電子自治体推進を支援する情報誌「 新風」

【連載】

タイトル

 平成21年4月、地方税ポータルシステム(以下、エルタックス)を利用して新たに43団体が電子申告の受付を開始し、これによりサービス実施団体は348となりました。年度内の電子申告導入を検討する市区町村も多いことから、本号では、今回で2度目の提出となった給与支払報告書等(特別徴収義務者異動届等含む)から利用者の動向を確認するとともに、都道府県ごとの電子申告実施状況や今年度の導入スケジュールなどについて説明します。

給与支払報告書の提出急増

 さて、給与支払報告書等がエルタックスで提出できるようになったのは昨年1月のことです。
 当時、電子申告をスタートしていたのは66団体で、そのうち給与支払報告書等の提出ができたのは約20団体に限られていたことから、どこまで利用されるのか不安もありました。しかし、いざ蓋を開けてみると、約3万事業者(事業所・事務所等)からの利用があり、予想以上の成果を挙げることができました。
 それが今年1月から250団体へ給与支払報告書等を提出できるようになったことで、利用件数は約13万3,000事業者と、前年比の約4.5倍にまで急伸しました。
 これは他の税目と比べても非常に大きな伸びで、法人市町村民税の利用件数が前年比約2.5倍であることから見ても、給与支払報告書に対する納税者の潜在的需要の高さがうかがえます。
 給与支払報告書は、従業員の住む市区町村ごとに提出する必要があることから、給与支払者(事業所・事務所等)である特別徴収義務者にとっては、利用可能な市区町村が増えるほど大きなメリットがあります。
 通常、従業員は勤務地あるいはその近郊の市区町村に居住することが多いと思われ、近隣の市区町村が足並みを揃えてサービスを提供することがさらなる利用率向上につながり、ひいては市区町村側のメリットもこれまで以上に大きくなると、期待されます。

和歌山は電子申告先進県

 現在、301の市区町村が電子申告サービスを開始していますが、都道府県別に導入状況を見てみると、だいぶ偏りがあります(図1)。なかでも際だって対応率が高いのは和歌山県で、30市町村の90%にあたる27団体が電子申告を開始しています。また、中国地方も対応率が高く、島根県、岡山県、広島県、山口県では40%を超えました。

図表1

 その一方で、電子申告に対応している市区町村が1団体もないところが9県あります。これには、県域など広域での共同利用による一斉導入を検討しているところも含まれますが、対応市区町村が増えれば都道府県税の電子申告件数の増加も期待されることから、全体の利用率向上のためにもぜひ早期の導入をお願いします。

インセンティブ期限せまる

 これまでにも本稿で案内をしてきましたが、地方税電子化協議会では市区町村に早期にエルタックスを導入していただくため、「運用関係費負担金」免除のインセンティブを設けています。具体的には、21年度導入団体に対して、「運用関係費負担金」の21年度分を全額免除し、22年度分は半額免除とするものです。
 なお、この適用期限は平成21年度中としていることから、これを過ぎるとインセンティブを受けられなくなります。
 最後に、今後のスケジュールを説明します。
 今年度にエルタックスを新規導入あるいは機能追加する場合は、9月、12月、3月のいずれかのサービス開始日に合わせて行う必要があります。その場合、新たにエルタックスを導入する団体には、協議会へ「入会申込書」と「エントリーシート」を提出していただきます。また、すでに協議会参加している団体が対象税目を追加する場合は、「エントリーシート」を提出していただきます。それぞれのサービス開始に合わせた提出締切日は図2の通りです。

図表2

 なお、協議会としては、7月末までに市区町村へ翌年の負担費用見込額を提示しなければならないことから、サービス開始日が12月以降であっても、6月末までに入会申込書を提出していただく必要がありますのでご注意ください。
 また現在、LGWAN文書交換システムを利用して公的年金支払報告書等の授受を行っている団体については、暫定利用期限(22年12月)までにエルタックス利用へ移行する必要があります。今後、地方税の電子化を円滑に進めるためにも、必要経費の予算要求など早めの行動が肝要です。


(※所属・役職等は執筆当時のものです。)