率8%を目標としていましたが、すでに14%を突破しており、このまま順調に推移すれば来年度は25~30%に達すると期待しています。利用率が向上すれば、税務の効率化にもつながりますからね。そのためにも、今後は都道府県や市区町村が主体的に、中堅大企業や地元税理士会へ電子申告利用の働きかけを行う活動を展開していければと考えています。